サープレから「経済」を編みなおす
人事、宇宙、ワークショップ。びっくり様々なフィールドで活躍され、サープレ!プロジェクトでも最前線で関わってくださったさよりさんからバトンを引き継ぎました、Satこと坂本智子です。
「サープレ!〜自分らしさを取り戻し、可能性の窓を開き続ける『つながり』の場」出版から約半年が経ちました。
今、どういうわけか、オランダという地で生きています。
この数年間、プロティアン・キャリアと出会い、サードプレイスと出会い、自分も含めてヒトの人生と本気で向き合おうと駆け抜けてきたように感じています。
夫の仕事の関係で、強制的にではありますが、日本の外側からも内側からも社会を見つめることができたからこそ、自分にはやるべきことがある。
キャリアというものは、どう考えても、何か成功の定型、モデルがあってそれを目指すものではないのだ、というのが自分の体感知です。「Doing」が採用現場でも評価現場でも重視されがちですが、あなたの今も、私の今も、大きな社会の構造、網目の中で構成されるべく構成されてきた唯一無二のキャリアです。
そういう意味では私のキャリアも決して絵に描いたような美しいものではありません。けれど、私だからこそ、見える景色、できることがあると思ってここまできました。
サープレの今日的意味
皆さんにとって、サープレはどのような存在でしょうか。
私にとっては書籍の副題にある通り、「自分らしさを取り戻し、可能性の窓を開き続けてくれるつながりの場」でした。
ただ「サードプレイス」である限り、やはり「あってもなくてもいい場所」になる可能性をずっと含んでいます。「あってもなくてもいい場所」はファーストプレイス(家族)やセカンドプレイス(職場)の緊急時や重大なことが起こった時は後回しにされ、いくいくは無かったことになることもあるかもしれません。
本当になくてもいい場所なのでしょうか。人生の豊かさはどこから来るのでしょうか。何かあった時手を差し伸べてくれるのは誰なのでしょうか。
先日日本の幸福学の第一人者、前野教授のお話を聴く機会がありましたが、あのにこやかな、朗らかな印象の方のお話が「日本やばい」という話から始まりました。
少子高齢化が進む私たちの国は、経済的にはもはや先進国とは言えない状況が進む一方、むしろ「課題先進国」と言われています。
短絡的に考えるのは良くないかと思いつつも、私には若年層や高齢者の貧困・孤立・孤独、介護・医療現場の疲弊、保育などの社会インフラが行き届かない問題など全て根っこが同じに見えています。
それが「つながり」の喪失です。
昔は地域に色んな方面で世話好きな方、面倒見の良い方がいらっしゃり、ある意味「公助」で抜け落ちたものの受け皿がありました。でも今は取り戻すよりも先に人口減少や人々の関心が薄れるスピードの方が圧倒的に早い。
誰しも一人では生きられないことを自覚的に生きることは今の時代、難しいのかもしれません。でも隣に住む人、オンラインで繋がった人に、助けられることはないのでしょうか。
依存先が多いことを自立という。資本が循環する関係性(つながり)を経済という。
サープレは肩書きや役割といった器を超え、魂が震える関係を持てる場所だと私は信じています。だからこそ、目の前の課題に埋もれて失われる「つながり」にならないよう守りつないでいくことも必要です。
自身も障がいとともに生きておられる小児科医の熊谷氏が「自立は依存の反対語ではなく、依存先が多いことが自立である」とおっしゃっていました。
そして経済の意味を調べていると、そこには「金銭」といった表現はむしろ後天的なもので、私たちが生きていくためにモノ・サービスを循環させていく「関係性」が本来的な意味であることにたどり着きました。
色んなコミュニティに触れ、たくさんの人と出会い、私は今、「経済を編み直す」という値段のない活動を始めています。「お金の切れ目が縁の切れ目」「お金は大切な関係に持ち込まない」色々な考え方がありますが、私は精神的な存在であると同時に物質的世界にも生きています。だからこそ経済という側面からも大切なひとを大切にできる社会をつくっていきたいと思っています。
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ブログも毎週(ほぼ?)更新中
長くなってごめんなさい!ホーリー編集長からは文字数超過でイエローカードが出ております(笑)
次回はサープレ!プロジェクトにも密かにご助言いただき救ってくださった、斉藤保明さんにバトンを献上いたします!以前リアルでお会いした時プロフェッショナルでいらっしゃるにもかかわらず気さくで魅力たっぷりな方でした。よろしくお願いいたします!!