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豊かさを生む4つの条件 1820年〜1850年、人類が最も進歩した時からの考察②

前回に続いて、今回は【豊かさ】をもたらすうちの残りの2点、資本と輸送の生い立ちを整理したいと思います。

『豊かさの誕生』
1 私有財産権
自身の身体はもちろん、具体的・知的含め、市民の自由として
2 科学的合理主義
世界を精査・解釈する体系的な手順として
3 資本主義
新製品の開発や製造に、幅広く誰でも投資できる市場として
4 輸送の技術
情報のための通信手段と、人や物を運ぶ輸送手段として

3 資本の誕生

復習ですが、限界生産率の良いものは、資本(と知識)でした。

古典的経済学では、土地・労働・資本、この3つの要素の生産性で富の大きさが決まるとしていた。
それぞれの限界生産率がどれだけ高いかが大切で、土地のそれは最も見込みが薄く、次の労働、最もいいのが資本、投資が増えるごとに生産性が向上していく。
そして、それだけで説明しきれないと気づいたポール=ローマーさんは、
知識そのものが成果をもたらす、さらにそれは集積されればされるほど効果が出るものと指摘しました。

株価は高ければ、株式資本のコストは安く、その逆もまた然り。
株価が低いときは、資金調圧の代償に所有権の大きな部分を外部の人間に委託=大きな投資ができずに、さらに伸び悩むことになります。

銀行融資、債券発行、株式発行のいづれでも、資本調達のコストが、
事業の成功と、富のなす速さを規定します。

ところで、株式による資金調達は現代に至るまで、浸透していませんでした。それは「情報の非対称性」が理由。今でも会計不祥事が日常茶飯事なので、当時は不可能に近かったようです。

金利の誕生の背景は、オランダの銀行がパスカルの確立をんをあてこめ、年齢により利子の変動に成功し、このおかげで商人が在庫を潤沢に持てるようになった。

そうして投資銀行が、このオランダで生まれます。

投資会社は貸付のリスクを何千もの投資家に分配させることができ、
投資家も債権を組み合わせリスクを減らせるようになり、
これが投資金額の増大につながりました。

金融の中心が、オランダ→イギリスへ

1688年、オラニエ公ウィレムのイギリス王即位に伴い、
銀行家たちも同時に移住してきたのが始まりです。

・長期償還債
・売上税の導入:国債の裏づけ
・議会の信頼を回復し、下院に実業者(焦げ付きで困る人たち)が多く参入

国債がなぜ民間の金融業の発展に重要か、ここでは一つだけ紹介します。

国債の利率は、実業家に、リスクフリーの事業がもたらす収益の相場をしめします。
これがベースラインとなり、
リスクに応じた金利の上乗せ(リスク・プレミアム)が可能になります。

さいごに、【輸送】蒸気船・機関車と電信の開発が揃い、4条件が整いました。

詳しくは原著に譲ります。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

佐々木真吾

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