ブルームサービス 〜鹿児島宇宙センター:内之浦宇宙観測所を訪ねて〜
今回の満足度:9点(10点満点)
少し間が空いたが、前回の鹿児島旅行の続きである。
宿泊ホテルは家族5人のため当然、和室。
だが、ボードゲーマーにとって和室は最高なのである。
なにせ布団を片付ければ広い部屋となるし、大きなテーブルが中央に置いてあるため大箱ですらプレイ可能なのだ。
今回、最高の鹿児島の夜を演出するために私がチョイスしたボドゲは・・・、
ブルームサービス!
2015年ドイツ年間ゲーム大賞:エキスパート部門受賞のすごいやつ!
デザイナーはあの「グレート・ウエスタン・トレイル」や「マラカイボ」のアレクサンダー・フィスターと、アンドレアス・ペリカン!
彼らの作品として「アイル・オブ・スカイ 族長から王へ」も最高に面白いゲームなのだが、このブルームサービスは長らく未プレイのまま積んだままとなっていた。
今回は、9歳の三男と妻に合わせてこれをチョイスした。積みゲー消化も出来るしね・・・ふふふ(^^♪
ゲーム概要
プレイヤーは魔女となってホウキにまたがり、ポーションを城から塔へ送り届ける。いわゆる「魔女の宅急便」である。
各プレイヤーには同じ内容の10枚の役割カードが配られており、毎ラウンド4枚を使用する手札として選択する。手番順にアクションを行いたいカードを1枚ずつ場に出していき、様々な色のポーションを集めて同じ色の塔へ配達すると得点を得られる。
4枚のカードを使い切ると1ラウンド終了。7ラウンドを終えた時点で最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーの勝利となる。
ファンタジー世界のほのぼのとした世界観が子供受けよし!
やはりこの世界観が素晴らしい。魔法の国を舞台に登場するキャラクターたちは、魔女やドルイドなどファンタジー世界の住人たちで子供も大喜びだ。
キャラクターには役割がある。
・採取民:ポーションを作る。
・魔女:移動する。
・ドルイド:ポーションを塔へ届ける。
・天気の妖精:雲を除去する。
これらを適宜使い分けて、作成した様々な色のポーションを塔へ配達すれば勝利点を獲得できる。
バッティング要素が面白い!
手番ではそのラウンドのスタートプレイヤーから順番にカードを1枚ずつプレイしていくのだが、カードには「勇敢な〜」、「臆病な〜」といった接頭語が付いている。
「臆病な〜」カードはすぐにアクションを実行できるが効果は弱い。一方、「勇敢な〜」カードは効果は強いのだが、すぐにはアクションを実行できず自分の後に同じ「勇敢な」役割カードを出したプレイヤーがいなければ実行できる。
つまり「勇敢な〜」カードがバッティングした場合は、より後にカードを出したプレイヤーのみが実行できるのである。これは熱い!
確実にアクションを行うためには「臆病な〜」役割でプレイすべきだが、やはり「勇敢な〜」役割は強いのだ。例えば勇敢な魔女であれば移動だけでなく、ポーションの配達も可能となる。これは1アクションで2回分の効果を持っており単純に強い。
しかし他のプレイヤーとバッティングしてしまえば、そのターンは何もアクションが出来ないので、これは非常に痛いことになる。このハイリスクハイリターンのシステムが絶妙な加減で悩ましくしており、一喜一憂して面白い!
どこの塔に配達するか戦略が大事!
プレイヤーは2つずつ駒を持っており、ボード左下側の城からスタートする。配達する塔により得られる得点が違い、ボード右上の塔ほど高得点となっている。当然、右上の方に移動してポーションを届けたいところだが、ボードの至る所に雲があって通過することができない。
このため、天気の妖精の力を使ってどこの雲を除去して、どのようなルートで右上の高得点の塔を目指すかという戦略性が非常に大事になってくる。また四角い塔は何個でもポーションを届けられるが、丸い塔には1個しかポーションを届けることができないのでレース感もある。これがまた面白い!
プレイ記
今回は、ボード左上の経路を使って高得点ゾーンを目指した私がトップだったのだが、後ろから追いかけてきた次男と同じ塔の取り合いとなり、このためバッティングも頻回に起きて足の引っ張り合いとなった。
この隙にボード右下から移動した長男が単独で高得点の塔に次々と配達を済まして、100点ちょうどで勝利。私と次男は涙目w
妻と三男は空いている塔にコツコツと配達を行い楽しそうだった。
「勇敢」で勝負をかけるか、「臆病」で堅実にプレイしていくか、駆け引きの妙を楽しみつつ、バッティングした際には大騒ぎで一喜一憂できる素晴らしい作品で、最高の鹿児島の夜を満喫することができた。
以下は個人的な鹿児島旅行なのでボドゲ成分なし。
興味ある方だけどうぞw
鹿児島宇宙センター:内之浦宇宙空間観測所
翌日は朝早くから、鹿児島宇宙センター:内之浦宇宙空間観測所を訪ねた。
鹿児島港鴨池からフェリー45分、車で1時間30分ほど移動して大隅半島の東海岸に向かうと、山の上に内之浦宇宙観測所が見えた。
まず目に付くのが、直径34mの巨大なパラボラアンテナ。まあとにかくデカい!
宇宙観測所の中は許可を得て、車で自由に移動できる。施設内には至る所にこれまでに打ち上げられたロケットの実物大模型などが展示されている。
中でも一番の迫力は「MーV型ロケット試験機」。全長約31m、全重量140tと世界最大級の固定燃料ロケットだそうだ。
そしてその隣には「M(ミュー)ロケット」の研究開発、打ち上げ実験が行われた「整備塔&発射装置」を見ることができる。流石の大迫力!
この塔の中で整備されたロケットが旋回台車で海側に旋回し、発射装置となるらしい。これに関しては併設の「宇宙科学資料館」で模型を使って解説されている。
また施設内には、1970年に打ち上げられた日本初の人工衛星「おおすみ」の記念碑がある。この大隅半島から日本初の人工衛星が打ち上げられたのかと思うとちょっと感動的だ。
交通の便が悪いので半日かけて行く必要はあるが、とても良い思い出になった。ちなみに帰りのフェリーでは、また「カフーツ」で盛り上がったことを付け加えておく。やはりボドゲは旅のお供なのである。