本当の愛。①

僕は幼少期から愛に飢えていた。

愛が欲しかった。

愛を感じたかった。

何故自分はこんなに愛されないのか。苦しかった。

家族からの暴力が僕の歪な愛への欲求を形成していく。

自分は愛される事も、必要とされる事もない人生を歩んで行くのだと確信する。

まるで感情の無い人形のように。。

二段ベットに殴り書きの様に刻まれた無数の「死にたい」の文字は小学1年生の僕からの精一杯のメッセージだった。

毎日が苦しく、呼吸が出来ない感覚だった。

次第に歪な欲求は外に向かっていく。

夜中に家を抜け出し、コンビニの駐車場で1人佇む日々。

強くなりたい。

その時初めて思った。

その後も1人殻にこもったまま静寂な夜の街を徘徊する。

当然家族は誰も心配などしない。

僕の家族は家族ではなく、家族ごっこ。

それは今も変わっていない。きっとこの先変わることもないのだろう。

本当の家族とは何なのだろう。

本当の愛とは何なのだろう。

どんな形で、どんな温もりをしているのだろう。

冬の風が無情にも僕の小さな身も心も凍らせていく。

恐怖などはない。ただ、楽になる事だけを信じて自ら凍らせているのだ。

絶望と言う名の影に囚われながら。。


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