私のこと。
アラフォー前半の現役風俗嬢。
回顧録としてここに記載します。
東京の下町生まれ。
父方の親戚は全員東大か京大、母親の親戚も慶応や筑波大卒でエリート家庭に育つ。
裕福ゆえ、祖父は芸者を水揚げし、寝言で妾の名前を言い放ち、それが引き金となり祖母の躁鬱病が発症。
叔父は銀座のホステスを水揚げし、自宅の敷地内に妾とその娘を住まわし、幼少期は妾の娘とよく遊んでいた。
母親は祖父との関係性が悪く学生時代から拒食症。
私が物心ついた頃から、父と些細な喧嘩をする度にリストカットを繰り返す。
リストカットという言葉すら無かった時代、その行為が脳裏に焼き付いてしまい、自分自信も小学生低学年の頃からリストカットを始める。
それに加え、自宅の近所で知らない50代位の男性に車に連れ込まれ体を弄られる。
記憶は定かではないが小学五年生の時。
それが処女喪失。
小柄で生理も来ていなかった。それが原因なのか不妊症やあらゆる精神疾患になり健忘が酷い。
自分は汚い、死んだ方が良いと言う思いと、母親の影響でヴィジュアル系バンドに傾倒する。
親から離れたい一心で中学ニ年生からキャバクラでバイトをすると共に、今で言うロリコンバンドマンに手を出され、援助交際をしてバンド費用を助けろと言われ言いなりになる。
有名な女子校だった事も理由の一つではあるが、当時の値段は食事2時間で10万だった。
体に触れられることだけはどうしても嫌だった。
17歳でバンドマンの家に居候して親とは断絶。
バンドマン宅から高校、大学に通いながらキャバクラ、風俗をやる。
人の心が無かった。
自分はお金になるロボットで同じお店の子は全員敵、生まれてから20年間、友達も踏み台にしか思っていなかった。
ある時、大切な人が出来た。
彼女との出会いは池袋の精神科の待合室。
ゴスロリのワンピースにリボンのカチューシャ、サラサラの髪の毛に猫のような瞳に、砂糖のように甘ったるい話し方が印象的な女の子。
彼女の名前は桜と言う。
彼女は私に色々なことを与えてくれた。人間の心、思いやり、何よりも友達という存在を。
世界では一番大切だった。いや、今でも大切だ。彼女は24歳で天国に逝ってしまった。
2019/05/17
ささら雪