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丁寧な生き方

少し前まで知らなかったのですが、高校のPTAにはOB会がありました。
どんな会なのか興味を持ち、現在の幹事の方々と意見交換(という名の飲み会)をさせていただきました。

発足は昭和58年と今から約40年前。
当時、PTA役員をやっていた方々が、子供の卒業後も繋がり続けたいと発足させたそうです。
皆さま既に80歳を超えられていますが、とてもお元気で(お酒の飲む量も笑)、貴重なお話をたくさんいただきました。

僕が皆さんのお話を聞きながら感じたことは、諸先輩方がとても「丁寧な生き方」をされているということ。
OB会でも、未だに、定期的に勉強会やイベントを企画し、お互いに学び合おうとしているそうで、40年間もその活動が続いているのです。
最後はいつも飲み会で盛り上がるところも変わっていないそうです(笑)。

立ち上げの時の経緯や、学校の先生を巻き込んで行ったイベントのこと、松尾芭蕉の奥の細道を巡る旅行会など、とても鮮明に記憶されており、さらにそのときの様子をアルバムにまとめていたり、定期的な会報誌まで作成しているなど、会の歴史をきちんと有形、無形の両方で留め置いていらっしゃいます。
3名の方と意見交換したのですが、途中、当時のことを思い出してお互いに「お前はこうだった!」みたいに熱くなることも(苦笑)。

その諸先輩方からのご要望は、「ぜひ現役の保護者にも周知してもらってOB会の会員を増やしたい」ことです。
「学校の先生を招いたりすることは保護者にとっても勉強になるし、交流できることも貴重な経験でとても良いので今のOB会にとらわれずともやった方がいい」とおっしゃっていただける方もいます。

その話を聞きながら、「できたらいいな」と思う一方で、どうしても「今の保護者が諸先輩方のように『学び』を目的とした会に参加してくれるだろうか」と考えてしまいました。
僕だけかも知れませんが、貴重な土日を使ってPTAのOB・OGが集まる勉強会に参加しようとは、気持ち的になかなかならないなと思ってしまうのです。

なぜ諸先輩方がやれたことを、我々世代ではできないと思ってしまうのか。。。
僕なりに考えた結果は、
・今の時代は何かを学ぼうという気持ちがあればその手段は多様にあるため、わざわざこのような特定の会に属さなくても困らない
・そもそも何かを学ぼうという意欲が昔の人より少ないのかも
・社会人は昔より忙しいのか、あるいは暇つぶしの手段がたくさんあるからか、時間的ゆとりがないように感じる
・どうしても損得勘定(タイパ)で考えてしまい、明確なメリットが見出せないと参加しない
・SNS等もありリアルで他者と繋がりたいという欲が昔より下がっている
といったところです。
※ご意見いただけたら嬉しいです。

特に感じるのは、学ぶ意欲が下がっているのではということです。
分からないことはスマホで簡単に調べられてしまうからか、あるいは生活が便利で快適になり困りごとが減ったからか、能動的に学ぼうという意欲が減っているのではないかと、諸先輩方の話を聞きながら感じていました。

諸先輩方の話を聞いていると、40年も前の話を鮮明に覚えていらっしゃっていて、それはきっと一つ一つの出来事に真剣に取り組んで来られたからこそなのかなと感じます。
そしてそれは、とても丁寧な生き方をされてきたということなのだと思います。
僕ら世代は便利になった分、深く学ばずとも何となくこなしていくことができるようになりました。
その結果、諸先輩方に比べて丁寧な生き方をしなくなってしまったのではないか。。。

記憶をスマホやPCなどのデジタルで代替することはとても便利で助かることが非常に多いのですが、40年後に、現在の経験や学んだこと、感じたことをどれだけ覚えているか、、、
将来、後悔先に立たずとならないように、少しでも丁寧な生き方をしていきたいと思った次第です。

※イラストはChatGPTに描いてもらいました

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