大石笹身

職業SE。ニンジャヘッズになりましたが、カリュドーンの途中までしか読めてません。Thi…

大石笹身

職業SE。ニンジャヘッズになりましたが、カリュドーンの途中までしか読めてません。Thisコミュニケーションのオスカー過激派。大きくなったら物書きになりたいです。最近はSFラブコメ「アンチアルゴス・サテライトオフィス」を書いています。

マガジン

  • アンチアルゴス・アンダーグラウンド

    逆噴射小説大賞応募用 終わったらちゃんと続きを書く

  • 変革の解

    大戦が終わってから七年。異常事態対策部隊特殊派遣員のエフォラは、最高神官であるティアに連れられ、仮死凍眠状態の謎の少女の解凍に立ち会っていた。記憶喪失の少女と、その命を狙う女、そして少女の引渡を要求する男達。終わったはずの戦争の小さな残り火に翻弄される青年達の物語。

  • アンチアルゴス・サテライトオフィス

    近未来、突如日本で確認された未知の生物「アルゴス」その数は徐々に数を増やしアジア全域に広がっていた。 多国籍軍は、その対応のための治安部隊を編成。民間の傭兵部隊と連携し、駆除に乗り出した。 これは、民間の傭兵事務所「アンチアルゴス」のサテライトオフィスで繰り広げられる、半分サイバネティクスな女と、人類にあまり興味のない男のドタバタ恋愛?コメディである。 世界の安寧など知らん! フラグをへし折れ! 仕事しろ!!!! ※R18はありませんが、暴力的・性的表現を含みます(R18は別マガジンにまとめています) ※基本はコメディですが、コメディでない回は冒頭でコメディではない旨記載します

  • R18アンチアルゴス・サテライトオフィス

    アンチアルゴス・サテライトオフィスのR18なお話。 性的表現を多分に含みます。18歳未満はご遠慮ください。 冒頭に本編のどの辺りの時系列か記載しているので、本編をそこまで読んでからお楽しみください。

  • 9割の人(短編集)

    短編を集めました。

最近の記事

  • 固定された記事

不気味の谷

一 その女性が新道ロボット店を訪れたのは、九月の第一水曜日午前十時だった。月曜日と火曜日を定休日としているため、週の頭の開店前の作業を終えて店を開けた直後だった。三年前に亡き父の跡を継ぎ店長に なった新道孝太郎は、受付の呼び出し音を聞いて店の奥で手を止めた。聞き慣れた電子音のグリーンスリーブスに作業の手を止められるのは嫌だが、受付もアルバイトも雇っていない個人商店なので仕方がない。 「はい」 とりあえず返事をして、三ヶ月に一度やってくるクレーマーの男性でない事を祈りながら

    • アンチアルゴス・アンダーグラウンド

      先遣隊として地下施設に乗り込んだオレは窮地に立たされていた。 敵は四人、全員サブマシンガンを構えている。 一方、物陰に隠れているオレと森野の武器は拳銃だ。 「おい、お前ら!少しは手伝え!」 別の物陰に隠れているデカいコーカソイド男を睨む。 「殺していいなら頭を打ち抜くが?」 男はそう言って、真顔でアンチアルゴス社の社給ジャケットから拳銃を取り出した。 「いいワケないだろ!」 「なら人間はお前らの管轄だ。俺達の仕事じゃない」 (腐れ傭兵どもが!) 人間を襲う未知の生物が日本で最

      • 変革の解 三部 おまけ

        カウマン通りのマキ'sバーは、いつものように客で賑わっていた。男女の楽しげな声に満たされた店のドアが開いて、黒い制服姿の青年が入ってきた。異常事態対策部隊特殊派遣員の制服だ。茶色がかった黒髪にダークブラウンの瞳、物々しい制服とは対照的に、その顔には幼さが残る。同年代平均値より低いと認めざるを得ない身長と童顔は本人も気にしているところではあった。 青年に気づくと、店長と店の看板娘であるマキがカウンターごしに声をかけてきた。 「いらっしゃい!」 「あら、いつ帰ってきたの?」 青年

        • 変革の解 過去設定とあとがき的な何か

          変革の解に登場するエフォラとウィルルについては、私の人生においてかなり付き合いの長いキャラクターです。 中学生の頃にファンタジー小説を書き始めたその時に生まれたのがエフォラとその旅の連れでした。 当時書いていたのは、所謂「剣と魔法」のファンタジーで、エフォラは旅の魔導士でした。 細かい設定は忘れましたが、森の中で繭のような物を見つけ、そこから出てきたのが銀髪スカイブルーの瞳の少年ウィードでした。これが、ウィルルの原型です。ウィードという名前は、ウィルルの兄という形で残りました

