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一斉休校中に全国から250人が参加した「夢をデザインする授業」の動画公開とその使い方

公開した動画@Youtube

1.はじめに

全国で緊急事態宣言が出ました。僕は東京に住んでいて2週間早く子どもと一緒の生活が再び始まっていますが、今週からは全国に拡大することになります。

全国の子供を持つご家庭で、常にお子さんと一緒生活するという「非日常な日常」が始まっていますが、いかがお過ごしでしょうか?

在宅ワークもセットになって、家族との時間が増えてお子さんと向き合う時間が増えたと実感された方も多いのでは無いでしょうか?一方で、学校からもらったドリル型の演習がなかなか進まない。先生の代わりに教えなければいけない、ということにプレッシャーを感じてる親御さんも多いのではないでしょうか?

子どもの学習が進まない焦りを感じてらっしゃる方も多いと思います。しかし、そもそも、先生という「教えるプロ」と自分を比べても仕方ないと思います。むしろ、僕らの生きる社会において常識だった子どもの学びとは何か?親子で考え直したり、新たな実験をするという意味では、とても貴重な「自宅の学びの期間」になるのでは無いかと思っています。結論から言うと、この貴重な休校の期間は、一人一人スタイルの違う創造的な学びを実践すると言う意味では、むしろ天啓になる可能性もあると思っています。この投稿では、家庭における親子の創造的な学びを実践する何かのヒントになればと思って書いています。

2.家庭でのホームスクーリングが作り出す余白

僕は、「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」で、自分の内面に向き合い、自分の好きや妄想にアクセスし、デザインの方法論を使ってカタチにしていくビジョン思考を提唱し、昨年からそれを小学校ー中学校の教育現場で実践するVISION DRIVEN EDUCATIONの活動を始めています。その中で、ビジネスの世界で実践している創造的な学びは、これから新たな世界を作り直していかなければいけない、僕ら、そして子ども世代にライフスキルとして必要だと思っています。でも、それは当たり前のように学ぶ機会はありません。

現代の子ども達は、大人から見てもなぜこうなってしまうのかと思うくらい、常に「忙しい」です。自分のやりたいことは自分と向き合ったり、好きなことに没頭するための余白が必要です。それを発見しようにも、学校、習い事、塾で予定をこなすだけでも必死。気づいたら、先生や塾、親御さんなどの大人が設定していた答えを導くために、自分のペースを崩して、いつの間にか、自分のやりたいことや、自分の好きなことと離れてしまっているお子さんは多いのでは無いでしょうか?

大人の世界でも同じです。誰かが設定したゴールのために必死で日々をこなしていると、だんだん自分のやりたいことを考えるきっかけはなくなっていきます。自分がやりたいことがなくなった時、自分が生きていく意味を見失いかけていくときに必要なのは、余白であり、自分の好きややりたいにアクセスしてじっくり考えるキャンバスです。

Work from Homeや、自宅学習によって起こるのは、今までの学びの常識のリセットであり、それぞれのスタイルに合わせた仕事や学びが出来るようになっていくことを意味します。自宅学習は、アメリカではホームスクーリングと言われており、才能のある子どもが実践しているケースもあります。特に、創造的な学びという意味では、追い風にもなり得ます。

では、ホームスクーリングによって学びはどう変わっていくのでしょうか?基本はこれは、インターネットの世界で大人に起こった学びの変化にある程度似ていて、それを参考に考えると以下のようなことが起こると思われます。

ホームスクーリングによる学びの変化

1.自分で学習できる子どもはどんどん学習が進む

2.好きなことは、より熱中して学ぶ。好きじゃないことは、能率が落ちる

3.誰かに見ていてもらわないと続かない。友達や、親が、「見守っていてもらい、時に相談する相手」というコーチ(教師ではないので注意)の役割を果たす

4.リアル世界での出会いが少なくなるため、オンラインでの友達との出会い体験が必要になる

現在の多くの親と子は、「全てを知っている先生」と、「何も知らない生徒」という現在の学校のパラダイムを無意識に引きずっています。在宅学習による自由度が増える学びでは、親が「先生でなければいけない」という思い込みを捨て、子どもが好きなものを見つける出会いを作り、見守り、反応をしてあげることが大事です。そのためには、親と子が、お互いにやりたいことを共有し、信頼関係を作るのが一番だと思います

