翡翠色の光の先は…

2020年9月12日に東京ガーデンシアターで無観客開催された虹ヶ咲2ndライブday1の感想です。

day2の感想もあるにはあるんですが、書いてる内に分けた方がいい内容だなと思ったのでday1のことだけ書きます。



まず一連のライブを通して、『進化した虹ヶ咲を見て欲しい』だったり、ライブのタイトル通り『これからの可能性と今までの虹ヶ咲を知って欲しい』だったりとコンテンツ・演者からファンに何かを伝えたい、知って欲しいというメッセージ性が強かった印象でした。

無観客配信やキャストさんが1stライブ以上に「成長」を強調していたからそう感じたのもあるかもしれないです。

「楽しかった~!」ってことを書くのもいいんですが、そう解釈した以上は率直に自分が受け取ったもの、受け取った結果感じた想いを書くのがここに残すべきことなんだろうなと落とし込みました。めんどうなオタク…。


三船栞子と「Brand New Story」


1日目。ライブのタイトル通り『無敵級*ビリーバー』やユニット曲といった新曲の披露がメインでしたが、それら以上に「三船栞子の加入」はBrand New Storyというタイトルが示唆するものの中で外せないものだと改めて感じました。

10人で歌われたTOKIMEKI Runners、小泉萌香さんのパフォーマンスをたたえる他キャスト、その栞子の提案で展開された1stソロ曲の再演……ただ「ユニットを組んで、新曲を初披露する」だけなら「虹ヶ咲もやれることが増えたね、前進したんだね」で終わるんですよ。

けれどそうじゃなかった。

with Youが「あなた」への想いを背負った「あなた」の為のライブだとしたら、2ndライブは幕間ドラマからもセトリからも「あなた」と同じほどに「栞子」を軸にライブが展開されている、と。

『未来ハーモニー』のMVが発表された頃から「虹ヶ咲の変化の火蓋が切られた」感はありましたが、それでもその変化を加速させ、DAY1のタイトルである「Brand New Story」を「Brand New Story」たらしめたのは三船栞子の存在だ、と。

そう思うくらいには今回のセトリ、演出、幕間、MCは栞子を中心に置いたものだと感じました。

本当にそのやり方が予想以上だったから、「なぜここまで栞子を推す構成だったのか?」ってライブが終わってから結構考えてたんですよ。

今までの栞子は虹ヶ咲に対立するような存在だったから?

そんな人を持ち上げるような意味では決してなかったと思う。

これまでのラブライブ!のあり方から外れて、既定路線になかったアニメ化に踏み切って…常に新しいことをし続けて、沢山の「始まり」を教えてくれる虹ヶ咲が自分は好きなんですが、そんなに無条件に受け入れてくれる人はそんなに多くないと思います。

最初に言ったように、今回のライブは「何かを伝える」ライブでした。

演者さんがパフォーマンスをするのがメインなライブで「何かを伝える」ってなんだろう…とは思いますが、常に新しいことをし続ける虹ヶ咲だからこそ何かを伝えたら「受け入れてもらうこと」が大事で。

そのための要素が虹ヶ咲の多様な個性だったりライブのパフォーマンスだったりで、「あなた」の力が虹ヶ咲が必要っていつもどこかでキャストさんは言っている。

三船栞子も例外なく"そう"なんだと思いました。

ライブのMCで『栞子ちゃんも間違いなく虹ヶ咲の一員だよ』って誰かが言ってました。

本当にこの言葉の通りで、今の虹ヶ咲のあり方を示すためには新しい個性を受け入れることがまず必要なんだ、と。

こう考えると、なんとなく優木せつ菜がキズナエピソードで『LIKE IT! LOVE IT!』を歌う以前に悩んでいたことと似てる気がします。

「大好き」が広がる世界にするために、まずせつ菜自身が自分のファンの「大好き」を受け入れたいと彼女は考えてました。せつ菜の熱を受けたファンの皆が広めたいと思っている「大好き」の気持ちに寄り添おう、と。

結果的に『他人以上に自分の「大好き」を歌に乗せてこそ熱くなれる』とせつ菜は気づいたんですが、この誰かに認めてもらうためにまず自分たちが行動しようとする考えは虹ヶ咲に欠かせないものだ、と感じました。

今までの旧・虹ヶ咲が栞子の提案に乗り、彼女が惹かれたスクールアイドルの輝きをパフォーマンスで証明し、「あなたも間違いなく虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の1人なんだよ」と告げる。

そうやって栞子を受け入れたと"見せ"、新・虹ヶ咲として進んでいくと"宣言する"ことがBrand New Storyというタイトルを背負って成し遂げたことなんだと思いました。

だから、この栞子を中心に置いた2ndライブの構成は「こうするしかなかった」というより、虹ヶ咲自身のために「こうする必要があった」と考える方が自然だと。

そう受け取ってもいいよね?という話でした。

実際栞子ちゃんと小泉萌香さんのパフォーマンスはこれ以上ないほど凜としていたし、

虹ヶ咲としての初ライブで少なくとも文句は出てこないような姿を見せつけて、

それでいてアンコールが終わってから一番に泣けるような方でいて、

そんな方がどう翡翠色の光を虹に織り交ぜていくのかっていう期待は強く持っていきたいと感じられたday1でした。


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