自分は結婚して子供を持つのが普通だと思っていたと気付いたけど、それは普通ではないと知らされた(日記 3月8日)
昨日寝た時間 :24時15分
今日起きた時間: 6時25分
朝起きるとだるい。昨日寝る前に花粉症の薬を飲んだからかもしれない。
なかなか布団から出られず、6時半までぐだぐだする。布団は自分の体温で温めたものだから、まるで自分に包まれているようで、膨張する自分は暖かい。
コロナ禍になって良かったと思うことの1つに、「マスクをすること」というのがある。マスクをすると、髭を若干剃っていなくてもばれないので、結果僕は通勤する日は前の晩に髭を剃ることになった。それによって、朝髭を剃らなくて済むため、5分位は時間を短縮できている。
朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて、髪を整えて、身支度整えて、サプリメントを飲んで出勤する。
今日は国際女性デーということで、ニュースサイトとかで男女共同参画の記事が沢山ある。ネガティブな意見を言うつもりはないが、ヤフーの「女性の賃金はなぜ低い?」という特集記事で、女性の賃金の水準が低い現状を打破するための施策の一つに働き方で「ジョブ型」を推進しているが、この記事を書いた人は本当にそれが現実的に可能だと思っているのだろうか。今の日本で、社会全体が「ジョブ型」に舵を切れるとは思えない。それは、働く人たち全員が大企業で働いているわけではないし、欧米型のジョブ型を構築するためには採用制度とか、大学教育から変えていかなければならないからだ。しかも、同一労働同一賃金だって、日本型として苦肉の策で作られたものである法律の背景を理解していないと思う(記事では同一価値労働、と書いているが、書いている人は同一労働同一賃金と同一価値労働同一賃金の違いを分かっているのだろうか。また、同一労働を比較する際の職務分析の難しさを理解できているのだろうか)。朝から、少しもやもやとする。
先日から読んでいる「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか」を読み進めている。この本はとても良い本だと思う。肌感覚で思っていたことがデータである程度分析されて提示されているからだ。
世界的に、日本だけが少子化が進んでいるわけではない。東アジアの少子化と高齢化が日本の軌跡を追う様な状況だし、イタリアやドイツだって少子化は進んでいる。しかし、EUは労働移動が柔軟にできるし、アメリカはいつでも移民が流入する国だし、問題はそういう移民政策の取りにくい日本なのだ。日本には日本の固有の少子化の原因があるのに、それを理解しないままに少子化対策を打たなかったのが問題だと著者は言っている。
日本は欧米的な先進例をもとに少子化対策を推進してきていて、それは一見マジョリティに見える人を中心にした対策(都市部ホワイト層)だったが、そんな人は日本ではマイノリティなので、対策としては有用ではなかった、というのが著者のいう日本の少子化の失敗の背景の一つだ。
日本人は世間体を重視し、リスク回避する性質にあり、農耕が中心ではない現代においては子供は投資ではなく消費(これは日本に限った話ではない)であることから、世間からの目をかわせるほどの水準の教育を行うにはお金がかかり、そのお金を考えると自分の将来も覚束ない状況では「子供など持てない」という判断となり、経済的に負荷の高い子供を持つという判断を回避する、というのが著者の考えだと理解した。これは生活保護を受給しないスティグマとも一致する考え方だとも思う。
嘗て、日本人は1億総中流社会となって、世間体は中流を基本水準としたが、近年ではバブル崩壊以降、日本を支えてきた終身雇用や年功序列と言った安定した雇用の形が崩れ、中流が当然と言われても事実上は下流となってきているのに、何とか中流を装うとしている、ということが問題で、そのことが自己責任とか「生活保護受給するな」と言った他人に厳しい社会を構築しているというのは井出英策も言っていた。
この本には日本人と欧米人の違いについても幾つか書かれていて、欧米人はリスクテイクするし、そのことが賞賛されるし、また、好きな人ができれば一緒に住んで、子供を作るというのが当然(性的嗜好が同性でも同様)、というベースがあるのに対して、日本人はまずはリスクと世間体から考える、ということだった。
正直、僕はいつか結婚するだろうし、いつか子供を持つだろうと小さいころからずっと思ってきて、現実そうなった。子供を3人持つとは正直思っていなかったけど、3人目を考えたときに金銭的なこととか、自分の老後のたくわえなど気にしなかった。馬鹿なのかもしれないけど、まあなんとかなるかな、と思った。でもこの本を読んで、この僕の楽観的というよりも何も考えていないことの方が稀なのだと思った。でも結果として、妻と3人の子供とそれなりに悩んでいるけれども、総じていえば今のところ楽しく生きているので、結果的にとてもよかったのだろうと思う。
僕が子供に対してできることの一つに、「あまり世間体を気にしないこと」と伝える、ということが増えた。世間体のための自分の人生ではないからだ。
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