韓国時代劇の魅力とおすすめ作品 ~男子大学生が考える、K-POPとは違った韓国文化の楽しみ方~
はじめに
私の趣味の一つは、韓国時代劇、すなわち「史劇(사극)」(朝鮮半島の歴史をモチーフにした韓国ドラマ)を無心で観ること。中学・高校時代、帰宅後にはあらかじめ録画しておいた韓国時代劇を観るのが日課で、受験期には唯一の支えでもありました笑。韓国時代劇を通して道徳や倫理観を学んだと言っても過言ではありません(過言)。
「韓国ドラマ」なんていつも展開が同じであまり面白くないもの、と思っていませんか?(実際そういう部分も否めないのですが(笑))時代劇を通じて韓国文化に触れるようになった私のように、K-POPではなく「史劇사극」を通して韓国文化を楽しむ方法を紹介し、まだ知られていない(かもしれない)韓国時代劇の魅力的な作品をおすすめします。(大幅なネタバレはないではずなのでご安心を!)
「史劇(사극)」のおおまかな歴史背景
初心者にもわかりやすく、韓国の主要な歴史的な時代を簡単に説明します。
三国時代(紀元前1世紀~668年)
まず、三国時代は韓国の古代史において重要な時代です。この時代には、**高句麗(コグリョ)、新羅(シルラ)、百済(ペクチェ)**という3つの大きな王国が存在していました。これらの国々は、現在の朝鮮半島や中国東北部に領土を持ち、それぞれ独自の文化や政治を発展させました。高句麗は軍事力で知られ、新羅は仏教文化が栄えました。668年に新羅が他の2国を打ち破り、朝鮮半島を統一したことで三国時代は終わります。この新羅の統一によって、半島はより安定した国家へと移行していきます。
高麗王朝(918年~1392年)
高麗王朝は、918年に武力で成立した朝鮮半島の新しい王朝です。新羅が衰退した後、複数の小国が現れましたが、その中で高麗が統一を果たしました。この時代は、仏教文化が非常に栄え、国全体で仏教が信仰され、寺院や仏像が数多く作られました。また、高麗は中国との文化交流が活発で、仏教経典や学問が輸入され、文化的な発展が進みました。高麗の名前は、現在の「Korea(コリア)」の語源にもなっています。
朝鮮王朝(1392年~1897年)
朝鮮王朝は、1392年に高麗が滅びて成立した新しい王朝です。この王朝は500年以上続き、朝鮮半島の歴史において最も長い期間統治した王朝です。朝鮮王朝は、儒教を国家の基本原則として採用し、儒教的な価値観が政治や社会のあらゆる側面に影響を与えました。例えば、家族や社会の秩序を大切にする儒教的な価値観が法律や教育にも反映されました。また、この時代には印刷技術や科学技術の進展もあり、ハングルの創製(1443年)という大きな文化的功績も成し遂げられました。
以上が、韓国の歴史における三大重要な時代です。それぞれの時代は異なる文化的特徴や政治制度を持ち、現在の韓国の基盤となっています。
(ChatGPTによる生成であることに留意してください)
おすすめ史劇選
ここからは時代順におすすめの史劇を紹介します。
(「史劇」はあくまでも「史劇」であることに留意してください。「史劇」は歴史をモチーフに着想を得たものであり、「歴史そのもの」である、とは考えていません。「史劇」というエンターテインメントの一つとして楽しんでいます!)
1. 善徳女王(新羅時代)
善徳女王は、韓国の三国時代、新羅(シルラ)という国で初めて即位した女性王、善徳女王を描いた壮大な歴史ドラマです。彼女は当時、男性優位の社会にあって国を守り抜くために数々の改革を行い、強大な外敵と対峙しました。特に、善徳女王の賢明な統治とリーダーシップが強調され、彼女の人物像が細かく描かれています。三国時代の戦争や政治、内部抗争を背景にしつつ、王としての苦悩や人間としての葛藤が視聴者を感動させます。また、視覚的にも新羅時代の文化や衣装、建築が美しく再現され、歴史的な雰囲気が堪能できる点も魅力です。この作品は、韓国時代劇ファンだけでなく、歴史やリーダーシップに興味のある視聴者にとっても必見です。
物語序盤、侍女が主人公を連れてタクラマカン砂漠まで逃亡するという、なんともドラマチックな?展開。(VIVA〇Tかな⁇)よくありがちな「物語最初、女性が男性に扮装する」タイプ。星に運命に左右される神秘的な雰囲気も感じながら、お隣の大国である唐に翻弄されるストーリーにも着目。
2. 火の女神ジョンイ(朝鮮初期)
火の女神ジョンイは、朝鮮王朝初期を舞台に、陶芸に卓越した才能を持つ女性、ジョンイの人生を描いています。ジョンイは、男性優位の社会で自らの技術と努力で地位を築き、陶芸の世界で大きな成功を収めました。彼女の物語は、逆境にも屈せず夢を追い求める姿勢や、陶芸の世界における技術革新の重要性を強調しています。朝鮮王朝時代の陶芸技術や職人文化(後に日本にも伝播し有田焼や伊万里焼に派生)が詳しく描かれているため、伝統工芸や韓国文化に関心のある視聴者には非常に魅力的です。特に、歴史と芸術を融合させたこの作品は、陶芸の美しさと職人たちの情熱を視覚的にも感じ取れる貴重な作品です。
3. チャン・ヨンシル~朝鮮伝説の科学者~(朝鮮中期)
チャン・ヨンシルは、朝鮮王朝中期に活躍した実在の科学者チャン・ヨンシルの人生を描いた歴史ドラマです。彼は、様々な発明や技術革新を通じて朝鮮時代の科学技術を大きく進展させました。特に、天文観測機器や水時計などの発明で知られており、彼の功績は今日でも評価されています。この作品では、チャン・ヨンシルの苦悩や挫折、そして科学者としての使命感と情熱が丁寧に描かれており、彼の人生がリアルに再現されています。また、朝鮮王朝時代の科学技術の発展や王室との関係が描かれるため、科学史や技術に興味のある視聴者には特に興味深い内容です。朝鮮時代の技術革新の背景を知ることができる作品としても評価されています。
身分の低い奴婢から王室(ワンシル)の科学者に駆け上る姿や、科学技術の発展の追求と朝鮮王朝の根幹を成す儒教思想との葛藤にも着目!
