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ギリシャ 今年最大の山火事、首都アテネに迫る

ギリシャ

 1日に2万数千人が訪れる観光名所、アクロポリスの丘。ギリシャの観測史上最高気温を記録した6月には、猛暑のために日中の間の一時閉鎖を余儀なくされた。
 また、エーゲ海の島では観光客が暑さで行方不明になったり、命を落としたりしている。ハイキングに出かけた観光客が、不慣れな場所をさまよっているうちに熱中症で倒れたのではないか、と考えられている。
 熱波に見舞われているさなか、各地で山火事が頻発していた。小さな村の近くで発生した山火事は、猛暑と強風によってあっという間に首都アテネの方へ広がっていった。今年最大の山火事になった。

 ギリシャはアルバニア、北マケドニア、ブルガリア、トルコと国境を接している。左の海はイオニア海、下は地中海。そしてエーゲ海を抱える。首都はアテネ ( Athens ) 。

 近代マラソン発祥の伝説で知られるマラトン ( Marathonas ) の近くで発生した山火事だった。

山火事の勢い

 衛星画像は2024年8月12日。マーカー地点はアテネ。煙の流れ方を見ると、風の強さ、火事の規模の大きさがわかる。ズームイン。

 データ処理を行って火災の範囲を表示した。焼け焦げた跡と延焼中の所がわかる。

 中央はマラトン湖。首都アテネに送水するための人造貯水池。

 火災の様子を詳しく見るために四分割して北から表示しよう。生の画像と処理済み画像をセットで表示。
1-4 中央上に燃え残っているのがヴァルナヴァス村。村の近くで山火事が発生したといわれている。

2-4 右中央がマラトン。

3-4

4-4 左はアテネ市街地。

山火事の経過

 8月11日、アテネから北西に35キロ離れた村で山火事が発生。
 8月12日、アテネから15キロの地点まで燃え広がってきた。政府はEU各国に支援を求める。フランス、イタリア、トルコなどから消防車やヘリコプターが派遣され消火活動にあたった。
 8月13日、ほぼ鎮火。風が弱まり、消火活動が進展した。火災への警戒が続く。

ヴァルナヴァス村

 参考衛星画像は2023年10月22日。村の中心部。画像を引いて見ていこう。ズームアウト。

 村の周辺の様子。森の中に住居や畑が散らばっている。このあたりから山火事が広がったとされている。

 8月12日。

 8月17日。鎮火後。

マラトン周辺

 8月12日。マラトンは右中央。

 8月17日、マラトンなど、延焼を逃れたようだ。

アテネ郊外

 8月12日、マーカー地点はアクロポリスの丘。市街地に煙が流れ込んでいる。

 8月17日。12日の画像と比べると、消失地域が広がっている。アテネ郊外の住宅地にも被害が出ているようだ。

ディオーニ

 参考衛星画像は2023年12月25日。アテネ郊外の住居地区。ここはかなり被害が出ている。ズームアウト。

 8月12日。ディオーニは中央、煙に隠れている。

 点々と家が延焼している。

 8月17日、鎮火後。ポツポツと残る焼け跡がみえる。

 6月、7月から相次いだ山火事。多くの消防士が疲労の極に達していたと伝えられている。消火活動を手伝うボランティア。バケツリレーで延焼を防ごうとする住民たちの姿が動画に見える。
 毎年のように起きる山火事。その対応を追及されると、温暖化のせいだ云々と言い訳する政府に住民の怒りが爆発しているという。

注記)
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する COPERNICUS ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。

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