富士フィルム、コングロマリットの成功要因分析
少し古いニュースですが、13日富士フィルムが好決算を発表しました。
要点は次の通りです。
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・22年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益は前年同期比84.3%増の
777億円に拡大。
・通期の同利益を従来予想の1850億円→2200億円(前期は2358億円)に18.9%
上方修正し、減益率が21.6%減→6.7%減に縮小する見通し。
・4-6月期(1Q)の売上営業利益率は前年同期の4.5%→9.7%に急改善した。
・バイオ医薬品の開発受託製造(CDMO)など成長分野に掲げる事業の好調
が業績に表れ始めている。
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とのことです。
コングロマリット(=関連性のない事業を束ねた複合企業)成功の代表例ですね。
ここの成功の秘訣は、
1.強力なリーダーシップ(古森元会長)
どんなときもポジティブな思考で、不慣れな市場でも新参者で参入障壁が高くても前に前に突き進むように鼓舞しています。前向きな企業広告の「NEVER STOP」「世界は、ひとつずつ変えることができる。」編はトップリーダーの意志の強さを表現していると思います。
2.各事業の専門性の高さ
多くの企業は、現在の事業領域に行き詰まりを感じると、恐る恐る新分野に進出しようとしますが、少しかじってみてすぐに結果が出なければやめてしまうことが成功しない原因だと思います。
富士フィルムは、とことん徹底的にその分野を極めていくので、時間とともに新しい分野でも存在感のある企業となりうるのです。
「覚悟」をもって新規事業にあたる企業文化があるのだと思います。
3.根っこがつながっているコア技術の活用
ゼロからのスタートではなく、蓄積されたコア技術を活用し、新分野でオリジナリティを発揮しているのが、存在感につながるのだと思います。
日刊工業新聞さんがまとめていらしたので、引用させていただきますと、こんな感じです。
4.成長領域を見極める先見力
これがここのリーダーの凄いところだと思うのですが、コア技術を成長分野にぴしゃりとあてていっています。
結果を見れば、成長分野だったと言えますが、混とんとした時期にどんどん開拓されて行っているのが凄いです。
たぶん多くの企業は、成長分野だと確信が持てず出遅れたり、あるいは成長分野だと認識しても、大手既存競合の存在や潜在的存在から回避する判断になると思いますが、そんなことお構いなしに開拓していっている感じすら受けます。力強さですね。
あと細かく見ていくと、いろいろな要因があるのでしょうが、これらが主な要因だと思います。
見習いたいものです。