⑶ホーチミンからパクセーへ
その後もうろうろと辺りを歩き続けて、食事をしてから夜は一番の盛り場であると言うブイビエン通りに行ってみる。思ったより人が少ないなと感じたけれど、辺りの人に話を聞くと、
「22時を過ぎると人が増えるよ!」
と元気よく教えてくれた。時間によってかなり人通りが変わるようだけど、2020年以前まではまだ人手が回復していないらしい。他人の心配をしている場合ではないが、世界も自分も、もっと元気になれ。明日はようやくラオスへ出発。
翌日、前日できなかった早起きして、宿の近くを細かく歩いた。日が昇ると気温がぐんぐん上がってくる。涼しいうちに宿に戻ろうと思っていたのに、結局汗だくになってしまって、シャワーを浴びて、Tシャツを替えてチェックアウトした。
タクシーで空港に向かいラオス国営航空のカウンターに行くと、誰もいない。3時間前に到着したが早すぎたようだ。1時間くらい、コーヒーを飲んだりしてぼーっと過ごして、改めてチェックインした。
待合席でしばらく待って、ようやくパクセー行きのアナウンス。小さなバスに乗って飛行機のところまで行く。5年ぶりの懐かしい国営航空のプロペラ機が見えてきた。
1時間のフライトはあっという間だ。高度が上がったなと思ったらすぐに降下が始まる。窓側の席だったので、途中で機内からメコン川を見下ろすことができた。川の中洲がよく見える。丁度ドンデットの辺りにも見えるが、Googleマップを見てもどの辺りかよくわからなかった。全然違う所かもしれない。
パクセーに到着して飛行機を降りると、陽射しが強くてホーチミンより暑く感じる。パクセー空港はこじんまりとした、かわいい空港だ。飛行機も定員の少ないタイプだから、イミグレもぜんぜん並ぶことがない。ずっとこのままの姿でいて欲しい。
ラオスキープを持っていないので、ATMを探すが一台稼働していないATMがあるだけで、他には見当たらない。清掃員のおばさんに訊くと、空港の外の遠くを指差した。そうかあーと思いながら煙草を吸っている間に、ロータリーに1台しかいないトゥクトゥクが一組の欧米人カップル旅行者らしき人たちを乗せて行ってしまった。手元に米ドルを少し持っていたのでタクシーチケットを6ドルか7ドルで買って、宿まで行ってもらうことにした。
空港を出ると明らかに田舎という感じで嬉しくなってしまう。高い建物は一つも無い。タクシーはタウンエースのようなバンタイプで、前回は何人かで相乗りしたが、今回の乗客は自分一人だ。
続きます。