”アイビー経営者からの教え”〜好き嫌いの経営〜
セオリーから外れた経営道
急な拡大路線が、経営破綻を導く。
1 マーケットが無限にあると思う。売れなくなるのは「有限」なのに
2 引き下がれないから(組織の拡大と経費の膨張で)、破たんまっしぐら
破たんを4度経験した会長は、さらにこう言います。
上場すると、売上・利益を伸ばし続けないといけない。
しかしそれは「不可能」です。
もちろん立派にやっておられる企業さまもありますので、一概に私の考えが正しいとは言えませんが、企業家の志と投資家の志はやはり相入れないように思います。
そう、上場のリスクはここにあります。では企業家の投資家の違いは何か?
企業家としての思い入れが、お客様に「響く」。
例えば貝ボタン。「止めるだけならプラスチックでいいのでは?」
確かにこれで1億程度利益が増えます。
しかし、だからこそお客様が支持してくださる。
ただ、これは価値観ですから、好き嫌いと同じです。
同じ論調が、楠木さんの最近の本でも書かれておりました。
所詮経営は、好き嫌い。
(『すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法 』)
【事業の始め方】
顧客を想定する。
その根拠を数字的に裏付ける。
その方は何を求めるか(ニーズ)を言語化する。
それを満たす財を作る。
模倣できないビジネスを創業することが、ビジネスの鉄則。
なぜ模倣されていないか?
原価・利益を計算しないで、「この値段ならお客様が来てくれる」売値と品質だけ定めて、事業を始める。
めちゃくちゃです。笑
そう、けれど、実際に創業26年ですが、いまだ他の追随を許していません。そのマーケットの先駆者になった優位がある中、
それを巻き返すほどのソフト(センス)・生産地との信頼関係・事業への思いのある模倣者はいないのでしょう。
不況だから売れないのでない
「買いたい」という欲望は不況でも決してなくなりません。
不況とは、そのお店が、「隣の店」か「自分の店」かと割れている状況を指します。
しかし残念なことにTOPが不況を言い訳にしていることもある。
大切なことは、その外的要因が、売上減少の30%〜10%のどこで収束するかを読み切る力です。
不況は地殻変動で、それは人類の滅亡を意味しません。大したことではありません。
現在のコロナ下では安易にそう言えない部分もあると思いますが、
一部の町で粛々と営業が始まっている手前、そういうものかと思う気もします。
「損する計画書を作ってくれ」
量への欲望には限りがあるが、質への欲望には限りを知らない。
そう、だからリーマンの際には、3000万出してキャンペーンを行った。
つまり、確かにこれで、お客様は量を買うかもしれない、しかし質については、「もっと他にいいものを」と求められるはず。
結果、1億の売り上げで、4000万の利益、1000万の増益となった。
消費が冷えている時に、「無理に売上げも・利益も上げろ」無理がある。
ここで「損する計画」と聞いて、回転し始める。ここが大切。
組織のない組織
部下長といった役職は一切おかない。
各自が何をすべきかは、顧客の満足につながるか、つながらないかで判断する。なので経営者は、自分の存在を消すべき。
会社というのは、異なる人が集まる場です。
それぞれの知見がぶつかったら、何十倍もの知見が会社の財産になる。
その時に、「上司」は不要です。
組織は作るものでなく、出来るもの。自然発生的な組織は良しとします。
自然にその業務が得意な人のところに仕事が集まるような流れを作りたい。
また、組織を作ると「その間」「隙間」が必ず生まれます。ここがもったいない。
※筆者注:慧眼です。隙間の議論も素晴らしいと感心します。
この隙間こそ、多くのビジネスアイディアが生まれることは、山口周さんの著から知られています。
白でも黒でもない、経営の世界
数字は残念ながら白か黒か。
ただし、経営は白でも黒でもない世界です。
白黒つかないことを考えることが、物を考えるということです。
そのための五感をなくしまったら、人間が経営する必要はなくなります。
経営者が経営資源の最たるもの。
荒波に自ら飛び込む気概で望めるか。一番苦労するのが経営者でないといけません。そしてそれを、楽しいと思えなくてはいけない。
これが人の上に立つ人の仕事です。
戦いとは、勝つ準備をして望むもの
外堀を埋め、「これなら間違いない」と思えた時に、火蓋を切る。
筆者注:この「感覚」は、第一線で知覚を磨いてきた人の感覚と思います。
これは筋トレに近い備え方らしく、日々の取り組みが必要です。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
佐々木真吾
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