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2020.4-6月活動報告(授業改善編)

テーマ:授業改善

●結論⇒対話的で双方的な授業を作る

この3か月間、僕は教材研究に全力を注いできました。勤務時間はもちろんのこと帰宅後の時間もほとんどを授業改善の時間にしました。我ながら頑張ってきたと思います(その分部活とかはめちゃめちゃさぼりました。ごめんなさい。)。
そこで気づいたことを今日は報告したいと思います。ただ自分の中のことを整理したいのでnoteを使ってアウトプットしていきます。

4月第1週目の授業=板書メインの授業

※ここから先は、高校物理の授業の話をしていきます。
 僕は、最初のほうの授業は「授業プリント+板書」でやりました。授業内容を1枚のプリントにまとめてて、大事な個所の穴埋めをしていくイメージです。ただし、物理学は語句自体を覚えていく教科ではないので、導出や演習問題も組み込んであります。3月から準備してコロナ休業中にさらにバージョンアップさせた自信作でした。

授業の流れは、プリントに沿って、その日の内容を解説していき、黒板で法則の説明や公式の導出などを行っていくものでした。この授業は、僕の解説だけでほぼ50分間すべてを使ってしまったため失敗でした。生徒は解説をただ聞いて黒板の板書を写すという苦行を強いられていたからです。なぜ彼らにとって苦行になっていたのかを聞いてみたら、「先生が「黒板で説明してくれるけど、自分のペースにあってないから、わからないところをそのまま流してしまう」、「演習の時間がないから、いざ演習をしようと思ったときに全く解けない」のような答えが返ってきました。一人ひとり理解のスピードが違うから、一斉授業のせいでわからないまま流してしまっていたり、アウトプットの時間が少ないために学習内容の定着がいまいちうまくいっていなかったりすることが分かりました。

 大幅な授業改善⇒5月からの授業=アクティブラーニング導入

1週間でこの事実に気づいたので速攻で修正すべく、僕の同期が紹介してくれたアクティブラーニングをとり入れた授業を作ることを決めました。(コロナ休業期間の在宅勤務につくったすべての授業プリントをお蔵入りさせました。)
 そして、今の授業方法に切り替えました。今の授業は「パワポ+演習問題+リアクションカード」で行っています。流れは、「①パワポで内容を説明(10分)⇒②演習問題(35分)⇒③リアクションカードを記入(残り時間)」です。

 ≪ルール1【全力で解説を聞く】≫

この授業のポイントは、「①を早く終わらせること」です。「②演習問題の時間を多く確保すること」が超重要になっています。なので授業開始時間の5分前には教室に行き、プリントは前の席に並べ生徒自身に取ってもらうというルールを作り(プリント配布の時間を省き)、その間に僕はプロジェクターの設置を行います。そして授業開始のチャイムと同時にパワポの説明に入ることにしています。(号令も省略です)
 パワーポイントのスライドはスライド4枚をA4一枚に集約して生徒に配布しています。用語や図は板書するのは無駄ですし、スライドだときれいだからです。物理法則や公式の導出などの重要なものは板書を使って説明することもありますが、それもスライドにMEMOページを作り、そこにメモさせています。前の授業プリントを極限に省エネ化したものみたいなイメージです。でもメリットは絶大で、僕が板書をする時間と生徒が板書を写す時間を省いただけで、いままで50分かけていたことが最大でも15分以内に終わってしまいます。やればできちゃうものです。そして、生徒も「10分なら本気で集中して聴こう」と前のめりなので吸収力も落ちません。スピードにはしっかりついてきてくれてます。ほんとに素晴らしい。ありがとう、生徒たち。

≪ルール2【仲間と協働する】≫

 そして、このパワポ解説が終わると、演習問題を30分ほど解きます。演習問題の時間にもルールがあって、「①勉強スタイルは自由(おしゃべりしよう。うごきまわること。)②わからないことがあれば友達に聞こう③わかった、できた人は積極的に教えよう」としています。この間、僕も教室中を歩き回って、ペンが進んでいない生徒や、質問をしてくれる生徒を構うことができます。生徒たちの疑問や気づきを周りの仲間同士で共有でき、彼らの言葉で物理現象が理解されていくのを見ていると、高校生の思考の柔らかさに気づきます。また、生徒たちも仲間と話しながらやるのはすごく楽しいことだと言います。わかることは面白いらしいです。わからないから嫌いになるんでしょうね。
僕も実験的に毎時間30分も自由に演習問題に取り組ませていましたが、なんとかなっています。「教員いらないじゃん」と感じてしまうかもしれません。

≪ルール3【今日の学習を振り返る】≫

最後に、残り3分くらいでリフレクションカードを書いてもらいます。僕はこれを出席票としています。書くことは、「Aわかったこと、B次回の授業までにやること、C感想、質問、要望など」の3つです。これで生徒の気づきや疑問を抽出して、次の授業で紹介し、みんなで考えています。また、毎時間授業のフィードバックができるので授業改善の機会にも恵まれます。そのため僕も毎回方向性を変えられています。生徒のリアクションによって伝え方や次の授業でやらなければいけないことが変わるのは大変ですが、生徒との信頼関係を築くためには必要なことだと思っています。
最初のころは生徒たちはめんどくさがって「Cわからなかった」とか「Cとくになし」とか書いてくるんですが、演習問題で仲間と話しながらもんだいにとりく生徒も慣れてくると質問や疑問をたくさん書いてくれます。これに対して、すぐに救いの手立てが打てることもいいことだと思います。

僕は、いまこんな感じの授業を展開しています。まだまだ実験段階で改善点は多々ありますが、ひとつの形として出来上がりつつあります。でも致命的なエラーを発見したら、また一から考え直そうと思っています。なんて1年目だし、失敗して当たり前ですもんね。ここで止まったらやばい気がするので、今後も色々試していきます。

今回は以上です。またね。

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