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狂っていても、モノをつくる人は好きかもしれない。

フィクションだからってのもあるけど。

映画YOKOHAMAの感想文です。ネタバレあり。
そして自分語りもあり。注意。

中村優一さんを知ったきっかけ

今年6月。さきに見てた妹に「YouTubeで仮面ライダー電王の無料配信あるから見ないか」と誘われたのがきっかけ。
見てみると、最初から最後までたのしくておもしろい作品だった。
毎話わくわくするし、キャラはみんな立ってて仲間イマジンは知ってる声優さんばかりで、嫌なキャラがいない。基本的に明るいんだけど、シリアスなところはちゃんとシリアスで。
そんな電王で推しになったのが、中村優一さん演じる桜井侑斗。
いわゆる2号ライダーなんだけど、変身するたび関わった人から自分の記憶が消えていく……という、こんな重い運命のキャラ好きにならないわけないだろっ!
いつの間にか桜井侑斗に落ちてました。
「推しだ!」ってなる前に「おっいいキャラだな」と思ったのは、
電王の良太郎たちや相棒のデネブにはツンケンしてるのに、怪人に憑りつかれた人には常識的な対応してたところです。あ、そこはふつうに対応できるんだと思った記憶があります。

この動画、何回も見ちゃう。

電王を見終わっても、イベントやメイキングのDVDを見てるうちに中村優一さんを好きになり、インタビューを読んだり動画を見たりしてたら応援したい!  と思うようになりました。仮面ライダー以外にも、出演されているドラマや映画を見てます。まだぜんぜんだけど。

あとこの記事。やさしくて、すっごいすてきな方だなって思いました。
緊急事態宣言という、聞いたことない宣言が発令したその日に行動できるなんて、なかなかやれるものじゃないと思います。やっぱヒーローだ!


YOKOHAMA

やっと本題だよ。
好きになったのが映画公開終了後だったので、DVDで見ました。

中村優一さんが初プロデュース・初監督した3本の短編からなるオムニバス映画。それが「YOKOHAMA」

ご出身の横浜を舞台に、「狂想」をテーマに愛・不条理・狂気を描いています。
現在、アマプラやU-NEXTなどで配信中のようです。


「贋作」

妻が恋人を作って出て行ったノボルの家の前に、ある日包丁を持った女性サエコが横たわっていた。やがてノボルとサエコの奇妙な生活が始まる…。監督は『僕らはみーんな生きている』の金子智明。主演は『仮面ライダーアギト』『はぐれ刑事純情派』の賀集利樹と『あなたは私におとされたい』『僕らはみーんな生きている』の鶴嶋乃愛。

公式サイトより引用

いちばん、田舎者のわたしでも知っている横浜が映ってたのがこの「贋作」

うつくしい風景が撮られているんだけど、登場人物がもっている心は悲しみだったり怒りやムカつきだったりで、負の感情が出てきている。
妻との思い出のカマキリを踏み殺すノボルの表情は、怖い。だけども、気持ちはよくわかる。殺生はよくない、なんて言えない。
表面上は満足しているふりをして夫婦生活を送っていたことを「贋作」って言っているのかな。

サエコも彼氏に浮気されていて。ラスト、車ですれ違って顔を見るんだけど、どういう感情なんだろう。
浮気もよくないけど、包丁で追いかけられるのも命の危機を感じるよね。
でも同情はできない。
サエコを見捨てたようだけど、ほっとしているようにも見えなかったな。

サエコの姿は映ってないんだけど、たぶんノボルと会ったときと同じように倒れてるんじゃないかなと思う。
そして二度と目を覚まさない。
が、わたしの予想。


「横濱の仮族」

横浜に住む富豪・横濱権蔵が、火事によって失っ家族を取り戻すため、容姿がそっくりな人間を拉致し、“仮族”としての生活をスタートさせ、「家族そっくりな誰かに殺してもらう」願いを叶えようとする。『BIRTHDAY』『2FATE』の鬼才ヨリコ ジュンが全編ワンカットで描く不条理迷宮。主演は『タロット探偵ボブ西田』の高山孟久。

いちばん、むずかしかったのがこの「横濱の仮族」
たんに自分の読解力というか、理解力がないだけかもしれないけれど。

拉致されたので主人のことをよく知らないはずなのに執事は、また眠れなかったんですね、みたいなこと言えるのか?
COOKの役割を与えられて、いきなり朝食の準備ってできるものなのか?
いくら人生ではじめて褒められたからって、出会って数日の人を庇うことなんてできるのか?
そもそも全財産をもらえるからって人殺しになれるのか? または1日考えて、やろうと思うのか?
探偵Sも横濱家のひとりなのか?

と「どうなってるんだ?」という疑問で終わってしまった。

ぜんぜん違う解釈かもしれないけれど、
ハニーとのうつくしい思い出を家に閉じ込めるために、燃やすまで演じてたのかな。本物をマネしようとする、自分を。
これが初見の考えです。


「死仮面」

特殊造形アーティストの田所が「創作から逃げたい」というメッセージを残して自殺した。映画プロデューサーの益田は他殺を疑い、田所が元所属していた特殊造形工房の経営者、米村を訪ねるが…。中村優一の初監督作品で脚本は作道雄。主演はミュージカル『新テニスの王子様』や映画『人生の着替え方』などで活躍する秋沢健太朗。

いちばん、好きだったのがこの「死仮面」

わたしはプロではないけれど、書くことが好きで創作しているから、米沢が刺さった気がする。そういえば狂ったキャラも好きだった。「処刑人」のマクマナス兄弟とくにコナー、『ダンジョン飯』のライオスとか。原作はホークアイとのしか読んでないけど、おしゃべりなデップーとか。

「自分の人生にご満足ですか」という質問。
これって米沢自身が最も答えを求めてたんじゃないかな。
特殊メイクの仕事が減ってきていて、でも自分にはそれしかない。
きっと他に行く当てもない、職人であろうとする。
職人であることが正しいことであってほしい、そう思ってるんじゃないかな。
職人だからこそ、狂っちゃったんだと思う。

とはいえ、デスマスクが最高傑作って、それでいいの? と思ってしまった。たしかにつくってはいるんだけど、型取っただけじゃん!
100%自分の力とは言えないのでは?
オリジナルで勝負してほしかった。

あと今仮面ライダー響鬼見ていて、威吹鬼(渋江譲二)さんが出演してるの最初気づかなくてびっくりしちゃいました。


感想まとめ

3本とも、おもしろかったし、たのしめたし、お茶も飲まずじっと見てました。

まぁ、つくった人が好きなので贔屓目に見てるところもあります。ないとは言い切れないです。
すなおに書いたつもりだけど感想としては、話半分くらいがいいかも。
ただわたしは、わからないところもまだまだあって、また見ようと思います。

(サムネの写真は、修学旅行で横浜からクルーズ船に乗ったときに撮ったものです。iPhone5とかで撮ったような気がする。ガビガビだ!)

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