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#4 ドイツ・研究者ビザ申請

先日、東京・広尾にあるドイツ大使館へ、渡航のためのビザ申請に行って来ました。日本のパスポートは、英国のコンサルティング会社「ヘンリー&パートナーズ」によるパスポートの信頼度調査で、2023年1月の調査でははシンガポールと並んで世界1位!193の国と地域にビザなしで短期渡航が可能です。つまり、日本国籍を持っている場合、海外旅行や短期留学のためにビザが必要になることはほぼないため、大使館に出向いてビザを申請するのは長期滞在者のみとなります。

オーストラリアの思い出

初めて駐日外国公館を訪ねたのは26年前の1997年で、当時在学していた筑波大学からオーストラリアへ1年間の交換留学をするためのビザを申請するためでした。当時は今とずいぶん様子が異なっていました。何より、ビザ取得のために「大使館が指定した病院」で健康診断を受けることが求められ、そこでの会話は次のようなものでした。オーストラリア人医師と思われ、会話は最初から英語でした。診察室に入るなり言われたのは……

Please undress except for your shorts.
(パンツ以外全部脱いでください)

後日オーストラリアで日本人と話すと、これは女性の場合でも同じだったらしく、いきなりで面食らったとみんなが話していました。何のためにそんなことを……と話していると、日本で看護師をしていたという女性が教えてくれました。

あれ、麻薬の注射痕がないか見るためなんだよ。
目立たないように足の付け根とかに打つ人いるから……

なるほど、とみんなで手を打ったのを覚えています。そんな思い出があったので、今回のドイツ行きでもどこかで魔の “Please undress….” が出てくるのでは、とビクビクしていたのです。実際は、ビザの種類によるのかもしれませんが、僕の場合は健康診断を受ける必要性そのものがありませんでした。

時間厳守・セキュリティ万全

ドイツ大使館でのビザ申請は事前予約制で、次の決まりがあります。

・セキュリティチェックのため、予約時間の10分前に来館すること
・遅れたら手続きできない
・無断キャンセルの場合、ペナルティとして向こう2週間再予約が取れない


建物本体は中に入らないとよく見えない。ドイツ国旗とEU旗が上がっている。

ドイツらしい厳しさなので、遅れては大変と思い、入口に予約時間15分前に着きました。すると「入館できるのは10分前です」と言われ、それまで待つように言われました。「10分前までに来い」ではなく「10分前ちょうどに来い」のようです。時間になると1つ目のゲートを通って空港にあるような金属探知機を通り、荷物チェック。係員がカバンの中を見た後、携帯電話、タブレット、スマートウォッチ、ヘッドホンなどはロッカーに預けます。普通の時計を持ってくればよかったと思いました。その後2つ目のゲートを通って大使館の建物に入るとさらに指示書きが。

予約している人は番号札は取らず、そのまま待つように。名前を呼びます。

銀行にあるような番号札発券機のボタンに伸ばしかけた手を引っ込めて、そのまま席に着きます。予約の8時ちょうどに名前を呼ばれました。係員は日本人だったので一安心。

いよいよ係員と対面

「では書類を拝見します」と言われて提出。中と外は完全にガラスで仕切られており、書類の受け渡しもガラス扉の下を往復するトレイで行います。分厚いガラスなのか、中との会話はインターコム経由で行います。あのガラス、悪意のある人が隠し持ってきた拳銃で撃っても大丈夫なものなんだろうな、とふと思いました。

提出する書類は、渡す時の「重ねる順序」がウェブサイト上で指示されているので、その順番でまとめて2セット準備したものを出します。いくつか簡単な質問に答えて、係員が端末に入力を行います。

係員:受入合意書(Aufnahmevereinbarung)の原本はありますか?
 僕:先方から送られてきたのはスキャンコピーだけでした。
係員:分かりました。(原本なしでも大丈夫)

係員:大学での雇用は9月からで、渡航は8月となっていますが?
 僕:早く行って準備するためです。8月中は海外旅行保険をかけています。
係員:保険証券をお願いします。

イレギュラーな部分もどうにかクリアして、ひとまず申請は完了。2週間ほどでビザがパスポートに貼付されて送られてくるようです。

今回僕が申請したのは、カテゴリー 18d、Visas for scientists and researchers(研究者ビザ)と呼ばれるもので、学生ビザでも就労ビザでもない少し特殊なビザです。学生ビザの場合は滞在期間中の費用を証明するために、相当額の銀行残高が求められたりするようですが、僕の場合は資金は「大学からの給与」と書けばOK、とても助かりました。

入り口にはフレンドリーなポスターが

ドイツの場合、日本で発給されるビザは到着日から6ヶ月分で、現地到着後フランクフルトの総領事館にある外国人局に出向いて、その先の長期ビザを申請することになります。その時の様子は現地から書きたいと思います。

今日もお読みくださって、ありがとうございました☕️
(2023年7月1日)

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