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「春日局」所縁の寺は「坊ちゃん」の聖地でした
千駄木にある「白華山養源寺」。
臨済宗 妙心寺派の寺院。
先日、千駄木の養源寺の境内で開催された「養源寺マルシェ」に出店させていただきました。
都内の自宅からの行動範囲内にあるため、参加させていただいたのですが、お寺のご由緒が気になってしまったので、勝手に深掘りしてみようと思います。
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「春日局」所縁のお寺
春日局の帰依僧が開祖
春日局の帰依僧「秀岳玄智禅師」が二代将軍徳川秀忠公より土地を拝領。
局の嫡男、稲葉正勝が開基として創建。
もうこの二行の説明だけで、歴史好きにはたまらないのではないかと思います。
私自身も歴女~というほどでもないですが、歴史小説や時代小説が好きなので、なんとも心躍るワード群!情報が渋滞している~と、検索がはかどり、このnoteを書いてしまいました。
そして、大河ドラマの「春日局」の記憶も強く残っており、主演の大原麗子さん…とても素晴らしかったのを覚えております。なつかしい…
明暦の大火で延焼し現在の地へ
最初に土地を拝領し、建立された場所は湯島切通にあったそうですが、明暦の大火で類抄し現在の千駄木へ移動。
様々なドラマが生まれた明暦の大火は、ここでもワンエピソードになっていたようです。
今年の大河ドラマの舞台の吉原でも、この火事で全焼し今の浅草寺裏へ移動し「新吉原」として再建されました。
以前あった「元吉原」は人形町から浜町の間あたりにありました。
この養源寺は湯島切通にあったそうなので、位置関係を考えると本当にすさまじい大火事であったことがわかります。
移転に際しては、春日局の孫、稲葉正勝の息子である稲葉正則が再建されたそうです。
インゲン豆?!?
再建時の落成には、黄檗宗の開祖、隠元禅師を請して入佛供養を行ったとか………
この隠元禅師、インゲン豆を日本に伝えた方なのだそう。
たしかに、豆の名前が由来そのままw
インゲン豆、けっこう好きなのですよ。てんぷらや胡麻和え…美味しいですよね、インゲン和尚ありがとう!と伝えたいです。
また、今は黄檗宗はお香に関係が深く……いつか投稿できたらと思っています。
夏目漱石「坊っちゃん」所縁の地
だから、清の墓は、小日向の養源寺にある。
養源寺のWebサイトの冒頭に
「だから、清の墓は、小日向の養源寺にある。」
と、記載されている。
恥ずかしながら、夏目漱石の「坊っちゃん」をきちんと読んでおらず。。。
というか、漱石の著作は教科書のみのおつきあいでしたのでピンと来ず。調べて初めて坊っちゃんの一節だったことを知りました。
主人公のの幼少期に世話をしてくれた女中の「清」。
そのお墓がある場所として、この「養源寺」の名前が使わています。
「坊っちゃん」の聖地巡礼の地として
執筆中に近くに住んでいたことと、漱石の親友「米山保三郎」と、清のモデルとされている「米山清」おふたりのお墓があるそうですので、漱石ファンにはたまらない場所になっているのでしょう。
小説はそれなりに読んでいる方だ思っていたのですが、思い返すと漱石の作品をきちんと読まずに来ていたことに気づきました。ご縁が出来ましたので、今後に読む本としてリスインしました。
読了後は改めてお参りさせていただこうと思っております。
山号「白華山」由来は、二条公が詠んだ桜
このお寺の山号は、五摂家のひとつ、二条康道が江戸に下向した際に訪れ、境内の桜を鑑賞して詠んだ歌が由来なのだとか。
「珍しき白華」と称したことから「白華山」と名付けたのだそう。
当時のものはもうないようですがが、若木を植えたものが残っているとのこと。
いつかこの詩をお題にして、お香調合したいものです。
香銘は「白桜」とでも称してみましょうか~
ぜひ桜の花が咲いている時期に訪れ雰囲気を感じイメージを膨らませましょう。
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養源寺マルシェ
定期的に開催されている「養源寺マルシェ」。
私の普段の行動エリア内で開催のマルシェですので、予定が合う際にはまたお世話になろうと考えております。
塗るお香「塗香」
お寺の境内がマルシェ会場となっていますので、次回参加の時は「塗香」をお持ちしたいです。
この「塗香」。ご存じの方は少ないと思いますが、お清めとして使用する、火を使わないお香アイテム。
お坊さんが行を行う前の清めとして使用されているお香です。
微粉末にしたお香を調合していますので、手のひらに少量取り、こすり合わせなじませ、塗るように使用します。
身を清める~目的の使用ですのでで、写経する前や書道家の方が書をしたためる前に使用しているそうです。
また、コロナ過以降、手水舎を使用できない形にしたままの寺社仏閣も少なくありませんので、街ぶらや御朱印などを頂きに参拝される方の中には携帯している方も居られるとか……有名ないくつかの寺院でも頒布されておりますので、この機会にお試しいただければ幸いです。