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透析治療のリアル:1日のスケジュール

透析治療を受けている日常がどのようなものか、想像したことはありますか?

今回は、私が透析を行っていた頃の1日を振り返り、どのように過ごしていたのか、またその中で感じたことをお伝えします。

透析治療そのものについては、これらの記事を参考にしてください。



1日のスケジュール

8:00起床

朝起きてまず行うのは、「リドカインテープ」という麻酔効果のあるテープを透析の針を刺す箇所に貼ることです。透析の針は採血の針より太く、麻酔がないとかなり痛みます。

リドカインテープは、麻酔効果を得るために1時間ほど貼っておく必要があります。そのため、透析の日には必ず透析の1時間前にこのテープを貼る必要があるのです。

とはいえ、テープを貼っていても痛いときがあるので、針を刺す瞬間は何度経験してもやはり緊張しました。これが朝一番の習慣であり、小さな憂鬱の始まりでもありました。

8:30病院へ出発

病院までは親に車で送迎してもらっていました。透析患者用の送迎バスもありましたが、利用者は高齢者しかいません。

病院側からも若い私にはおすすめされなかったですし、正直その空間に自分が馴染む自信もなかったです。

そのため、親のサポートに頼ることとなり、毎回送迎をしてもらっていました。

9:45 透析室へ入室

渋滞などがなければ、この時間に病院へ到着し、透析室へ入室します。

透析室では、まずドライウェイト(透析後の目標体重)との差を計算するために体重を測定します。この体重差から、その日に除去する水分量が決定されます。
 
体重を測った後は、そのまま自分のベッドに向かいます。透析中に使用するベッドは基本的に決まっており、毎回同じ場所で治療を受けていました。

10:00 透析開始

透析を始める時間になると、看護師さんが順番に穿刺(針を刺す作業)を行います。穿刺を始める順番は日ごとに変わり、早い日もあれば最後になる日もありました。
 
穿刺が上手くいかない場合、針を一度抜いて出血が止まるのを待ち、再度穿刺を行います。そのため、透析を始める時間が遅れてしまうこともありました。

こうして準備が整うと、透析が開始されます。
透析時間は通常4時間ですが、体調やドライウェイトに応じて短縮や延長が行われることもあります。

10:00-13:00 透析中

透析中は少しでも気がまぎれるように、iPadで映画や動画を観たり、音楽を聴いたりして過ごしていました。

他の患者さんの中には透析中に眠る方もいましたが、30分おきに血圧測定が行われるため、私はほとんど眠ることがありませんでした。周囲の患者さんが寝ているのを見て、「よく寝られるな」と感心したことを覚えています。

13:00 透析終了

透析の終了時間になると、アラームが鳴り、看護師さんが針を抜きに来ます。出血を止めるために腕を専用のベルトで数十分圧迫します。この方法については、シャント((血液を取り出して戻すための血管))を圧迫しないよう指導されていたため、大丈夫なのかと、今でも少し違和感を感じています。

その後、帰りの準備を整え、体重を再度測定して目標体重に達しているか確認し、特に問題がなければ、親が迎えに来てくれている車で帰宅します。

私は何度か透析中や終了後に血圧が急激に下がり、しばらく動けなくなった経験もありました。

透析後の過ごし方

透析後は疲労感が強く、私の場合、外出する気力はほとんどありませんでした。

そのため、家で横になりながら過ごすことが多く、透析の日はほぼそれで1日が終わってしまう感覚でした。


まとめ

透析生活は、体力や気持ちに影響を及ぼすものでしたが、振り返れば、この経験を通じて「当たり前の日常がどれほど大切か」に気づくきっかけをもらったと思います。

この記事が、透析を受けている方やその周りの方々に少しでも共感や安心感を届けられたなら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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サーシー
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