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13.テクニカル分析の基礎

CANSLIM戦略では、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせることで、成長株を効率よく見つけることができます。本記事では、テクニカル分析の基礎を解説し、特にローソク足、移動平均線、出来高の見方に焦点を当てます。これらの要素は、株価の動きを把握し、トレードのタイミングをつかむ上で欠かせないツールです。

1. テクニカル分析の基礎とは

テクニカル分析は、過去の株価や取引データをもとに、将来の価格動向を予測する手法です。その目的は以下の通りです。

  • トレンドの把握:価格の上昇・下降・横ばいを見極める。

  • エントリーとエグジットの判断

  • 市場心理の分析:投資家の行動をデータから推測する。

CANSLIMでは、「出来高と価格の動き」を特に重視しており、大口投資家(機関投資家)の行動が価格変動を牽引するという前提で分析を行います。

2. ローソク足の見方

ローソク足は、特定期間内の「始値」「高値」「安値」「終値」を示すチャートです。以下のように読み取ります。

基本構造

  • 実体:始値と終値の差を示す部分。

    • 陽線(実体が白や緑):終値が始値より高い(価格上昇)。

    • 陰線(実体が黒や赤):終値が始値より低い(価格下落)。

  • ヒゲ:高値・安値の範囲。

    • 上ヒゲ:実体の上に伸びる線(高値)。

    • 下ヒゲ:実体の下に伸びる線(安値)。

3. 移動平均線の見方

移動平均線(Moving Average, MA)は、一定期間の平均価格を表す線で、トレンドの方向性を示します。

種類と特徴

  • 単純移動平均線(SMA):期間内の終値の平均。

  • 指数移動平均線(EMA):最近の価格に重点を置く。

トレンドのシグナル

  • ゴールデンクロス:短期MAが長期MAを上抜ける(上昇トレンド)。

  • デッドクロス:短期MAが長期MAを下抜ける(下降トレンド)。

移動平均線はトレンドの強さを測る指標として、ローソク足や出来高と組み合わせて使うと効果的です。

4. 出来高の見方

出来高(取引量)は、価格変動の裏付けとして非常に重要です。特に出来高の急増は、機関投資家の取引が絡んでいる可能性があり、市場の方向性を大きく左右するシグナルとなります。

出来高と価格の関係

  • 価格上昇 + 出来高増加:機関投資家の買いが入り、価格上昇の持続可能性が高い。

  • 価格下落 + 出来高増加:売り圧力が強く、価格下落が続く可能性。

  • 価格上昇 + 出来高減少:上昇が一時的である可能性。

  • 価格下落 + 出来高減少:売りの勢いが弱まり、反転上昇の兆候。

出来高急増の意味

出来高の急増は、多くの場合、以下のような機関投資家の行動を示唆します。

  • 新規ポジションの取得:成長性が高い銘柄への大規模な買いが入る。

  • 既存ポジションの売却:機関投資家が利益確定やポジション整理を行う。

出来高急増の場面では、ローソク足や移動平均線を確認し、価格の動きがその出来高を裏付けているかを判断することが重要です。

まとめ

ローソク足、移動平均線、出来高を正しく理解することで、株価のトレンドや投資家心理を把握しやすくなります。特に出来高の急増は、機関投資家の関与を示す重要なシグナルであり、これを活用して成長株へのエントリータイミングを的確に捉えましょう。テクニカル分析をCANSLIM戦略に組み込み、効果的な投資を実現してください!

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このマガジンは、成長株投資の基礎から応用までを網羅的に解説し、投資家としてのスキルを高めることを目的としています。市場トレンドの読み方や収益成長の分析、機関投資家の動きの見極め方など、実践で役立つ情報を満載。難しい理論も具体例を交えて分かりやすく説明しているため、初心者から中級者まで幅広く活用できます。投資の判断力を磨きたい方に最適な内容です!

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