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SLEによる長期入院の体験談

私はSLE(全身性エリテマトーデス)という難病を抱えています。
この病気の概要、病気の発症についてはこちらの記事をご覧ください。

今回は、この病気が発症して入院、そして退院までの長期入院生活についてお話しします。
この体験は10年以上前のことですが、できるだけ鮮明にお伝えできればと思います。



入院当初

入院当初、私は「ネフローゼ症候群」という病気かもしれないと診断され、詳しい検査が始まりました。当時、中学3年生だった私にとって、初めての入院は不安と同時にどこか新鮮さも感じていたのを覚えています。
 
しかし、次第に病状の深刻さが明らかになっていきました。血小板の減少に加え、尿がコーラ色に変色しているのが確認され、病院の判断ですぐに個室に移されました

個室のため感染リスクは減りましたが、今度は孤独との戦いが始まりました。


治療開始

治療として、ステロイドの服用とステロイドパルス療法を行いましたが、薬の量が日々増えても症状が思うように改善せず、退入院も延びていくばかり。

ただ時間だけが過ぎていきました。
 
病院食も、はじめは物珍しさで楽しめましたが、次第に塩分が厳しく制限されていき、ほとんど味がしない食事が辛くなっていきました。


長引く入院

当初は「2~3週間で退院」と聞いていたのですが、気づけば「いつ退院できるのだろう?」と考え続ける長期入院に変わり、希望よりも不安が大きくなっていきました。

入院中のシャワーも初めは許されず、タオルで体を拭く日々が続きました。髪はどんどんベタつき、最初に許されたのはシャンプーのみです。ようやくシャワーができるようになっても、シャワーを浴びると立ち眩みがして、体力の低下を実感しました。

入院から数ヶ月が経ち、夏祭りの季節になっても私は病室で一人。寂しさが限界に達し、夜な夜な涙を流すこともありました。
気分が沈んでいたある日、ついに「もうこの世からいなくなりたい」と思い詰めてしまい、親や医師に泣き叫ぶように気持ちをぶつけたこともあります。


私の心の支え

そんな入院生活での唯一の楽しみゲームでした。
個室だったので、家からPS3を持ち込み、時には消灯後も起きて遊ぶことが許されていました。
同級生がお見舞いに来て一緒に遊んだり、担当医もゲームに興味を持ってくれて、ゲームをしている間は病気のことを忘れられる大切な時間になったのです。

また、夏の終わり頃、初めて外泊が許されました。
たった1泊2日の外出でしたが、久々に食べた母の手料理は、思わず涙が出るほど美味しかったのを今でも覚えています。
病院へ戻ると検査結果は少し悪化していましたが、それ以上に、家族との時間は大きな癒しになりました。


転院とSLEの確定診断

秋が近づいても症状は一進一退で、ここでようやくSLEの疑いが浮上しました。SLEはそもそもが珍しい難病で、男女比1:9と、特に男性の発症は非常に稀だそうです。そのため診断が遅れたのかもしれません。

SLEの確定診断には腎生検が必要でしたが、当時の病院では対応できず、より大きな病院への転院が決まりました。そこが今でも通っている病院です。
転院先では小児科病棟の大部屋での生活が始まり、個室の静寂とは異なる生活が新鮮でした。
 
また、ここには院内学級があり、退院するまでの間、ここに通うことになりました。院内学級で勉強ができたことは、学校のリズムを少しずつ取り戻す助けになったと思います。
院内学級の思い出についてはまた別の機会に記事にする予定です。

(2024.11.13 追記)院内学級の記事を投稿しました。


退院に向けて

腎生検の結果、SLEと確定診断を受け、治療方針が明確になったことで、ついに症状が改善。年末年始には外泊も許され、家での時間がまたも心を癒してくれました。

そして、9月に転院してから約半年後の2月、ついに退院
入院生活はほぼ1年に及びました。

中学生としての最後、卒業式に出席できた時、これまでの入院生活の苦労が報われたと感じました。


まとめ

長期の入院生活を振り返ると、辛さと孤独に加え、医師や家族、そしてゲームという楽しみから支えられた時間だったと強く感じます。

この経験を経て、健康の大切さを痛感しました。
また、私の人生や価値観が変わったきっかけにもなりました。

SLEという病気と向き合いながら、これからも日々の生活を大切に、病気に負けずに前向きに過ごしていきたいと思います。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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サーシー
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