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マティアス・グリューネヴァルト

ティツィアーノは大きなホールで歌うソリストのよう。あれだけの大きさと物量で表現するのは大きな空間で観る人たちに向かってのことだろうと思う。近くによったら焦点と時間の流れが違い、何を描いているかわからないくらい。

中学生の時に見たキーファーの作品と繋がる。自分にとっての絵の具の厚みは、あらゆる趣味趣向への反動でもある。あらゆるものを飲み込み、無にして、この世のものでないものと接触するために、極めて物質的にならざる得ない。想像を絶するしかない。

キーファーを表層にして、ドイツ芸術の1300-1400年代は僕にとって非常なインスピレーションの源になっている。マティアス・グリューネヴァルトの祭壇画は今もっとも見たい絵のひとつ。

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