リハビリ教室「歩行から健康に!」
今回のリハビリ教室は、生活の基本である「歩行」に取り組んでみたいと思います。
“フレイル”って聞いたことがありますか?
病気ではないけれど、年齢と共に心身の活力が低下して介護が必要になりやすい、「健康と要介護の間」の虚弱な状態のことを指し、いくつかの要素が欠けてくるとなりやすいとされています。
【 身体面 】ロコモティブシンドローム、サルコペニア
・身体活動減少・体力低下
・持久力低下・バランス機能低下
【 心理面 】うつ、認知症
・認知機能低下・精神的状態低下
【 社会的側面 】孤独、閉じこもり
・人間関係の希薄化・社会参加の減少
・経済的困窮・孤独
今回は身体面を中心に解説しました。
「サルコペニア」
加齢による筋肉量の減少。
筋肉量の減少→運動量の減少→食欲の低下→低栄養状態→筋肉量の減少
といった感じで悪循環に陥ります。
ここではご自身の筋肉量を知るために指輪っかテストをしてみました。
ふくらはぎを両手で囲みます。
指で囲めなければOK / ちょうど囲める(許容範囲)
隙間が出来たら筋肉が落ちている証拠、要注意です。
次にテーマとなっている「歩き方」について。
まずは皆さんにいつもの感じで歩いてもらいました。
歩き方のポイントは大きく分けて
①背中が伸びているか
②足の振り出しはどうか
③腕の振りはどうか です。
そのためには
①背中を伸ばすには→下を向かない
②足を振り出すには→歩幅を広く / かかとから着いて / つま先で蹴る
③
腕を振るには→後ろに腕を振る これを意識して体を動かしてみました。
姿勢と同じく気になるのが歩く速さ。
一般的には歩行速度が1.0m/秒で歩くと健康寿命が延びると言われています。
※65歳以上男女を3万4000人程度に最長21年追跡した研究では
1.6m/秒→平均寿命95歳以上
0.8m/秒→平均寿命80歳以上
0.2m/秒→平均寿命74歳以上
といった研究結果もあります。
が!
速く歩くことばかり気にして転倒しないよう、くれぐれも気を付けてください。
速さだけでは無く、バランスや歩き方も重要な要素の一つです。
「今回は予約制ということもあり定員に達し盛況でした。
参加された方からは ”今日から歩き方に気をつけて頑張りたい、参加してよかった”という声が多くありました。
フレイルについての知識、歩行のポイント、適切な歩行速度を知っていただくことで今後の転倒予防、健康に歩き続けることにつながっていただければ良いなと思います。」