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詩|吹いてください


もしも
季節を自在に選べたなら
私は一番好きなこの季節を
迎えることはできなかったでしょう

あの日もらった手紙は
最後まで読めなくて
四葉の栞を挟んだまま
大切に仕舞ってあります

怖いのです
ひとつひとつ
気になる苗を
摘んでいったら
いずれはすべて
枯れてしまうのではないかと


吹いてください。
吹いてください。
夏も
秋も
命も
あなたも
風の吹くままに
終わってください。

それでもまだ
私が生きていたら
新しい芽吹きをひとつ
分けてください。



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