詩|法螺貝が鳴った
ヘッドホンつけて入ったお化け屋敷
そしたら怖がる君が可愛くてさ
何も思わない自分が悲しかった
モーリタニア産の砂漠のタコ
トライアングルに引き籠って
音の届かないお化け屋敷で
頭の中スミだらけになって
砂漠の神にでもなったつもりか
仮小屋の壁をつんざく法螺貝が鳴った
「自分がいかにつまらない人間か思い知りました」で始まる物語
平凡だから始められる発狂人生
学芸会の照明係の少年は
今さらロックスターに熱狂なんかした
憩いの個室トイレも弾けて溢れて
一帯全帯水浸しなんかにして
失うものをやっと失った
なんでもない体と八本の足で
言葉を食って生きていく
言葉は食器じゃねえからよ