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『ホテルインヒューマンズ』感想、紹介

まず言っておきますが、この漫画のアニメ化決定に感謝が止みません。
正直この漫画の独特な空気感にどこまで迫れるのかについてはかなり戦々恐々としていますが、もしその部分が達成されればものすごいものになるんじゃないかと期待しています。

殺し屋のためのホテルの物語「ホテルインヒューマンズ」の魅力について短くまとめます。
この物語はサンデーうぇぶりオリジナル作品で、人の生死に関わる人々の見せる感情の機微が特徴の、読者感動を呼ぶような短話を中心とした複数話完結ストーリーの漫画です。

圧倒的な引き出しの多さが凄い!

この漫画の魅力を語る上で外せないポイントは話の引き出しの量だと思います。
「主人公達は殺し屋の泊まるホテルのコンシェルジュで、さまざまな事情を抱えた「お客様」の希望を叶えるのが仕事である。」
このフォーマットでいくつも読者の心を動かす話が作られています。
子供の気持ちに共感できる話やペットの飼い主の気持ちに寄り添う話、親友との関係性の話、きょうだい愛の話など、各話それぞれに多様なテーマがあるので毎回新鮮な感動があるところが非常に素晴らしい漫画だと思います。
また最後まで読んで初めて細部の意味がわかる、という叙述トリック的構成を取ることも多く、ストーリー構成力が抜群だと思います。

構図•台詞のオシャレさが凄い!

叙述の巧みさとも関係しますが、アクションシーンや登場人物の掛け合いが“洒落ている”ところもポイントだと言わざるをえません。
こればっかりは読んでもらった方が正直早いので、第一話を読んで欲しいのですが、アクションの中で瀟洒で練られた言葉遣いや大ゴマの使い方が抜けているのは多分すぐに理解できると思います。

第一話のレビュー

この第一話だけで語れる要素が大量にあるのですが、シリーズ全体に繋がるところとして言えるのはやはり生と死の対比の美しさに尽きるかなと思います。
ここから第一話のネタバレを含むのでまず読んで欲しいです。

第一話のラストこそ生と死の対比の極致でしょう。続きがないと知る歌がアクションシーンの果ての精神的な勝利に結びつき、死んだ妹の墓参りへと向かう殺し屋の心境、
それが1ページ跨ぐことで新たな命との出会いと生の喜びに一転します。
またはじめ生郎の音楽を「音階の連続」に過ぎないと断じたサラも、生郎の仕事ぶりに感化されて最後はあの子守唄を聴いて微笑む、という構成。

漫画の一話に必要なのは登場人物の変化を描くことだと言った人がいますが、この点で登場人物の精神的な変化すなわち「甘い仕事」に対する生郎とサラの哲学の対比が必要十分に伝わる完璧な一話だと思います。


まとめ



ここでは現在注目の漫画「ホテルインヒューマンズ」を紹介してみました。
短文で申し訳ないですが、読めばわかる!ということに尽きます。
数年来読んで来てますが個人的に評価を上げ続けている漫画です。
アニメ化を機に読む人がさらに増えることを望みます。

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