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ボスキャリでの総合商社採用面接
海外大日本人学生を対象にした就活イベントで、毎年ボストンで開催されるボストンキャリアフォーラムに今年も行ってきました。今回は、1次面接→企業とのディナー→2次面接での面接対策や内容、当日の流れなどを解説します。
今年のボスキャリは、アメリカThanksgiving Dayの前の週、11月15日(金)から11月17日(日)の3日間。
実は、ボスキャリ当日約1週間前ギリギリまで何の音沙汰もなく、「今年は行かないことになりそうだな」と思っていました。
その後、1週間を切る直前に、企業から面接の連絡があり、急遽、ボストンに行くことに。
最初の面接は1次面接で、面接日の予約は初日の15日、もしくは16日の2択。私は学生ではなく、卒業後1年目として働いている身ででもあったため、金曜日に行くのはかなり厳しい。。。また、「1日目よりは2日目の方が練習時間もありそう」ということで、2日目の午後に1次面接の予約をしました。
1次面接対策の情報収集としては、主に以下を重点的に:
・企業理念
・基本的な企業情報
・社長のバックグラウンド
・事業内容(入社後にやりたい事業を重点的に調べる)
・社風
・ボスキャリ面接で聞かれるであろう質問リスト
・ESでどんなことを聞かれたか、書いたかを確認
・最近の企業の動向や、事業関連の情勢ニュース
ざっくり以上のような内容で、どんなことを聞かれてもきちんと答えられるように準備を。今回のボスキャリでは1社のみ受ける予定がなかったのもあり、そこに集中できたのはかなり精神的にも準備も楽でした。
1次面接
面接では正直、かなりたくさん事前準備していた割には聞かれたことは「ESの深掘り」と「入社後にやりたいこと」のみでした。他の対策サイトでは、「3綱領は必ず聞かれるから要注意!」などという声もありましたが、当日聞かれなかったので、ボスキャリ選考では聞かれないのかもしれません。
ESの深掘りは、エピソード内容の部分的な箇所を「これはどういうことか説明してもらえますか」、「これは具体的にどのように実行したのか」など、ESでは文字制限で具体的に書けていない箇所などを具体的に説明するような質問が多かったです。
入社後にやりたいこと(=志望動機)に関する質問では、個人的にはエネルギー事業の一つ、LNG(液化天然ガス)事業に興味があり、アジア人として米国で働く経験をもとに、アジア地域・米国を中心に事業を展開しているLNG事業を通じて貢献したいということを述べました。
面接の雰囲気は想像以上に楽しかったです。というのも、ワシントンDCで亜米間安全保障政策をこれまで研究しており、偶然にも面接官の方が「実は私も現在防衛事業がメインで、ワシントンDCにも6ヶ月住んでたこともあるんですよ」という経歴であった。そのため、話がしやすく、面接中にも「素で話してくださいね、リラックスしてね」と声をかけてくれました。
1次面接の結果通知
1次の結果は、面接後すぐ来ました。面接終了から30分も経っていない程。
「通過」とメールで連絡が来て、2次面接は、翌日の16日、もしくはスケジュールが難しければオンライン面接も可とのことでした。
2日目(ボスキャリ最終日)の日程も特になかったため、翌日の午後最後の時間帯に面接の予約を行い、面接官が眠くなって自分の話をきてもらえなくならないかが懸念点ではありましたが、十分な準備時間が取れたのは良かったです。また、その晩に企業との懇親会(ディナー)があるので、参加できる人は予約を入れるようにとのことでした。
ディナー
就活生約25名ほど、企業社員約10名がその日のディナーに参加しました。社員の方は日本から来ていた人事の方が多い印象です。
ディナーではランダムに分かれたテーブルに座り、就活生のテーブルに交互に社員の方が回っていくというシステムでした。各々質問を聞き合い、社員の生の声を実際にボスキャリ外で聞くことができた貴重な経験であったと思います。
2次面接
2次面接は「ケース面接」。面接の流れとしては、ケース(20分)の後に逆質問と志望動機(5-10分)。
ケースは事前にどんな問題が出されるのかを調べていたものの、結果はダメダメでした。良い点を強いてあげるのであれば、厳しい質問が繰り返し来たとしても、最後まで諦めずに現実的な提案をするように心がけたことですが、全体的には今振り返っても、決して良いとは言えなかったと思います。
実際のケース面接を通じて感じた重要だと思う点は、「提案する事業プランに、企業がどのように参入し、事業としてどのように利益を上げていくか」。特に利益の作り方に関しては、ターゲットやマーケティング戦略は明確にできても、「実際に現実的に企業が事業を通じてどのように利益を上げていくのか」を、その場で即興で考えてきちんと論理的に説明するのは大変でした。また面接官からの容赦ない質問にタジタジするばかりでしたが、でもちゃんと最後までめげずに。面接官からの追加の質問は、「この事業プランで考えられるリスクは?」、「どのようにしてリスクを抑える?」などがありました。
しかも、当日ブースで区切られている会場では隣の他の就活生の声が案外聞こえてしまい、序盤はかなり注意をそちらの方に持っていかれそうになりました。また私の担当の面接官の方が、ボストン支社の現地駐在社員の方であったため、かなりの緊張。。。
面接後は「これ落ちてるかもな」と思いながらも、面接から解放された安堵感。
2次面接の結果通知
2次面接の結果は、面接後4日目以内に来ました。結果は「2次面接通過」。「あんなにひどいケース面接だったのになぜ通れたのだ」と自身を疑いましたが、無事に通過したということで、次は最終面接(3次面接)です。
最終面接は対面とのこと。まだ時間はありそうですが、最終で落ちる場合を想定して、最後まで気を抜かずに頑張りたいと思います。
要点:今回のボスキャリだけでなく、就活全般において意識して良かった点をいくつかあげたいと思います。
・志望動機は理想論ではなく、現実的で具体的であること。なるべく抽象的な表現を避けて具体性を持たせよ。
・志望動機、入社後にやりたいこと、ガクチカなどは、完全に一致していなくとも「この経験があるからこれをやりたい」など、聞いていて一貫性・繋がりがあるものを準備すること。実際の企業事業・ニュースも見ておくこと。
・面接はそれほど緊張しなくてもいいもの。私は就活生として、自分も企業もお互いにどんな人かを面接では見ているだけ、という考えでいます。面接で選ばれなくても、「この企業は自分と縁がなかっただけなのだ」と納得できるし、その方が面接での緊張も和らぐかも。
・総合商社はケース面接がダメでも、人柄やどのように面接官からの質問に答えるかを重視している可能性があります。ケースがダメでも通過した私から言えることは、総合商社企業は人柄をかなり重視している可能性が高いです。企業によって社風の色も異なりますし、自分はどんなところが合っているのだろうと、事前にOB・OG訪問やオンラインイベント等を通じて実際の社員と話し、自分と合っているだろうかと見てみることも大事です。
来年最終面接後にはまた振り返りを書きたいと思います。
来年のボスキャリで商社を受ける方へ参考になれば幸いです。