        • 固定された記事

        不気味の谷

        マガジン

        • アンチアルゴス・アンダーグラウンド
          1本
        • 変革の解
          5本
        • アンチアルゴス・サテライトオフィス
          53本
        • R18アンチアルゴス・サテライトオフィス
          2本
        • 9割の人(短編集)
          4本

        記事

          53 最近は落ち着いた?

          夕立が上がり、日が傾き始めるとあちこちでネオン看板が点灯し始めた。ケバケバしい光は濡れた道路に滲んで溶けていく。窓から上を見上げても、建ち並ぶビルで空は僅かしか見えない。 ここは、アンチアルゴスD地区サテライトオフィス。 「報告書できましたー」 間延びした声でトミタロウがフォルクハルトに伝えると、彼は落ち着いた様子で「ありがとう。確認しておく」と応えた。 「なんか、落ち着きましたね」 トミタロウはフォルクハルトを眺めて、どこかつまらなそうに呟いた。 「ん?」 フォルクハルトは

          53 最近は落ち着いた?

          52 スポーツジムで会う男

          いつものスポーツジムで、ロッカーに荷物を放り込んだあと、最近見なくなった常連が受付に来ているのが見えた。体格のいいコーカソイドなので目立つ男だ。右眉の辺りに古い傷があり、訳ありだろうかとも思っていたが、特に問題を起こすような事もなく、いつも一人で黙々とトレーニングをしていた。それが、ある時からパタリと来なくなっていたのだ。特に話した事があるわけではなかったが、同じ時間帯にいる事が多く、ストイックにトレーニングをしている姿になんとなく親近感を覚えていた。 今日は友人と一緒らしい

          52 スポーツジムで会う男

          大石笹身 Oishi Sasami

          主にファンタジーやSF小説を書いている。 真面目なSF→「不気味の谷」 完結済み 不気味の谷 SFラブコメ→アンチアルゴス・サテライトオフィス 短編を気分が向いた時に更新中 マガジンになっています。 癖を詰め込んで、自分が楽しむ用に書いている物。 R18は「R18アンチアルゴス・サテライトオフィス」マガジンに分けています。 ファンタジー→変革の解 所謂ライトノベル的なファンタジー長編 第一部(完結) 第二部(完結) 第三部(完結) マガジンになっています。 スキ

          大石笹身 Oishi Sasami

          R18-2 禁止事項

          暗い部屋の中、ベッドの軋む音と二人の息遣いが夜を満たす。 フォルクハルトのゆっくりとした腰の動が、ハルキを優しい快感へ誘う。 「や…Ja」 少し恥ずかしそうにハルキはフォルクハルトを求める。 一瞬フォルクハルトの動きが止まった。が、すぐにまた動き始める。波の様に寄せては返す熱く固くなったフォルクハルトのそれは、次第に速度を上げ、激しく前後しハルキを掻き乱す。 「あ…あ…んっ…あ…」 いつもよりずっと力強く、突き上げられるような感覚に、ハルキはフォルクハルトにしがみついた。 こ

          R18-2 禁止事項

          R18-1 待てない

          夜。サイバネアームを外したハルキが、フォルクハルトのベッドにもぞもぞと入ってきた。 掛け布団を持ち上げて迎え入れると目が合った。ハルキの潤んだ瞳にドキリとして、慌てて 顔を壁に向ける。腕を外しているという事は、ハルキは単にこのまま寝るだけのつもりだ。 壁を向いてしまったのが気に入らなかったらしいハルキは、フォルクハルトの耳を引っ張った。 「痛っ」 強く引っ張られた痛みに声を上げ、ハルキを睨む。同時に腹の下辺りに別の欲が生まれる。 「お前、耳は…」 ハルキは意識せずにうっかりや

          R18-1 待てない

          51 甘い甘えは甘くない

          ほのかに照らされた店内で、いくつもの静かに談笑する声がふわりと浮かんでは消えていく。カウンター席でマスターと話す常連客、仕事の疲れを癒しに同僚と飲み交わす人、そして噂のスイーツとカクテルに引き寄せられて初めて訪れた浮かれた新規客。皆それぞれの時間を楽しんでいる。 ハルキとフォルクハルトは4人掛けのテーブル席で向かい合って黙々とスイーツを食べていた。ハルキがこのバーの噂を聞きつけて、仕事終わり夕食を取り、その後スイーツを食べに行こうと二人でやって来たのだ。 どれにするか迷ってい

          51 甘い甘えは甘くない

          50 かわいいのは誰?

