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最近のワイヤレスHDMIは安くて安定している。イベントで使うのに良かった。

直近、イベントを主催する際に、イベント会場のプロジェクターやモニターに映像を映す機会があった。カメラで撮影しながらその画像を映像出力するために、10m超のHDMIケーブルを購入しようかと思っていたが、ふと思い立って、代わりに、ワイヤレスのHDMIを検討してみることとした。調べてみると、最近は価格が下がっている模様。似たようなノーブランド商品が多いのだが、今回以下の商品を購入・使用してみた。

実用してみたところ、これが思いのほか安定して使い勝手が良かったため紹介したい。


使い方とスペック

私が使ったものとおそらく同型の製品を戸田覚さんがYoutubeで紹介していたので、基本的な機能の紹介は以下を見てもらうのが早いと思う。

注意点としては、単にケーブルの代わりにHDMIの入出力ポートに刺すだけではダメで、別でUSB電源をとる必要があるということ。それさえ認識したうえで使えばあっさり使える。最近のテレビは録画用に外付けHDD接続のためのUSBポートを備えているものも多いが、そこから電源をとることで問題なく稼働する。また、10000mahレベルのモバイルバッテリーから電源をとってみて、3時間運用したが、バッテリー容量は半分も減らなかったので、イベント時に一時的に利用するだけであれば、モバイルバッテリー運用でも十分と感じた。

一眼カメラの外部出力をモバイルディスプレイに出力してみた。カメラ側、ディスプレイ側どちらもモバイルバッテリーで接続。モバイルバッテリーは必要になってしまうが、この状態でケーブルを気にせずカメラを好きなように動かせるということがかなりのメリット。

良い点1:距離があっても安定して通信できる

まず驚いたのが、安定して映像転送できる距離。今回縦横25mくらいのイベント会場で使用したが、その端から端まで動き回っても全く映像が乱れることが無かった。
製品説明には30mや50m使えますみたいな記述があったが、実用はせいぜい10mほどと考えていたからこれには本当に驚いた(Bluetoothの接続範囲表示は公称より不安定なものが多いのでそれと同じ感覚だった)。どれだけ機能が優れていても安定していなければ意味が無いので、ここがしっかりしていたのはかなり高得点である。

このような広いイベント会場で映像投影したが、会場の端まで移動しても遅延・映像の乱れなく安定して表示できた。

良い点2:Type-CのDP-ALT対応のスマホなら刺すだけで映像出力できる

通常のHDMI出力の場合、USB電源が必要となるが、USB Type-CのDP-ALT(DisplayPort Alternate Mode)出力であれば、USB Type-Cから電力供給でため、映像の送信側は電源不要となる。
これと相性が良いのが、Galaxy Sシリーズ。DEXモードを完全にワイヤレスで映像転送できる形となるので、かなり気軽にDEXモードを使える。

Galaxy S23でDex表示をした例。付属のUSB-C→HDMIアダプタ(写真上のシルバーのアダプタ)を使えば、スマホ側から送信機に電力供給できるため、モバイルバッテリーなど不要でシンプルに画面転送できる。

また、スマホカメラの映像を飛ばせば、現実の映像をディスプレイ出力できる。例えば、クローズアップしたい部分をスマホカメラで捉えておき、リアルタイムで大きな画面に投影することができる。
実際に以下のような構成で動き回る対象を追いながらそれを大画面ディスプレイで会場メンバに見せるという運用をすることができた。

スマホを持ち歩きながら画面表示できる点が大きい。あくまでスマホ画面のミラーリングなので、カメラアプリのUI等が表示されてしまう。ここは手軽さとのトレードオフとなる。

気になる点:初回接続、送信側機器の切り替えに20秒ほどかかる

気になる点というか、有線のHDMIに負ける点として、初回接続や送信側機器を切り替える場合に20秒ほど待たされること。例えば会議でAさんのPC画面を映していたが、途中でBさんのPCの画面に切り替えたいといった場面。有線HDMI接続であればコードを差し替えればすぐに認識されるが、本製品の場合、送信機を差し替えた後、少し待たされることになる。分単位で待つわけではないので致命的ではないが、使い勝手として少し劣る点である。

まとめ:イベント運営側の味方

今回このワイヤレスHDMIをイベントで運用してみて、参加者からの評判もよく、イベント主催者としては、一つ武器ができたと実感。
HDMIをワイヤレス化するということで、色々な用途は考えられるが、固定された環境であれば有線でいいはずなので、どちらかというと、臨時のイベント用途に強いと感じた。

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