フリーランスに大事なことは、徹底的な「社畜になる」というコミットメント。起業家マインドなんて捨てろ。
新年度になり、新しい環境に飛び込み日々力戦奮闘されている方が多いと思います。最近後輩から「腹を括って独立することにしました!」「やっと転職先が決まりました!」などワクワクするような報告を受けて嬉しい気持ちです。
そんな私も会社員を辞め独立してから5年目になりました。そして最近フリーランスになりたての後輩や友人からこぞって同じことを聞かれます。
最近この質問に対して自分の中で悶々としているタイミングで、先日ゆぴさんの記事を目にしました。
とにかく遊んでないでスキルを付けて人脈作って発信していこうぜ!というお話でごもっともすぎました。とにかく量質転化で最初からホームラン狙わずまずは打席立ってバット振ろうぜ!ですね。間違いない。
フリーランスとして大事な前提を代弁して頂いたので、今回私は5年間個人で仕事している中で「これからフリーランスとしてお仕事するぞ!」「直近で独立するぞ!」って方に向けて私なりにフリーランスとしてお仕事する上で大事にしている3つの要素をお話します。
❶ 露骨に社員と区分するな
いやー、これかなり重要で、フリーランスになった途端に「フリーランスの私と会社員のあなた」みたいなモノの見方をする人がいますが、とにかくこの思考はやめましょう。
当たり前ですが、独立したから偉いとか立場が上とかありません。ただ思いの外そう考えている人が一部いるのも事実です。
フリーランスの多くの方は、案件サイトでお仕事の依頼を受けるか、業務委託として企業のサポートに入るかだと思います。そして今回は特に後者の「業務委託として企業のサポートに入る働き方」を前提としてお話します。
もちろん正社員(正規雇用)と業務委託という雇用形態の違いにおいて、責任の重さや業務配分など異なることは当然あります。ただ、共通する部分として「同じ熱量で事業を伸ばすぞ!」というコミットメントは必要です。
これがダメなフリーランスの場合、「私の業務範囲はここまでなので…」とか「言われたらやるので指示ください」「これは社員の仕事ですよね…」などの姿勢の方が多い印象です。
そりゃ契約に準することは大前提ですが、「もっとやる気示せよぉぉぉ!!」と企業側に思われたら当然に契約終了します。自分の価値は自分で見出しましょう。
❷ 痒いところに手が届くホスピタリティ精神を持つ
フリーランスとしてお仕事を継続的に頂く上で大事なことは、「この企業はなぜ業務委託を募集しているのか?という疑問を抱くこと」です。
私がこの思考を持ち始めたのは独立して2年目くらいでした。元々は「正社員の採用コストは高いから業務委託を求めているのかな?」と思っていましたが、企業によっては「コスト重視」「スキル重視」「スポット重視」など求めていることが結構異なります。
企業側の様々な業務依頼背景がある中で、フリーランスはそれを自らキャッチアップする必要があります。
業務委託として企業に入る際、大事なことは「サポーターである認識を持つこと」です。もちろん企業やプロジェクトに応じて先頭切って走って欲しい場合はありますが、私が今まで見てきた案件は概ね社員のサポーターであることを求められてきました。
私も先ほど「自分の価値は自分で見出しましょう」と記載しましたが、特にフリーランスの方はかゆいところに手が届く存在か?が結構案件継続に繋がってきます。
例えば、スタートアップ企業にフリーランスとしてジョインした場合、恐らくやるべき業務が山ほどあるのは容易に想像が付きます。その中でも全体を俯瞰して仕事をしやすい環境整備も同じく重要だと思います。
これは人によって得意不得意あると思いますが、私の場合まずジョインしてやるべきことは業務のキャッチアップと同時に「フォルダの整理」です。ジョインして最初は何が何だか分からないのは新卒時と同様。だからこそ、自分が出来ることを探すのは当たり前でその中でも「フォルダ整理」はやるべきだと誰しも思っているが緊急度が低く中々やれていないケースが多いからです。
なので、痒いところに手が届く業務(=緊急度・重要度は低いが着手したら効率改善が見込めること)をフリーランスの方は「サポーター」という立場を全うすることによって、正社員の方とは別のポジションで付加価値を見出せると考えます。
❸ 変な起業家マインドを捨てろ
そして3つ目はフリーランスになりたての方に多い起業家マインドを捨てた方が良いということです。
先日こんなツイートを見かけました。
言い方は結構強めな印象ですが、かなり本質を突いていると思います。
フリーランスによくある勘違いですが、それは「将来起業する前に力を試す為にまずはフリーランスになりました」パターンです。
もちろん将来起業する為の事業資金を作る為にフリーランスになることは大賛成ですが、ここで伝えたいことは「起業家とフリーランスは全くの別物」ということです。
起業家とはゼロから事業を成すことですが、フリーランスは既にある事業に乗っかり事業を加速させる為のモーターになることです。
そこをフリーランスでありながら変な起業家マインドを持つあまり、「私だったらもっとこうするのにこの企業はダメだ!」とか「他社と差別化する為に世に出てないことをすべきだ!」みたいなことを発言する人を見るとナンセンスだな…と思います。
もちろんその領域のプロフェッショナルとして意見を伝えることは大事ですが、事業をゼロから成したこともないのにビジネス書に感化されてそれっぽいことを言ったり、変なリーダーシップ論で既存の組織を掻き回す発言をするのは言語道断です。
フリーランスはアサインされたプロジェクトや企業に対して、任された業務を虎視眈々と愚直に遂行すれば良いのです。間違ってもフリーランスは舵を切る役割はないし、もし我を出したいのであればフリーランスなんてとっととやめて起業家として事業作りに励むべきです。
さいごに
最近感じていることをつらつらと書きました。私もフリーランスになりたての頃は右も左も分からずとにかく悩みもがき苦しみました。ただ必死に前進あるのみだと思い全力疾走して今があります。
一方で、フリーランスとして「自由」を履き違えたり、変なこだわりや自我が強すぎて会社員に戻っていく知人を何人も見てきました。本人が望んだ結果なら良いですが、そうではないならこれからフリーランスになる方やまさに今必死に喰らいついているフリーランスの方の為になったらと思い今回思いの丈を綴りました…。
最後に、時代の流れに伴いフリーランス育成スクールも増えていると耳にします。中には「ググり方」から教えたり「受講料数十万円」を一括で取るところもあるそうです。何が正解かは分かりませんが、分からず迷ったらその先で結果を出している方に相談しましょう。時間とお金は有限なので、投資先を間違えると後々後悔するよっという注意喚起を添えて終わりにします。
最近本に載りました(P144)📚
キャリア相談も受け付けてます。
もし「マーケティング職」でキャリアチェンジやキャリアアップを望んでいる方はこちらよりご連絡下さい。
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笹本康貴(ささもとこうき)
1992年生まれ 千葉県出身
2016年 法政大学 卒業、新卒としてサイバーエージェントグループ会社に入社。新規営業として大手飲料・食品メーカーにウェブ広告媒体の販売並びに、小売店に対する店舗集客ソリューションの提供に従事。
2019年 マーケティング戦略策定を主軸に独立。
2021年 re株式会社を設立し、現在に至る。
◆Twitter
https://twitter.com/sasamoman