“イジり“と“イジメ“
「イジメは受けた相手がイジメと思うかどうか。」
という定義で毎学期クラスに調査が入っていました。
教員時代は「この定義でいいのかな」なんて思いつつも、確かに嫌な思いをしている子がいれば見つけて解決してやらないと。と思っていました。
なんとかハラスメントなんて言葉も流行ってるみたいですが、
それを受ける側の定義ばかりです。
でもそんな風に考えたら言葉ばかり増えていくだけではないでしょうか。
イジメもハラスメントも悪いのは行動を起こす側の意識であることに変わりはないのに
言葉ばかり増えては、悪くない人にとっての地雷がどんどん増えていきます。
お笑い芸人のイジり
テレビを見ていると、
気持ち悪い!
バカだな!
なんてイジられている芸人を見ます。
真似をするからお笑いは教育に悪いと言う人
よく考えもせずにネットで叩いている人
を見ると何を言っているのかなと思います。
ぼくは台本を考えるだけでお笑い芸人として舞台に立ったことはありませんからこれが正しいかわかりません。
ただ、
イジられている人はその番組の中では主役な訳です。その人を笑いの中心に押し上げるために周りの人はイジっている。
と思ってみています。
つまり、
イジりには相手に対して、この人はイジったらおもしろい!相手を話題の中心にしようという敬意があります。
相手に対する敬意
メジャーリーガーは集中力を高めるためにガムを噛んでいます。最大限に集中して対戦することが相手に対する敬意だからです。
ここを理解せずに格好をつけて少年野球でガムを噛んでプレーすれば、当然それは叱らなくてはいけません。
それを悪影響があるからとメジャーリーグの映像を見るな!と言うのは乱暴ですよね。
指導者としては自分の無能を主張しているようなものです。
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芸人は笑いをとるプロですから
「敬意があってやってるんだ」
なんて見る側が思うと笑いの邪魔になりますから、芸人の方は、こんなことは言いません。
ぼくは教育に関する目線で書いていますので、子どもに関わるときに、大人として、イジメやハラスメントをよく考えるきっかけとしてほしいのです。
イジメやハラスメントには相手に対する敬意はあるでしょうか。
笑いにしようと思ったなんてつまらない言い訳をする人は、この視点が全く足りていないのです。
ぼくは、そこがイジメとイジりのはっきりとした線引きだと思います。
笑いのプロである芸人の真似をして、イジっただけなんて浅い言い訳をする人は本当につまらないです。
“特別な訓練を受けています。真似をしないでください。“
「容姿をイジって笑いにするなんて」と外野があれやこれや言っているのも目にします。
全く人間関係のない人から容姿をイジられればそれはもちろんよくないです。
また、芸人だからといって本人が本当に気にしていることについて指摘をすればそれはイジりではないと思います。
当然芸人の方はその辺りは日々気にしています。
そこに敬意があるかどうかなんて本人たち同士にしかわかりません。
笑いを軸として実力主義の世界にいる人たちにとってはお互いにイジることはNGではないのです。
だから全てのお笑い芸人は特別な訓練を常に受けているようなものです。決して安易に真似してはいけません。
イジりに関するつまらない議論がニュースになった時に
子どもの学校でイジメが話題になってしまった時に
「そこに相手に対する敬意はあるのか」
意識の片隅においていただけたらと思います。
さて、今日もぼくはテレビでイジられている芸人をみて笑うことにします。
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