尿膜管遺残症の入院日記②(午後~就寝編)と入院中に買ったゲーム
前回の続きです。
入院中の日々のローテーション(平常時)
『14:00 ~ 17:30 暇(ウルトラゲーミングタイム)』
2度目のゲーミングタイム。
「こいつ一日中ゲームやってて実は元気なんじゃねーか?」と看護師さん達に思われそうだが病気の時に熱中できるゲームほど頼りになる物はない。
ゲームに熱中できる間は多少の痛みと辛さは気にならなくなるので体の自由が効くうちはベットから降りて机に向かってゲームをするに限る。
というよりゲーマーは空いた時間を見つけるとどうしてもゲームを起動してしまう生態があるので一種のサガというか、もはや呪いに近い。
毎日歯を磨く習慣がある人が「歯を磨かずに寝るのは口が気持ち悪くて無理」という感覚に近いと思う。
勉強でもなんでも「〇〇をやらずに寝るのは気持ち悪い」という状態まで一日の生活に習慣づけることが成功への第一歩だ。
これはブックオフで立ち読みしたドラゴン桜に書いてあったので間違いない情報だろう。
ドラゴン桜は全巻読み終えた頃には「東大合格はやろうと思えば自分にもできる」とちょっとした万能感を味わえるから好きだ。
ちなみに続編のドラゴン桜2も全話読んだが1ほどLIVE感というか熱量を感じなかった。
まぁこの辺の話はまたいつかしよう。
『17:30 ~ 18:00 お風呂』
お風呂の予約が取れるとこの時間が私の入浴時間になる。(たまに連絡ミスで取れてなかったりするので事あるごとに念押しで確認しておく)
左腕には点滴用の針「留置針」があるのだが、水で濡れないように入浴10分前くらいに看護師さんにお願いして留置針をビニール袋をぐるぐる巻いて保護してもらう。
こうして準備ができたらシャンプーなど入浴セットを持ってお風呂へ向かう。
今は感染症対策なのか浴槽にお湯は張っておらず、シャワーのみの入浴だが、私は家でもシャワーのみで済ましているので特に普段と変わりはない。
ただお風呂タイムは30分までという時間制限が絶妙な難易度で、臍の患部を庇いながら着替えたり体を隅々まで洗うのは結構難しい。
お風呂場は安全対策を兼ねて内側から鍵がかけられないようになっているので、もし時間がオーバーしてしまったら次に予約していた人や掃除当番の人に自分の裸体を晒すことになりかねない。
そのリスクを恐れて体をスピード重視で雑に洗うこともできるが、次の入浴までの数十時間の快適性を犠牲にすることになるのでそれも避けたいところだ。
そんなわけで入浴時間は基本的に時間を持て余しがちな入院生活の中で、もっとも下準備や戦略が求められる時間だった。
私は裸をなんとか他人に晒すことなく過ごせたが、前に入浴してた人が脱衣所に置き忘れたシャンプーや靴下を見つけるたび苦戦してるのは自分だけじゃないんだなとちょっとした一体感を感じる。
お風呂場の忘れ物はまるでダークソウルやエルデンリングで難所の手前にある血痕のようだ。
お風呂から病室に戻ったら看護師さんに留置針が濡れないように保護するビニール袋を腕から剝がしてもらうのだが、ビニール袋を外してもらうと十中八九の確立でビニール内に溜まっていた水が飛び散りベットをびしょびしょに濡らす。
自分の腕の太さや形に問題もあるのかもしれないがどうやら留置針を濡らさないようにビニールを完璧に巻くのはどうやら難しいようで、毎度お風呂の水を病室のベットにぶちまけるためにお持ち帰りしてるようだった。
ある時は縁日の金魚すくいの後かってくらいに保護ビニールに水が溜まっていてこのビニール袋で保護システムの必要性に少々疑問がよぎったが患者に良かれと思って始めた物にケチをつけるのもんじゃない。
むしろちょっとベットが濡れてるくらいのほうが患者として謙虚になれるってもんだ。お客様じゃないんだぞ!調子に乗るな!医療従事者の皆様に感謝しろい!
