目標は毎日書き換えるくらいがちょうど良い
前回の記事で、「want to」のゴールの設定が上手くできない5つの理由を書きました。
その中でゴールは「放っておくとwant toでなくなっていく」と書いたのですが、今回はその理由をもう少し詳しく説明したいと思います。
ゴールを本気で「want to」で設定しようと思って、いざ書き出してみると、おそらく多くの人が「難しい」と感じるはずです。
「そもそも自分が本当に欲しいものが分からない」「これで良いのか自信がない」「そんなにめちゃくちゃ欲しいモノ、やりたいコト、なりたい自分なんてない」
など、なかなか「これだ!!」というものが見つからないと思います。それでも何とかひねり出して「これかな」と設定したとします。その瞬間は「うん、何となくこれは欲しいかもしれない」というところまで設定できたとします。
ところが数日経ってからその設定したゴールをを見てみると「う~ん、これ本当に欲しいかな?(やりたいかな?|なりたいかな?)」と感じると思います。
これが「放っておくとwant toでなくなっていく」という状態です。
ではなぜこういった状態になってしまうのでしょうか?
理由は大きく分けて2つあります。
1.自分が持っている情報や周りの環境が刻々と変わるから
2.言葉はそれほど万能ではないから
自分と周りがそのままでいることなんてありえない
一つ目の「自分が持っている情報や周りの環境が刻々と変わるから」ですが、どんなゴールでも設定した瞬間に脳はその情報についてリサーチを始めます。いままで見ていた景色の中から、それに関連する情報を見つけ出してきたり、今までは気付かなかった情報をどんどん拾い上げてきます。
例えば家族との関係性があまりよくないと感じていた人が「家族と良好な関係性を築く」とゴール設定したとします。ところが家に帰ってみるとお母さんが自分のために晩御飯を作ってくれていました。いつもは当たり前と思って意識したこともなかったことが、ゴール設定したとたんお母さんがいつも自分にご飯を作ってくれていることに気付き「これって、すごくありがたいことだよな」と思ったとします。こうなると、既に「家族と良好な関係性ってできてるんじゃない?」と考えゴールがこれで良いんだっけ?と思うかもしれません(これは実際に私がコーチングした人がその日のうちにゴールを達成してしまったと言ってきた事例です)
また周りの環境もどんどん変わっていきます。例えば自分が「全社で売上トップになる」と目標設定したとします。しかし、競合他社がいきなり新商品のリリースを発表し、自分が扱っている商品をそもそも変えなければいけないかもしれません。または会社が買収されて他の会社とくっついてしまい、全社の定義が変わってしまうかもしれません。
このように、自分が設定したゴールの「前提条件」が変わってしまうと、ゴール設定したことが変わってしまうのです。
言葉で表現できることは限られている
二つ目の「言葉はそれほど万能ではないから」は、自分の考えを言葉できちんと表現することがとても難しいということです。
例えば「誰かを喜ばせたい」というゴールを設定しようとしたとします。自分の頭の中には以前自分が何かをしてあげて、それで喜んでくれた人の顔が思い浮かんでいます。でも、いざそれを言葉にしようとすると、「自分がしてあげた行為の何が相手をそんなに喜ばせたのか?」「相手は何でそんなに喜んでくれたのか?」「相手はどんな感情だったのか?」を明確に言葉にすることが難しいことに気付くはずです。
このように世の中の情報には「言語」にできるものと「非言語」でしか表現しきれないものが存在します。(「美しい公園を作りたい」と言っても「美しい」のイメージは自分の頭の中の映像でしか正確には表現できないはずです)
そうすると、最初は設定できたとしても、しばらくすると「この表現だといまいち自分の本当に欲しい状態ではないんだよね」と感じるようになり「want to」から離れていってしまいます。
ゴールは日々書き換えるくらいがちょうどいい
このように、ゴールは設定できたとしても、環境要因で前提条件が変わってしまったり、言葉では表現しきれないため、放っておくと「want to」でなくなっていくことがあります。
そのため、
「ゴールは毎日眺めて変えていっていいのです」
一度決めたら変えてはいけないと思っている人も多いのですが、自分が常に「want to」だと感じ続けるためには、日々微調整していかないと「want to」の状態を維持できません。
また言葉にし切れない部分は「イメージ」を持つだけでも問題ありません。もしくは言葉にできなければ「理想の光景(ideal picture)」として絵や写真、動画などを用意しても良いです。
とにかく自分が心から欲しいと感じている状態をキープすることが一番大事なので、そうできるように毎日ゴールを眺めて微調整してみてください。
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