          フォルクハルトがシャワーを済ませてリビングに戻ると、ハルキがソファに座って料理番組を見ていた。 「珍しいな。食い物に興味のないお前が料理番組なんて」 「まあ、多少は覚えようと思ってな」 ハルキは少しだけフォルクハルトに顔を向けたあと、画面に目を戻す。フォルクハルトは隣に座って一緒に画面を見た。画面には男が二人おり、片方は私服にエプロン、もう片方はシェフらしい格好でコック帽も被っている。エプロン姿の男が玉ねぎを切っているところだった。 「手つきが素人だな」 ゆっくりと丁寧にタマ

          50 かわいいのは誰?

          49 誘われない

          休日の朝、ハルキは今日は何をしようかと考えていた。買い物は昨日済ませているし、取り立てて行ってみたい場所もない。 「そういえば、フォルクハルトの方から何かやろうって誘ってくる事ないよな」 何も思いつかず、何もしない日もいいかなという気持ちもあったが、いつも誘いをかけるのは自分の方だなと気付き、フォルクハルトは何かやりたい事はないのだろうかと思う。 「そんな事ないだろ」 パンとベーコンエッグを飲み込んだフォルクハルトはそう言ったが、ハルキの記憶にはない。忘れているだけだろうか。

          49 誘われない

          48 思い出すあの頃

          ハルキはいつも突然何かに誘ってくる。 「パンケーキを食べに行こう。男一人じゃ入りにくいだろう」 どこか得意げに言ったハルキだったが、フォルクハルトには、何故得意げなのか皆目見当がつかなかった。 「いや別に。食べたかったら一人でも入るが」 フォルクハルトが当たり前のように言うと、ハルキは恐ろしいものを見る顔になる。 「店員がビビるから、やめてあげろ」 「なぜ…?そういえば、あの手の店は一人で入るとたまに怯えた顔で接客してくる店員がいるな」 「あまり男一人で行く客はいないからな…

          48 思い出すあの頃

          47 お耳を掃除しましょうね

          「耳掃除は自分でするの限界あるよな」 シャワーを終えたフォルクハルトは、ソファに座って綿棒を自分の耳に突っ込みながらそう言った。 「ん?やってやろうか?」 リビングの床に座って、録画していた猫の番組を観ていたハルキがフォルクハルトの方を向いた。ハルキは床の方が落ち着くらしく、ソファがあるのに床に座ってる事は多い。 フォルクハルトは耳を手で覆ってブルブルと首を横に振る。 「無理だ。そんなの正常でいられない」 「ただの耳掃除だろ?」 不思議そうな顔をしたハルキに、フォルクハルトは

          47 お耳を掃除しましょうね

          46 クリスマスどうする?

          風呂が沸くのを待っている間、ハルキは予約が始まったクリスマスケーキの広告を眺めていた。 「今年のクリスマスはどうする?」 「どうするって何がだ?」 キョトンとしているフォルクハルトに、ハルキは呆れた顔をした。 「去年は家で過ごしたが、一昨年はちょっといいレストランでご飯食べただろ?」 「ん?ああ、そういば、あれはクリスマス・イブだったか」 フォルクハルトのさして興味もなさそうな様子に、ハルキは嘆息する。 「そんな認識だったのか…まあ、一昨年はそうとは気取られないように誘ったか

          46 クリスマスどうする?

          45 隠し事

          トミタロウはオフィスのドアを開けるのを一瞬躊躇した。中からハルキとフォルクハルトの言い争う声が聞こえてきたからだ。 「あ…だ、ダメだ!放せフォルクハルト!」 「何がダメなんだ?ちょっと見せろ。」 「嫌だって言ってるだろ?!」 まあ、どうせまた些細なことで言い争いでもしているのだろうとドアを開けてオフィスに入る。 「おはようございま………」 トミタロウはオフィス内の二人を目にして言葉を失った。言いかけた挨拶すら、最後まで発する事もできないほどだった。フォルクハルトがハルキに後ろ