21.コバノミツバツツジ最北の飛騨高山
コバノミツバツツジの最北の群生地は、岐阜県の高山です。高山の市の花はコバノミツバツツジです。最初に咲くツツジなので、高山ではイチバンツツジと呼ばれています。高山の市街地の東側にある標高687.6mの城山の25haの城山公園と、JR高山線の一駅南の飛騨一ノ宮駅の近くにある、飛驒一宮水無神社の御旅所とが、見ごたえのあるコバノミツバツツジの群生地です。
飛騨高山は、日本の伝統的な大工の技術が頂点に達したときの木造建築物による歴史的な街並みが残っている著名な観光地で、見どころがたくさんあります。この旧市街地からは、北側の照蓮寺、二之丸を経て、本丸に登る道が一般的です。
著者は、南側の日枝神社の駐車場に置いてお参りをしてから、金竜ヶ丘を経て本丸に登る、ややアップダウンがある道が好きです。本丸は、石積みが残っていますが、大木に覆われた森です。南側の金竜ヶ丘の周りは、コバノミツバツツジが群生しています。幼児も遊んでいます。
こぶし平のコバノミツバツツジは、丁寧に刈り込まれていました。コバノミツバツツジの刈込は、あまりそぐわないですが。
市街地の眺望を確保する刈込ならば許せますが、・・・。
水無神社の御旅所は、高山線飛騨一ノ宮駅から歩いて5分の場所です。この駅のすぐ西側に、樹齢1100年とされるエドヒガンの臥龍桜があります。樹高20m、胸高直径7.6mで、1937(昭和12)年に県指定天然記念物、1973(昭和48)年に国指定天然記念物になっています。初めてここを訪れた2022年4月16日は、御旅所のコバノミツバツツジは咲き始めでしたが、臥龍桜は満開でした。
桜の周りは出店があって人が集まり、賑わっていました。1959(昭和34)年の伊勢湾台風と、1991(平成3)年の台風19号で、太い枝が折れる被害を2度受けましたが、手厚く養生して立派な姿に回復しています。桜の周りは、多くの人が見物できる広場になって、コバノミツバツツジも植えられています。
著者はコバノミツバツツジがお目当てだったので、2022年4月28日に御旅所にリベンジです。御旅所は高山線に沿って駅側から、距離150m、高さ15mほど、なだらかに登る丘です。太いアカマツの下に、コバノミツバツツジが咲いていました。
高山線の列車が通るので、撮り鉄にはうってつけの場所だといえます。
また、田んぼに水を張ると、倒景が写り込みます。
ちなみに高山市は、全国で最も広い2178 km²ある自治体で、東西81km、南北55kmです。北アルプスの麓の奥飛騨温泉郷も高山市です。4月中旬の臥龍桜とともに、4月下旬はコバノミツバツツジをおススメします。