3.自宅でできる創造的な学びの第一歩:夢をカタチにする授業

そこで、一斉休校中の3月13日に全国の親子、小学校の先生200人あまりを繋いで実施した親子で学べるクリエイティブラーニング、「夢をカタチにする授業」を実施しました。この内容を、YOUTUBEで公開します。

授業の内容は、親と子どもがペアになって、お互いに「あなたの夢をカタチにする」というビジョンアート制作の授業です。

この授業は図工や美術に似ていますが、ちょっと違います。あなたの「ビジョン」を、手を動かしながら考え、アート作品にしてみることで、夢を具体化する方法を体感してもらう授業です。この授業は、当初親子20組と陪席の先生20人という想定で応募をしてもらったのですが、実に10回弱増席し、最終的に首都圏だけではなく、静岡、気仙沼、長野、神戸など全国の親子がオンライン上で集まりました。その様子をYoutubeに公開しました。

講義は以下のように5つの動画に分かれています。
①講義:夢をカタチにする授業についての概要
②講義:夢をカタチにする技術
③ワーク:妄想インタビュー
④ワーク:ビジョンアートの制作
⑤講義:VISION DRIVEN EDUCATIONへ

それぞれの概要を少しつずつ紹介します。

①講義:夢をカタチにする授業について

最初は、授業の概要についての説明からです。この授業は、親子でやる自由題の一風変わった図工のような授業です。テーマは、「私たちの未来展」を開く。2時間で、子どもと親御さんそれぞれが未来がこうあったらいいなと思う作品を作りながら、それを通じて対話をしていくというものです。

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最初に、講義ということで、小中高と受験戦争を戦いながら答えを導き出すマシーンのようになっていた僕が、デザインを学んだことで「答えを創り出す方法」を覚えたという話を紹介しました。

②講義:夢をカタチにする技術

二つ目の動画は、変化のスピードが早く10年後に自分の職業がなくなったり、新たな職業が生まれる時代に、「あなたの将来の夢は何ですか?」という質問がいかに無意味か、今の時代に大事なのは、常にその瞬間の夢を具体化していく、夢をカタチにし、ビジョンにしていく技術だということを紹介します。実際に宇宙という広大なキャンバスを文化圏にしようとしている宇宙スタートアップALEの創業者岡島礼奈さんにもサプライズでビデオ出演していただきました。

夢をカタチにする方法は、1.聞かれる, 2.作ってみる, 3.話してみるというステップをビジョンパートナーとともに回すことです。今回は、親御さんと子どもがビジョンパートナーになります。

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③ワーク:妄想インタビュー

最初のステップは、1.聞かれる、です。

ここでは、以下のように、さいきんワクワクしたこと、小さな頃に夢中になっていたこと、3年の自由な時間と100億円があったら何をしたいか?を、1人7分ずつそれぞれインタビューします。インタビューをする人は、その内容をメモしながらじっくり聞きます。

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ウンウン、いいね、それ面白いね!などの良いあいずちを打ちながら、良い聞き手になるのは注意。特に親御さんは、つい無意識に、「もっといい方法あるんじゃない」、「本当はね・・」みたいな正解を教えてしまいがちなので。

④ワーク:ビジョンアートの制作

次のステップは、2.作る、です。

30-40分程度の限られた時間の中で、「手を動かしながら」あなたが作りたい未来を考えます。スケッチブックと色鉛筆で絵を描くか、自宅にあるレゴで作ります。基本テーマは自由ですが、以下のような考えやすいサブのお題を用意しました。

1)もしも、あなたがドラえもんのひみつ道具を作るとしたら?

2)もしも、あなたが100億円もらったら何をする?

3)もしも、無人島に新しい街を作れるとしたら何をする?

