#166 トップガンと微分と、インターネットと機械翻訳と
ヘンなタイトルをつけました。この4つの共通点が何か、お分かりでしょうか? 前から書きたかった内容なので、11月初めの今日、記しておきたいと思います。
「考えるな、行動しろ」
トップガンはトム・クルーズの映画『トップガン』シリーズでもお馴染みのように、アメリカ海軍の精鋭部隊の名称だ(空軍ではなく海軍なところが面白い)。以前にトップガンについて書いた記事は、今でもよく読んでいただいているようでビックリだ。そしてもちろん、海軍の部隊なので、軍事や戦争と関係がある。
何のために微分を学ぶ?
次に微分。伝統的に、日本の中等教育(中学・高校)の数学のカリキュラムは、卒業時に「微分・積分」ができるようにという観点から組まれたという。理由が分かるだろうか? これも軍事的な理由である。
数学の授業では先に微分を習い、後から積分を習うことが一般的だ。しかし歴史的には逆だった。積分は面積との関係が深いことから、農耕文化において畑などの面積の計測と関係して発展したのに対し、微分は実は戦争における大砲の弾の弾道計算に専ら用いられた。
我々が日々使っているネット検索の中身は微分計算の塊だ。ChatGPT などの生成系モデルの学習でも、天文学的な回数の微分計算がその中心にある。戦争で相手を効果的に傷つけるために発展してきた微分という技術が、現在の我々の毎日の便利な生活を支えているとは、かなり皮肉である。
国際交流のための機械翻訳ではなかった
インターネットも、実は米軍で軍事目的で開発されたのがはじまりだった。そして米ソ冷戦期、米軍が難儀したのが、ロシア語の文章がなかなか読めないこと。アメリカ人、イギリス人は、伝統的に外国語が苦手だ。自国語が国際語でもあるので、外国語を学ぶ必要性にあまり迫られないというのは、大きな理由だろう。
自然と、ロシア語 → 英語をどうにかコンピュータで翻訳できないか、という話になった。今我々が利用している Google 翻訳や DeepL などの機械翻訳の起源は、「米ソ冷戦期に、米軍がロシア語文書を効率的に解読するため」が始まりだった。これも、軍事や戦争が元だった。
考えてみると、世の中で役に立っている色々な技術は、軍事目的で開発されたものが相当数に上ることが分かる。戦争は決して正当化されてはいけないが、人間には間違いなく闘争本能があり、その本能が人類の生存にも実は役に立っていたのかもしれない。というのも、今日あることに気づいたからだ。最初のトップガンに戻ろうと思う。
アフターバーナー
映画『トップガン』にも登場した、米軍戦闘機の F-15 は、アフターバーナーと呼ばれる加速装置(実は「アフターバーナー」は一般名詞ではなく商標)を用いれば、東京ー大阪を約15分で飛ぶことができる。インターネットを検索しても、「スゴイ!」という記事がたくさん出てくる。
しかし、その裏側を見なければならない。F-15 の航続距離(一番長く飛ぶことのできる距離)は約4,000キロで、非常に長距離を飛ぶことができるが、アフターバーナーを全開にすると、なんと15分しか飛ぶことができない。つまり、東京ー大阪間約500キロを飛ぶのがやっとになってしまう。どうしても必要な時に「スゴイ全力」を出せる F-15 だが、その代償も大きいというわけだ。
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11月末まで個人 note 休みます
ここ最近、「ここぞ」という時に爆発的な集中力を出せるようになってきた感覚があります。ちょうど、F-15 のアフターバーナーのような感じです。そして同時に、アフターバーナー使用には代償があります。長く持たないのです。12月に一時帰国するまでに、仕上げたいこと、仕上げる必要のあることがそこそこ山積しています。アフターバーナーを使って一気に仕上げるか、4,000キロを飛べる速度で「ゆっくり、しかし確実に」仕上げるか、ここ数日考えてきました。
結論は、「アフターバーナーは切る」です。なにしろ、4,000キロ飛べる飛行機が、500キロしか飛べなくなってしまうのですから、人間も同じようなものだと感じています。ということで、11月末まで note は週一度の「しあわせ探求庁」のみとして、個人の記事はお休みします。12月に入ったら、戻ってきます。「ゆっくり目に、ここまで飛んだよ」とご報告したいと思います。
そして実は、10月一ヶ月間、持てるエネルギー全てを使ってアフターバーナーを全開にし、「あること」に取り組んできました。成果も出そうです。「あること」はいずれご報告できる日が来ると思うので、今は少し速度を落として、着々と目の前のタスクをこなしていきたいと思います。先日のマラソンも完走して体調も万全なので、「血湧き肉躍る」感覚を得ています。
それではみなさん、12月2日の月曜日にまたお会いしましょう。その間、どうぞ「しあわせ探求庁」をよろしくお願いいたします。
今日もお読みくださって、ありがとうございました✈️
(2024年11月1日)