『18:00 ~ 18:30 夕食』
夕食は1日の中でも一番味付けが濃い目。
その日の献立にもよるが伝家の宝刀であるおとなのふりかけが無くても味付けに困ることは少ない。
オレンジやスイカなど季節に合わせたフルーツもよく出るのがフルーツ好きの私的にはありがたい。
とはいえ病院食らしくそれなりに控えめな味付けなのでTwitterのタイムラインでラーメンやハンバーガーみたいなジャンクフード画像をみたりしてしまうと濃い味料理を食べたい衝動に駆られる。
私は普段から二郎系も食べないし、晩酌などの習慣はないのでちょっとした衝動で済んだが普段から食生活がやんちゃな人だったら苦労するだろうなと思った。
ちなみに麺が伸びてしまうからなのかパスタは出てこないので退院したらパスタ食べようと誓った。
最近はパスタ食べるならメランザーネがお気に入り。
カルボナーラ、ペペロンチーノ、アラビアータ達に比べて「メランザーネ」という料理名がいまいち浸透してないのはなぜなんだろうか。
茄子とトマトソースのパスタなんてよくある組み合わせだと思うがお店のメニューでは「茄子とトマトソースのパスタ」と書かれていることが多い。
徐々に認知されつつある「絶望パスタ」より「メランザーネ」のほうが先でしょうが!
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『18:30 ~ 19:30 電話と売店チェック』
同棲中の彼女と電話
ちょうど入院時期が梅雨~初夏にかけての季節の変わり目だったので日に日に暑くなっていく様子を聞く。
病院内はどこにいっても空調が常に27℃前後に定められているため季節感がなく、天界と地上界で電話しているような気分だった。
天界は穏やかだがやはり地上界の方が刺激があって楽しそう。
「退院したら何食べたい?」と質問があったのでフルーツサンドをお願いしたら、その日から毎日フルーツサンドが食べたくて仕方なくなった。
病室は通話禁止のため、通話可能なエレベータホールに移動して電話をしてたが、ナースステーションと比較的距離が近いため入院生活の愚痴はしないほうが無難。
電話が終わったら1階にある売店に降りて明日の分のお茶とお菓子を買い込みにいく。
売店の一角にひっそりとお酒が売られていたが、やはり入院患者には売ってもらえないのだろうか?
私は普段からお酒を飲まないので、「酒も売ってるな~」程度にしか思わなかったが、酒が飲みたくてしょうがない人が見つけちゃったらこっそり万引きしちゃうんじゃないかと心配する。
ちなみにたばこは売ってないがトイレにたばこの臭いが残ってる時がある。
誰かがこっそりと持ち込んだたばこを個室で隠れて吸ってるのであろう。
通ってた高校でも似たような事あったなぁ。 懐かしいぜ。
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『19:30 ~ 22:00 暇(ハイパーゲーミングタイム)』
本日最後のゲームタイム
ゲームはプレイするのも楽しいが、それと同じくらい次に買うゲームを選んでる時間も楽しいものだ。
Steamのストアページで見たことも聞いたこともないようなゲームを漁ってみる。
入院生活は普段よりゲーム時間が長く取れるので、ゲーム漁りの候補としていつもは除外していた時間泥棒なサバイバルクラフト型ゲームやハクスラRPGも検索候補にいれる。
ちなみに以下が入院中に買ったゲーム(値段はセール時のものも含む)
LUNACID ¥720
キングスフィールドっぽい一人称ダンジョンクローラー
このジャンルは海外での人気はあまりないためか「ダンジョンクローラー」で検索してもあまりヒットしない。
代わりにダークソウルライクの3人称アクションRPGが山ほど出てくる。
左右移動カニ歩きで回避して攻撃を繰り返す昔ながらの戦闘が楽しい。
この手のゲームは没頭感が非常に強く、プレイ中は360℃に警戒心を張り巡らせているのでゲーム中に看護師に呼ばれたりすると体がビクッ!とする。
検診と血圧測定の時間だったのでメニュー画面に切り替えて待機させていたが、どうやらメニュー画面を開いても戦闘が中断されない硬派なゲームシステムだったため戻った頃にはゲームオーバーになっていた。
このゲームは入院中には向いてないかも。
あとアホなので英語が読めない。
仁王(NIOH) ¥1600
開き直ってソウルライクゲームを購入
基本的にはまんまコーエー版のダ-クソウルだが三種の構えを駆使して戦うのが独特要素で面白い。
ハクスラ要素として敵が同じ種類でも微妙に性能が異なる武器防具をドロップしまくるが、今の装備と比べたりするのに時間がかかってしまいテンポの悪さがストレスで残念だった。
値段に対してボリュームがあるのは良い。