最初からテーマが浮かんで来なくてもOK。とりあえず、手を動かしてみると「なんかいいな」、とか「これ**に見えるかも」というのが見えてきます。

残り5分になったら作品に名前をつけてもらいます。新しいドラえもんのひみつ道具に名前をつけるように、こだわりの名前をつけてみてください。

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ワークが終わったら5分ずつ時間を取って、親子でお互いに作品の内容を紹介します。まず、作品の内容を紹介します。聞き手は、その作品の良いところや、面白いところを伝えてあげます。いかに面白がってあげるかがポイントです。

批評をするときのポイントは、作品そのものの完成度について批評をするのではなく、作品を通じて相手が考えていたことに興味を持って質問するということです。例えば、、、

・その作品のこだわりはどこか?
「何を作ったの?どんなところにこだわったの?
なんでそうしたいと思ったの?」

・作品に隠れたビジョン
この作品に隠れている「もしも・・ってなんだろう?」

・一歩具体的に進めるアイデア
「次にやってみたいことある?」
「**やってみたら、少し前に進むかも」

全国200人の前で、2名のお子さんが発表していただきました。短時間で作った素晴らしい作品と、その勇気に拍手!

⑤講義:VISION DRIVEN EDUCATIONへ

最後は、まとめです。夢をカタチにするための秘訣を紹介します。

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特別に作ったオンラインギャラリーに作品を展示してしてもらい、声をもらいます。


先生との繋がり方(Twitter)、VISION DRIVEN EDUCATIONコミュニティへの参加の仕方をお伝えして授業はおしまいです。

この後、残れる方だけでzoomのブレイクアウト機能を使って、全国のお友達と繋がりました。遠くに住んでいるお友達と話す機会はとても新鮮だったようで、印象的に感じたお子さんも多かったようです。

参加された親御さん方さんの声
お子さん
「疲れたけど楽しかった~」
「いい発明が生まれたかも!」
「おとーさんの作品おもしれー」                   「 本当にこんな未来が実現できたらうれしい」
「普段の授業だと、うるさくて集中できなかったけど、集中して制作できて楽しかった」
「何を作っても褒めてもらえるので、作るのが嬉しい」

親御さん
「子供と将来やりたいことをお互いしっかりと話したことは実は一度も無かったからとても良い機会になった」
「子供と一緒にワークをやる体験をすることで、子供への声がけの仕方が変わった」                              「全国のお友達と出会えたのが新鮮な体験でした」

4.自宅での創造的な学びの実践のリソース

自分のビジョンと向き合い、制作をしながら形にしていくのは、創造的な学びの道の第一歩だと思います。やりたい!作りたい!という感情から、創造は始まるのです。STEAM教育やプログラミングなどのスキルも、所詮スキルにすぎません。まずは、自分のやりたいをカタチにするというのは、自宅で学習している期間だからこそ効果的だと思います。もしご興味がある方は、ぜひご自宅で動画をみながらやってみてください。

最後に、この当日の授業は、今まで感じたことのない暖かい気持ちになった幸せな時間でした。当日の授業の後の興奮で書いた言葉を載せておきます。

なんというか、
たのしく、あったかく、
そして、しあわせな時間だったなあ。
今のような時期だからこそ、
自ら希望を作ることが、
希望を持って生きる力になると感じた。
実現助けてくれたコミュニティメンバー、
当日のリズム隊的なzoom隊、
参加してくれた全国の親子や先生、
本当に感謝。
可能性しか感じなかったこの一連の取り組み
追ってゆっくりとまとめていこう。

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このイベントの実施、そしてYOUTUBE動画の編集にはVISION DRIVEN EDUCATIONのコミュニティメンバーのサポートがあって実現しました。重ね重ね感謝です。最後に、ご自宅でさらに創造的な学びを進めたい方向けのリソースをいくつかご紹介します。

1.ビジョンをカタチにする技術

『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』では、日常で実践できるビジョンをカタチにできるワークを数多くご紹介しています。親御さんの自習用にぜひ。

直感と論理をつなぐ思考法

2.親御さんの仕事における創造的な学び

創造性について、会社で実践できる学びをしたい社会人の方は以下のUdemyの講座をご覧ください。4.5時間でデザイン思考を実践するコツをご紹介しています。

組織で実践!デザイン思考実践講座〜入門編

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3.お子様の創造的な学びの機会
今後、この授業へのご参加や、教育現場やご家庭での実践の事例作りにご興味がある方は、 以下のコミュニティへご参加ください。不定期でイベントをご案内します。

VISION DRIVEN EDUCATION COMMUNITY Facebookグループ(https://www.facebook.com/groups/2858752264185721) (1.コミュニティを知った経緯, 2.ご自身の仕事内容, 3.参加動機を記載していただく必要がございます)

ソーシャルディスタンシングが、それぞれの方のビジョンのアトリエとなる一助となることを祈って。

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