今からかよ
麗らかな日々が続いています。東京ではもう夏日なんて呼ばれているそうですね。こちらのほうでは油断して上着もなしに外へ出てしまえば、雨に降られてしまうなんて言うこともざらにあるので、まだまだ難しいです。
今回のテーマは「読書感想文」にしようと思います。読書感想文と言えば夏休みに出される課題という印象が強いですし、私の学校でもそうです。しかしいかんせん私は読書が好きなもので、いつだって愛読書を勧めたい気持ちでいっぱいなのです。そこで私は時々、「読書感想文を書くなら何の本で書いてどんなことを綴ろうか」と考えてしますのです。
考えてみた時、一番先に脳裏に浮かんだのは『君のクイズ』でした。最近読んだ本の中では一番インパクトがあり、熱中して読んだ作品です。それ以降色々読んではいますが、やっぱり『君のクイズ』が思い出されるのです。この本だったら、「視聴者とクイズプレイヤーの格差」とか「エンタメか競技か」なんていう視点で書けたり出来るな~なんて胸を躍らせていました。
しかしそこで問題がありました。私は高校生。まだ学生と呼ばれる身分です。読書感想文コンクールに求められているのは「何を学んだか」という主軸をもとに、体験を通して学生視点から見た問題解決や考察です。それが満たされて完成度が高ければ高いほど評価されるという土俵になっています。そんな中で感想文中にクイズクイズクイズ…と羅列してしまえば、読み手を置いてけぼりにするだけではないのでしょうか。
これは『君のクイズ』から学べることが無いということを言っているのではありません。むしろ競技クイズと関わらない人にとっては学ぶことだらけでしょう。しかしこの本は、私が読む限り「何事にもその道を究める人はいるのだからいろんな世界を知っていこう」なんていう話ではありません。この本の主題はあくまでもクイズ、そのなかでも競技クイズに重きを置いています。この本の伝えたいことは「エンタメだけでは誤解されがちなクイズという道を知ってほしい」ということだと思います。
それを読書感想文の主軸とするにはあまりにも場違いな気がしたのです。この本と私の伝えたいことは、読書感想文に求められている像と土俵が違うのです。私はこの本を通してより深く捉えることのできたクイズの道を、少しでも多くの人に伝えたいと思っています。しかしそれは評価される軸には入っていないように思えました。
勿論、読書感想文は自由であるべきです。しかし学生が書くからにはそれ相応の学生らしさが求められるのは、去年の読書感想文コンクールでも文芸コンクールでも痛感しています。
それに気づいてしまった時、なんとも言えない歯がゆさを感じました。私はこの本を伝えたい。しかしそれは評価する目線で言えば基準を満たしていないことになります。評価なんて気にするなよ、ということも考えましたが、やっぱり広まるもの=評価されるものです。審査員のお眼鏡にかなうようなご立派な内容をそろえなくてはいけないのです。
さて、だらだら語ってきましたが、どちらにせよ私はこれ以上のインパクトを別の本から受けない限り、『君のクイズ』で書こうとは思っています。理由はなんたって、好きだから、これに尽きます。結局好きな本で書かないとモチベーションが上がりませんしね。どれだけ審査員の評価軸とずれていようとも、そのお眼鏡にかなうような立派な内容を築き上げるまでです。
というように、今から読書感想文のことを考えるのはお勧めできません。
あまりにも気が早すぎました。