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ヘルプマークを知っていますか?

◆ はじめに


皆さんは「ヘルプマーク」をご存じですか?

電車内や街中で見かける赤いマーク。しかし、その意味を正しく理解している人はまだ少ないのが現状です。ヘルプマークは、外見からは分かりにくい障害や病気を抱える人が、周囲に配慮や支援を求めるためのものです。

今回は、私自身の経験を交えながら、ヘルプマークの現状や問題点についてお話ししたいと思います。


◆ 私の経験


私はヘルプマークをつけて電車に乗ることがあります。しかし、優先席の前に立っていても一度も席を譲られたことがありません。もちろん、ヘルプマークをつけているからといって必ず席を譲ってもらうべきとは思っていません。

ただ、体調が悪く、どうしても座りたかったときに「すみません、座らせてもらえませんか?」とお願いした際、怪訝な目で見られたことがありました。「若いのに」「元気そうなのに」という視線を感じることもあります。私の病気は外見では分かりにくいため、そう思われてしまうのかもしれません。

でも、ヘルプマークは「外見では分かりにくい」人のために作られたものでもあります。それなのに、十分に理解されていない現実に、もどかしさを感じています。

◆ ヘルプマークを知らない人が多い理由


ヘルプマークを知らない人が多い理由はいくつか考えられます。

・知る機会が少ない


ヘルプマークを必要としない人にとって、それを知る機会はほとんどありません。教育やテレビでも取り上げられることは少なく、日常生活の中で自然と知ることが難しいのです。

・周囲への注意が向いていない


近年、電車内ではスマホを見ていて周囲に気を配っていない人が増えています。座席が空いているかどうかを気にするよりも、スマホの画面に集中してしまい、困っている人に気づかないケースも多いのではないでしょうか。

・啓発活動の不足


自治体や企業、鉄道会社がポスターや広告でヘルプマークの認知を広めようとしていますが、まだ十分とはいえません。例えば、電車の優先席付近にヘルプマークの説明ポスターが貼られていることはありますが、普段から意識していないと目に留まることは少ないでしょう。

◆ 誤った認識が広がる危険性


ヘルプマークについて誤った認識が広がっていることも問題です。

たとえば、「ヘルプマーク=精神障害者のためのもの」と誤解している人もいます。しかし、実際には身体障害者や難病患者、初期妊娠の方など、外見からは分かりにくい支援が必要な人も使用します。

ヘルプマークの裏面には持病や緊急時の対応方法を記載できるため、命を守る役割を果たすこともあるのです。

このような誤解が広がることで、適切な支援を受けにくくなる人が出てしまいます。正しい情報を広めることが重要です。

◆ 簡単に入手できることへの疑問


ヘルプマークは役所などで無料で配布されていますが、私が受け取りに行ったときは"何の確認もなく"すぐに渡されました。

「本当に必要な人が適切に使う」という観点から考えると、これは少し問題なのではないかと思います。

もちろん、ヘルプマークは診断書などの提出が不要であることにメリットもあります。例えば、病気を公にしたくない人や、診断書を用意する余裕がない人でも、すぐに受け取れるのは利点です。しかし、反対に誰でも簡単に入手できるため、本当に支援が必要な人の手に渡りづらくなる可能性もあります。

悪用しようと思えば、誰でも受け取れる仕組みになっているため、転売や不正使用のリスクも否定できません。今後、必要な人がきちんと受け取れる仕組みについても、議論されるべきではないでしょうか。

◆ ヘルプマークの価値を下げる行為


実際、ヘルプマークの本来の目的を損ねるような問題もあります。

例えば、今はそのような出来事は見受けられませんが、一時期メルカリなどのフリマアプリでヘルプマークが転売されるという問題が起こりました。本来は必要な人が自治体で無料配布を受けるものですが、それを転売することで、本当に必要な人の手に届かなくなる恐れがあります。

また、転売品を購入した人が「ファッション感覚で身につける」といったケースもあり、これがヘルプマークの価値を損なう要因になっています。
 
このような行為が広がれば、ヘルプマークの信頼性が低下し、本当に困っている人が助けを受けられなくなる可能性があります。

◆ 正しい理解を広めるために


ヘルプマークの認知度を高め、正しく理解してもらうためには、自治体や企業、メディアなどが積極的に啓発活動を行うことが重要です。

また、ヘルプマークに対する偏見から「つけるのをためらう」人もいるかもしれません。しかし、本当に支援が必要な場合は、ヘルプマークを外さずに活用し、社会全体が理解を深めていくことが大切です。

◆ まとめ


ヘルプマークは、外見では分からない障害や病気を抱える人の助けとなる大切なものです。しかし、現状ではその認知度や理解が十分ではなく、適切に対応されないことも多くあります。

より多くの人がヘルプマークの意味を理解し、正しく対応できる社会を目指すために、一人ひとりが少しでも意識を持ち、広めていくことが大切なのではないでしょうか。

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サーシー@SLE×腎移植
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