今週のあざといカレーは高円寺です(5月5日~5月11日)
ビリヤニには、嘘とほんとがあると聞いた。
ビ、ビリヤニはビリヤニではないというのか。
ビリヤニの聖地ハイデラバード@インドで30のビリヤニを食べ、ビリヤニのずる賢さを学んだ。
本来炊くはずのビリヤニだが、米を炒めたり、ゆでたり、チンしたり。一度ビリヤニと名付けられたらビリヤニとして生きるしかないのか、と思った。
もやもや。終わりのない真っ暗いトンネルを歩いているような心地がした。
そこに、一筋の光が差し込む。
サラムナマステ。
ここには、”ほんとビリヤニ”があるらしい。
お店のTwitterにて、ビリヤニの定義を以下のように謳っている。
こめみじかい・いためてる → うそビリヤニ
こめながい・いためてる → ちょっとうそビリヤニ
こめみじかい・たいてる → たきこみごはん
こめながい・たいてる → ✨ほんとビリヤニ✨
多様性だと思っていたものが、否定されて綴られていた。
とても気持ちいい。きぇーい。この文字超気持ちいい。と同時に嬉しい。
炒飯に対して、もうビリヤニとコールしなくていいのか、と。
”ちょっとうそビリヤニ”が多い昨今の日本で、この呟きを投じるとは…。
アガらないわけがない。
このビリヤニに一刻も早く会いたい、抱きしめたい。
そもそもTwitterで2万のフォロワーがいる頭脳派レストランだと?
気になりすぎて夜も深く眠れず。
気がついたら自分はそこにいた。
店内を一瞥し、メニューを確認する。
きおラのおおおめ。
どれもいい。クソ。迷わせてきやがる。
意を決してチキソビリカニを注文する。
店員さんは皆ネパール人とのこと。
(おやおや❓インド人ではない❓と、”ほんとビリヤニ”へのはてなが生まれたものの、自身に強くブレーキをかけた。✨)
チキンビリヤニ(1200円)
着丼。
古墳のような凛々しいフォルムは、”ほんとビリヤニ”たる自信か。
すかさず食べる。
レモンの酸味が強く、カルダモンが弾ける。
たしかにこれは、こめながい・たいてる。これが、”ほんと”なのか?
そこにライタをたらり。
ライタは甘く、デザートかと取り違える程だった。
うまい、うまい、と食べていると、店員さんが話しかけてきた。
うちは、セクワ(串焼き)がおすすめだ、という。
ならば、食べます。
セクワとは、生粋の”ほんと”ネパール料理だ。
マトンセクワ(700円)
ほんと?
セクワというよりかはマトンブテコ(炒め物)だ。
だけどもこれ、お、美味しい…。
トマトの味が濃厚で、マトンは柔らかくて赤ちゃんのほっぺの如し。
フライパンの火力が強いのか、香ばしくなったスパイスが食欲を促進させる。
さらに、メニューにはないが、賄いでいつも食べているらしいチキンカレーも食べることができた。
ため息が出る。
とかく美味しい。ほんと美味しい。
ホールのまま入るコリアンダーの香りが強かった。
丸鶏らしく、骨が多いために、出汁が致死量に達する程ににじみ出ている。
いやぁ、なんて美味しいんだ。
久しぶりに感動した。
あれ。
1時間前と明らかに感情が変化している。
”ほんとビリヤニ”を出すお店ではなく、”ほんと”ネパール料理(しかも秀逸な)を提供してくださるお店に、脳みそが切り替わっている。
なんだなんだ。
何が嘘で、何がほんとなのか。わからない。混乱している。
このレストラン内にあるほんとは世界のほんとと共通か。
また、振り出しに戻った音がした。
でも、ここのチキンカレーは、現場で働くネパール人の離職を間違いなく防いでいることだけは分かった。
インド・レストラン、サラムナマステ。
今日も、お店の玄関には、ネパールの国旗が風に揺られている。
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サラムナマステ
住所:東京都杉並区梅里2-9-10(新高円寺駅より徒歩2分)
営業時間:11:00~15:00 17:00~23:00(月~金)
11:00~23:00(土日祝)
定休日:年中無休
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