見出し画像

高次元アイスクリームにご用心

昨日はオカルト的な話をしながら、彼女と夜の散歩に出かけた。

最近、私は高次元の存在がこの世界にいるのではないかと思うことがある。
その存在は、私たちを監視している時もあれば、そうでない時もあるのだろう。

彼らが私たちを見ているのか見ていないのか、ふと考えてしまう。
たとえば、墓石を蹴るようなことを想像するとき、私はどうしても蹴ることができない。
なにかに見られている気がしてならない。それが高次元の存在であるという確信が、私の中にある。

人は死後に裁きを受ける、という考え方も悪くない。
現世では裁くことのできない理不尽な事件や迷惑行為に遭遇するたび、心の中で「死後、裁きに会うからな…」と思うことで、少し気持ちが楽になるのだ。
自分自身がリスクを伴う正義執行人になる必要はない。
そのためにも、死後の裁判官である高次元の存在には居てもらわなければ困るのだ。

そんな話をしながら、彼女と歩いていた。
スーパーに寄ってみたが、今日もお米が売っていなくて少し困った。
手ぶらで帰るのも寂しい気がしたので、アイスクリームを買って食べながら帰ることにした。

昨日も同じ話をしたが、どうにもアイスクリームは美味しすぎる。
食べていると、脳みそがアイスに乗っ取られていくような感覚に襲われる。
つまり、アイスクリームというのは、高次元的な存在が自分たちの存在を認知されないように作ったものに違いないのだ。

そんなことを考えながら、私は心の眼で高次元の存在を睨みつけつつ、アイスを口に運び続けた。


アイスクリームを食べても完全に思考を支配されない人間の存在に彼ら<高次元人>は脅威を感じているだろう。

だが恐れることはない。
今までどおり、これからも仲良くやっていこうじゃないか。

コンゴトモヨロシク…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?