めぞん一刻のレゾン・デートル【フランス語】la raison d'être(『ファーブル昆虫記』)
家族でも仕事仲間でもないフンコロガシが、赤の他人のフンコロガシの仕事をなぜ手伝うのかをいぶかしむファーブル。
こんなところ、というとファーブル先生に失礼かもだが、フンコロガシの行動についても使えるのである、「レゾン・デートル」は。
いっとき、「アフフヘーベン」とか「ゲシュタルト崩壊」とかいう言葉をサブカル文脈で使うのが流行ったが(いまも?)、「レゾン・デートル」は、なんだかよくわからない動きをしている虫について使ったっていいのである。なんたってファーブル先生が19世紀から使ってんだもの。めちゃめちゃ濃ゆいお墨付きである。
使っちゃいけないって誰も言ってはいないのだけれど。
・この記事のタイトルについて
本文とは関係ないけど、むかし「『めぞん一刻』の『めぞん』って何だ?」っていうのが友達の間で話題になって、数日後、「フランス語でマンションのことらしいぞ」って教えてくれたやつがいて、「『めぞん一刻』って、『一刻館』の意味だったのか!」と衝撃を受けた覚えがある。そのまんまやんけ!と。てっきり何かオトナっぽい深い意味があると思っていたのだ(「めぞん」って、なんだか柔らかくて深くて湿っぽい感じがする)。その友達がどうやって調べたのかは謎である。