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「帯状疱疹」の合併症(後遺症)を筋トレで克服

新型コロナウイルス(COVID-19)でウイルスに過敏になっている所で、帯状疱疹ウイルスの話です。

中高年の方であれば「帯状疱疹」をご存知の方も多いと思いますが、生涯で3人に1人とか、2人に1人は疾病するといわれる身近な病気です。

多くの人が子どもの頃によくかかる「水疱瘡(みずぼうそう)」のウィルスが治癒した後も脊髄近くの神経節に潜伏し、大人になって再び暴れだして発症するのが「帯状疱疹」です。
「帯状疱疹」の症状そのものは小さな水ぶくれ状の発疹(水疱)ができ、かゆみが1〜2週間続いて収まるのでそれほど深刻な病気ではありません。

帯状疱疹」の本当の怖さは、ウィルスによる神経損傷の合併症、特に激痛を伴う神経痛が後遺症として長引く事です。50歳代以降では約20%が半年以上の長期に渡り、後遺症に苦しむと言われています。

どういう事例が多いかは「帯状疱疹 神経痛 激痛」で検索してみて下さい。かなり深刻な事例も出てきます。帯状疱疹で死亡する事はありませんが、後遺症の苦痛で長年苦しむ恐れがあるという点では、新型コロナウイルス(COVID-19)よりも厄介なウイルスと言えるかもしれません。

帯状疱疹は、一般的には50歳以上でストレスや疲労で 免疫力が低下すると発症しやすいと言われています。
私は免疫力は強い方だと思い込んでいたので、「まさか、自分が帯状疱疹になるなんて!」と思っていました。
以前、「老化とは、 ”こんなはずじゃなかった” 事がいろいろ起こる事」と書きましたが、私にとって ”こんなはずじゃなかった” 事の最初の洗礼がちょうど一年前に発症した「帯状疱疹」でした。

私の場合、「帯状疱疹」が発症した場所はお尻の椅子に座ると一番体重のかかる場所辺りでした。最初は「なんか変なブツブツができてかゆいくて、ちょっと嫌だな」という程度でした。すぐ病院へ行けばよかったものの、しばらく放置し、どんどん酷くなっていったので、さすがに病院へ行きました。病院へ行くのが遅く(おそらく発症から5日位経過)両手や顔にも数箇所の発疹ができ始める「汎発性帯状疱疹」という事で「重症」という診断です。通常、重症の場合、一週間の入院での治療です。
しかし、突然一週間の入院といわれても無理だとお願いして、抗ウィルス剤の内服で、通院治療にしてもらいました。幸い抗ウィルス剤は私には非常によく効きました。抗ウィルス剤を飲むと体中の筋肉がほてり発熱している=免疫がウィルスと戦っている、というのが実感できるほど体内が燃えてました(笑)。体調は特に辛くありません。それが丸3日間続いて、4日目にはぱったり無くなりました。帯状疱疹の発疹部は既にカサブタになり皮膚症状としてはほぼ収まったのです。帯状疱疹が収まった頃から、じわじわと痛み(火傷のようなヒリヒリした痛み)を感じるようになりました。

そして、神経痛よりも厄介だったのが、排尿障害です。下半身に帯状疱疹を発症する時は、仙髄神経系を損傷し、神経因性膀胱による排尿障害を伴う事が多いのです。
排尿障害、つまり「オシッコ」の出がだんだん悪くなり、最終的には完全に自力で排尿できなくなる(=閉尿)のです。これが一番辛かった症状です。最初は頑張ってなんとか(腹筋を屈指して)排尿していたのですが、限界がありました。
結果的にはカテーテルでの間欠的自己導尿で対処する事になったのです。
間欠自己導尿とは、自分で太さ4mm、長さ33cmの管(カテーテル)をオシッコがでる穴から差し込んで膀胱まで通す事で物理的に排尿する事です。オシッコする毎に自分で行います。
イメージ的には、凄く痛そうですが、痛みもなく意外と平気です。変な感じはありますけど。膀胱に届く直前に前立腺辺りを刺激するので慣れると快感に感じる人もいるそうです。

