どうしようもないことは、
"忘れられない"に対して、"忘れるな"と言ってくれた人。
人にはどうしても忘れられない出来事や思い出があって、忘れたいのに忘れられないという心の葛藤のようなものに出くわす瞬間がある。私にはあった。
たまたま訪れたバーで、たまたま隣にいた見知らぬ人に相談した。
「もう6年です。ずっと忘れられなくて恋愛なんてできない。ずっと大好きなんです、どうしようもなくて、」
すると、私は生涯忘れないであろう言葉をかけられたのだ。
「忘れるな。素敵な思い出も忘れてしまうのはもったいない。だから、大切にしなさい。」
大切にしろだなんて、今まで誰にも言われなかった。友人に相談しようが、はたまたSNSに頼ろうがいつだって"昔の恋は忘れるべき"という概念が蔓延っているだけだった。
しかし、冷静に考えたらそりゃそうだなとしか言いようがなくなった。大切にしてた思い出や気持ちはいつだって忘れてはいけないものである。
だれかを大切に思えた気持ちを、私は忘れないでいたい。
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