ニンジンのかたち。

昨年、婚活をして思ったのは、大切なのは、パートナーの有無よりも「自分が胸を張って「幸せ」といえるか」かどうかなのだ、ということだった。
では、自分にとっての「幸せ」って何なのだろう?と考えると、それがすごく曖昧なものだなと思う。

もちろん、「1日でも長く健康でいたい」とか、「いまの仕事をできるだけ続けていきたい」とか、「趣味である将棋をずっと続けたい」とかはあるけれど、どれも現状維持的というか、自分でも消極的な感じがする。少なくとも、パートナーや誰かと「シェアする」という感じがまったくしない。こだわりがないようでいて、あるのかもしれないけれど、やっぱりないのだ。

以前だったら「仕事で成功したい」とか「素敵な恋愛をしたい」といった願いはあったし、今でもそれを完全に諦めたわけではないけれど、いまの自分と折り合いをつけると、「そこまでは求めなくてもいいかな」と思ってしまう。

☆☆☆

幸せというのは、例えるなら、お弁当に入っているニンジンのかたちのようなものかもしれない。星形のニンジンを入れてほしいひともいれば、花の形がいいひともいるだろう。車の形のひともいるかもしれないし、ハートマークのひともいるかもしれない。別に型抜きしなくてもそのままの形がいいひともいるだろう。
だけど、自分にはそういったものがあまりない。ニンジンがニンジンであって食べられるならばそれでいい、と思っているフシがある。こだわりがないのも考えものかもしれない。

これまで生きていて、「どうしても星形のニンジンがいい」というひとや「花の形がいい」というひとにも出会ってきた。そのひとたちとは分かり合えない部分もあったけれど、「自分がどんなかたちのニンジンが欲しいのか」やがわかれば、これからの人生も少しずつ変わっていくのかなという気がしている。必ずしもよい方向にかはわからないけれど。

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