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芸能人VS一般人

 芸能界に疎く、ろくにSNSをやらない僕は、当事者2人のことも辛うじて顔と名前がわかる程度の認識しかしていない。好悪の感情もどちらにもなく、今後どちらがどうなろうとも興味も関心もない。
 しかしながら、今回の問題はすでに当事者たちから離れてしまい、記事のタイトルのごとく芸能人と一般人の軋轢の様相を呈しているように思う。


 ろくにSNSをやらない僕のこの件についてのニュースソースはネットの記事ぐらいである。
 そこでは「芸能人の某がこう言った」とか「一般人のコメントでこんなのがあった」などのことしか書かれておらず、ファクトチェックもしていないが、曲がりなりにも出版社なり新聞社なりが名を出している記事だから、捏造はしていないだろう。
 その前提で語るが、某芸能人が「当人同士で解決しているのだから他人は口を出すな」とでも言いたそうなコメントをしていたそうだ。
 これについてはまったくもって承服しかねる。そもそも今回の問題がDM間や密室で行われていたことであるならば、よしんばそれがリークされたとしたってここまでのことにはならなかったろう。インターネットは公共物である。もはや万人のものだ。それが不快な言行で侵害されたのであれば、人類全てが当事者たりうる。この件はすでに万人のものになっている。誰にも文句を言われる筋合いはない。ましてや芸能人に。この世界がもちろんそうであるように、インターネットは芸能人だけのものではない。
 一般人でも同様の論調をする人はいるだろうが、所詮は一般人であり、フィーチャーされることなどまずない。せいぜい十把一絡げに扱われる程度である。こうして芸能人の発言は引っ張り出され、叩かれたり庇われたりする。


 この件を鎮めたいのであれば、芸能人こそ黙ったほうがいい。触れればまた、思わぬところがさざ波だつ。僕とてその2人だけのやり取りなら、こんな記事を書く気はなかった。
 だがSNS全盛のこの時代、こんなに触れがいのあるネタもなかなかない。SNSをツールとして利用したがる芸能人は、こぞって触ってくるだろう。そして一般人が湧き立っていく
 発端から10日ほど経ったという。折しもこの間に、男性の体臭がどうだとか、女子スポーツ選手を海獣呼ばわりするだとか、芸能人の舌禍が止まらない。一般人が湧き立っていく


 かつて、嫌なら見るなと言った芸能人もいたが、インターネットの隆盛とSNSの台頭により、(こっちが)嫌だから出るなと言う権利は基本的人権のごとく、一般人にも生じたわけだ。いつまでも一般人が受け手であり続けるわけではない。
 もはや芸能人は偉くない。一般人と変わりはしない。むしろ一般人と変わらないことをやる程度に、芸能人が下がってきたともいえる。あるいは元より高くなかったことが浮き彫りになった。
 SNSを使わないと勝負できない芸能人は、一般人と変わらないほど、たいしてなにも持ってはいないのだろう。ネットの世界は現実世界よりずっと平等だ。

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