ただこのゲームなかなかPCに負荷がかかってるのかウィンウィ~ン!とファンが爆音を立てるのが難点。
同室の人が寝てたらやめといたほうがよさげ。
RAFT ¥1700
イカダサバイバルゲーム
イカダに乗って海での漂流生活を送るゲームだが、このゲームの海はタルや木材など物資で溢れておりそ回収作業に明け暮れることになる。
四方から流れてくる物資の回収をこなしながら水を濾過して食糧を調理してサメに襲われイカダを定期的にメンテナンスしながら上陸できそうな島を探す。
購入前に予想していた「まったり海上サバイバル生活」なんてものはなく、はちゃめちゃお料理パーティーゲームの「Overcooked(オーバークック)」くらい忙しい。忙しすぎる。
ぶっちゃけ今の仕事よりも忙しい。
しかも波で画面がすごい揺れるので酔う。
画面に酔ってる間にも容赦なくサメがイカダを攻撃してくる。
たぶん一人でやるゲームじゃない(結論)
V RISING ¥1850
懲りずにサバイバルクラフトゲーム。今度は吸血鬼になる。
話題の新作で期待大
戦闘寄りのゲームだが鉱石や木材集めなどの時間も長いため一人でやるには結構地味。
吸血鬼なので太陽の光にあたるとダメージを受けるのは新鮮で面白いが…
一人で遊ぶには地味っす…
どうやらこういったマルチ前提のゲームは陰キャ君には向いてなさそう。吸血鬼のくせに。
Grim Dawn ¥520
古典的な見下ろし型ハクスラ
やる事が単純なのでラジオを聞きながらできるのが良い。
レベルアップがポイント振り分けのスキルツリー方式だが、いまいちどれに振るべきなのかがわからないので適当に振り分ける。
気がついたら常にエフェクトでピッカピカに光るキャラになって画面が眩しすぎたのでやり直した。
Rougebook ¥1550
一人用カードゲームであるSlay the Spireフォロワーゲーム いわゆるスレスパ系
最近このジャンルに手を出すようになったが思ってたより面白い。
Rougebookは「マジック・ザ・ギャザリング(MtG)」の元デザイナーが制作に関わっているらしい。
ヒーロー(主人公)を2人操作するのが特徴。
当然体力はキャラ別に用意されてるので体力に余裕があるキャラが前に出て敵の攻撃を受けるのが基本となる。
前衛にいると与えるダメージが増えたりするカードもあるので、攻撃する際には前に出てターンの終わり際に下げて~…といった戦略が必要になる。
ゲームが進むと持っているだけで効果があるアイテムがやたら増え、敵の行動パターンも複雑になっていくのでかなり頭を使う。
このゲームをやって気づいたが、どうやら入院中は頭がボーっとしてるらしく複雑な計算ができなくてミスプレイが頻発する。(運動不足だからかな?)
終盤は「もう細かい計算できん!とりあえずこのカード使っとこ!」とあまり考えずに適当にプレイしてたら全クリできた。 なんなの!?
FF9 ¥1300
FF9は2000年7月7日に発売され、2000年8月26日にはドラクエ7が発売された。
つまり当時ゲームっ子だった私にとって2000年の夏はRPGで大忙しの夏だ。
我が家ではお小遣いが25日払いだったためFF9は発売日に買えず7月25日に買うことなりドラクエ7まで約1ヶ月しか猶予がなく、間に合わせるためにFF9はやや駆け足気味のプレイとなっていた。
終盤のストーリーを理解しないまま進めてたので、ライバルキャラである「クジャ」がなにがしたかったのかもよくわからないままの全クリだった。
その後、無事に隠しボスの「オズマ」も倒すことができた。
ドラクエ7もそこそこ進めた状態で夏休みが終わり、2学期が始まる。
「おまえ、FF9とドラクエ7どこまで進んだ?」といつ誰に聞かれても準備OKのバキバキに仕上がった私だったがおかしなことに誰も聞いてこない。
業を煮やした私はスマートなやり方ではないのだがゲーム話をする友人達に「おまえ、FF9とドラクエ7どこまで進んだ?」と問うと、聞いた全員から「高校受験の勉強が忙しくてやる暇なかった」という返事が返ってきた。
どうやら同級生達には「エクスカリバーⅡ」よりも大事なことがあるらしい。
確かに私は優秀な高校には通ってないが、2000年の夏にあの「オズマ」を倒している。
私はそれ以来、同い歳であの夏にオズマを倒した人を無条件に信用している。
↓
『22:00 ~ 24:00 消灯後点滴しながら映画鑑賞』
一日最後の点滴。
同室のオジサン達がいびきをかいてる中で映画を一本見てから一日を終える。
ということで入院生活(平常時)の一日はこれでを終わりです。
手術と術後の入院生活の話は辛い内容にしかならないので書くかは未定
※追記、書いた後で思い出しましたがエクスカリバー2を手に入れたのは数年後の再プレイ時の話だったので修正しました。
終