4. 華政(朝鮮後期)
華政は、朝鮮王朝後期の政治的な陰謀や政権争い、そして家族愛をテーマにした壮大な歴史ドラマです。特に、朝鮮の王族たちが繰り広げる権力闘争が物語の中心となっており、政治と家族の間で揺れる人間模様が描かれています。華政の主人公である王女は、複雑な政治的状況の中で自らの信念を貫きながらも、王室内の葛藤や陰謀に巻き込まれていきます。この作品は、朝鮮時代の政治的な背景や王室の内部抗争を詳細に描写し、歴史的な出来事をリアルに再現しています。視覚的にも美しい衣装や建築が再現され、当時の雰囲気を味わいながら視聴することができます。
実はこれ、序盤は日本が舞台として登場!対馬、箱根、さらには江戸まで⁉(※1)朝鮮王朝から派遣された朝鮮通信使から末端の倭寇(※2)に至るまで、朝鮮・日本をまたいだ様々な社会的階層に焦点を当てたストーリーはボリューム満点!また、史劇あるあるのヘンテコな日本モチーフやカタコトに日本語にも注目!(韓国から見て、日本ってこんな感じなのかなあ笑
余談として、朝鮮最大の暴君として知られた光海君役を演じるチャ・スンオン、日本の俳優の阿部寛さんに似てますよね⁉(引用画像左から3番目)
※1物語当時は江戸時代初期
※2ここでは後期倭寇、特に銀山開発のための人的資源を確保しようとしていた日本人を指します。
5. ファン・ジニ(朝鮮後期)
ファン・ジニは、朝鮮王朝後期に実在した伝説の妓生、ファン・ジニを描いた作品です。彼女は詩や舞踊を通じて自らの感情を表現し、当時の男性中心の社会においても強い存在感を放ちました。美貌と才能を兼ね備えたファン・ジニは、朝鮮時代の芸術界で異彩を放ち、多くの人々から愛されました。彼女の物語は、芸術の力や恋愛、社会における女性の地位など、様々なテーマを含んでおり、特に女性の自立や自己表現に興味がある視聴者に共感を与えます。また、作品内で描かれる朝鮮時代の詩や舞踊、衣装は非常に美しく、歴史と芸術を融合させたこの作品は視覚的にも楽しめる要素が満載です。
余談ですが、こちらは以前訪れたファンジニの舞台の一つ、世界文化遺産・安東河回村での一枚。悠々と流れる川が村をぐるりと囲む、日本ではあまり見られない韓国らしい風景。
6. オクニョ~運命の女~(朝鮮後期)
オクニョは、朝鮮王朝後期を舞台に、囚人として生まれたオクニョが運命に立ち向かいながら成長し、強い女性へと変貌していく物語です。彼女は幼少期から厳しい環境に育ち、自らの力で社会の不平等や権力と戦い続けます。特に、オクニョの自己成長や正義感が強調されており、視聴者は彼女の挑戦を応援しながら感情移入することができます。このドラマは、朝鮮時代の社会問題や不正、そして女性の力強さを描き出し、視覚的にも当時の社会背景を詳しく描写しています。社会的な不正や正義に対する関心が高い視聴者には、特に心に響く作品です。主人公のオクニョ、もともとの地頭の良さと途方もない努力の末、朝鮮と清(当時の中国勢力)の両言語を理解できるバイリンガルに。憧れます笑
おわりに
いかがでしたか?K-popだけにとどまらない、
韓国文化の入り口に「史劇」にチャレンジしてみては!
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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