さて、ここで問題なのは、この合併症の後遺症は、どの位長く続くのか? 必死でネットで情報収集しました。
情報によりさまざまですが、排尿障害はだいたい1~2ヶ月(高齢の場合さらに長期化)。神経痛は3ヶ月以内に治れば後遺症にならず、3ヶ月以上継続すると後遺症としてしばらく(酷い場合は数年〜生涯)残る、という感じです。(神経の修復期間は3ヶ月がひとつの目安のようです。)

私としてはまったく受け入れがたい長すぎる期間です。なんとか、もっと早く治す方法は無いのか、これも散々ネットで調べました。
調べてわかった事は、帯状疱疹後神経痛は、根本的な神経の修復の治療法は無く、痛みを取り除く事、痛みとどう向き合って生活していくか、という対処療法が主流だという事に気づきました。
排尿障害に関しても、治療方法があるわけでもなく、自然に治るのを待つだけ。のようです。
医学が進歩した今でも損傷した神経を積極的に治療する方法は無いのです。自然治癒をただ待つだけなのです。本人の自然治癒力が全てなのです。
(処方された薬は、ビタミンBのビタミン剤のみ)

では自力でがんばって何かできる事は無いか、これもネットでいろいろ調べてみました。
その結果、辿り着いた有益な情報と思われるものが、
「運動ができる状態であれば、できるだけ運動した方が良い」

「温冷交代浴」=温水浴と冷水浴を4、5回繰り返す。
この2つの情報です。

大きな怪我で、運動神経が麻痺してしまったケースでは、リハビリ(運動)を根気よく続ける事で回復する事があるように、神経の修復には運動がとても有効なのです。
温冷交代浴は、私は日頃のトレーニングの後は温浴の後、冷水浴、冷水シャワーで仕上げるので、冷水浴が自律神経への刺激に非常に有効である事は実感として日々経験しています。
これを数回繰り返す温冷交代浴が、神経にさらにより多く刺激を与え有効だという事も納得です。

発疹はほぼ完治したので早速「筋トレ&有酸素運動」と「温冷交代浴」を開始しました。

そしてその効果は、速攻で現れました。
「排尿」の改善は歴然として現れました。
安静に過ごした1週間は、ほとんど何も改善しませんでしたが、「筋トレ&有酸素運動」と「温冷交代浴」を初めてからは、日に日に自力での排尿が楽にできるようになり、4日目にはカテーテルは不要になり、1週間後には、ほぼ正常状態に回復しました。
これは劇的な回復だと思います。通常なら回復まで1~2ヶ月かかる所を結果的には、2週間で回復したのですから。「筋トレ&有酸素運動」と「温冷交代浴」を開始してからはたった1週間です。

残るは、神経痛の方です。
これは、少しづつ楽になっているのですが、日に日に良くなっていると実感できるほどは、急回復はしないようです。
筋肉の細胞は新陳代謝が速い細胞ですが、神経細胞は新陳代謝がほとんど無い組織なので、神経損傷の修復は、時間がかかるのです。
もともと少しヒリヒリする程度の大した痛みではありませんでしたが、ほぼ痛みが無くなるのに約2ヶ月位かかりました。最終的には完全に痛みの無くなり完治しました。
「温冷交代浴」は、痛みが完治した後もそのまま日々の筋トレの後は継続しています。

余談ですが、排尿障害(神経因性膀胱)は、帯状疱疹以外でも、さまざまな病気(手術後、糖尿病、血管障害、等)の合併症で良く起こる障害だそうで、単純に高齢というだけでも起こる障害だそうです。
そう思うと、今のうちに自己導尿での対処を経験ができた事は、将来役に立つかもしれません。沢山用意した自己導尿用カテーテルが余っている(約2ヶ月分)のですが、次何が起こるかわからない ”こんなはずじゃなかった” 事の為に、捨てる事ができません。(笑)

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