甘えたくても甘えられない
カウンセリングが進んでいくと、見ないようにしてきた本音が浮かび上がってくる。今までは生きていく上で避けておかないと、自分が保てず壊れそうだった本音。「もう限界なんだよ。」と体と心が教えてくれている。それらに寄り添ってあげる時を「鬱」の人は過ごしている。何もしてなくないよ。
「甘える」の定義について
甘えるって どういう事だろう。
一体 どんなことをしたら甘えることになるんだろう。
辞書によると
(人の好意を期待し)慣れ親しんで人なつこくする、またわがままをする。
人の好意をあてにする気持ち。
甘えるって例えばこういうこと?
/1人でもできることを誰かにお願いする。
→誰かの力を借りることは甘えることなの?
/本当はできない。やりたくない。休みたい。って本音を伝えること。
→気持ちを吐露することは甘えなの?
→ワガママを許してもらうこと?
→ワガママと甘えるってどういう関係?
→頻度によって良し悪しが生まれるの?
ワガママと甘えの違い
/ワガママ
必ずしも必要でないことを他へ求めること(範疇を超えてくる)
自分の思い通りにことを動かしたい身勝手な気持ち
/甘えるとはアクション
言動を含め踏み込んだ行為
軽い執着を手に入れようとする行為
自分から愛されにいく力をもってする行い
安心感を求めること
甘えるは憧れに近い
なぜなら
必要なこと、だと思うし
足りなかったこと、だと知っているし。
今も足りないこと。だと感じている。
人の好意をあてになんて出来てこなかった。
甘えられない私の現実
〇〇をしてほしい。〇〇をやめてほしい。
って伝えるのが難しい。億劫。どう、お願いしていいか分からない。
誰かに何かをお願いをするだけで、本当の気持ちを話すだけで、涙が出てくるのは、どうしてだろう。
体の感覚に残る記憶
何重にも折り重なった場面が思い起こされるのは何故だろう
悲しかったなぁ
辛かったなぁ
「私も」って甘えて言いたかったなぁ。
舌を喉の奥に引き込んで、奥歯を噛み締めて、顎を引いて
前をまっすぐ向いて耐えていたっけ。
まるで、なんともないような顔をして
喉の奥だけ熱くて、落ちてきそうになる気持ちの重さを
舌で上顎から鼻の方にできるだけ強く押し上げてたっけ。
鼻先がツンっとしてきたら、さらに奥歯をかみしめて
目の内側に壁を作り、表の目には光を足して、口角をあげては
嘘のスマイルを作ったっけ。大丈夫、私は平気。
私が私(気持ち)を殺し始めたのは
甘えられないからだった。
今ではちっとも甘え方が分からない
甘えたくても甘えられないを重ね過ぎた。
私が甘えようとしたら誰か許してくれるのだろうか。
私自身が甘えることを許して生きてきていないのに。
誰かが私に「甘えていいよ」なんて受け入れてくれるのだろうか。
もし、受け入れてもらえなかったら悲しくて辛いな。
「あたなは分かる子だから、言わなくてもできる子だから」
そう褒められてきた。我慢することが望まれていると明確だった。
いつだって、我慢すべきだった。
「甘えるべがらず」=「私(本音)を押し殺ろす」
それが正しかったはず それが私のできることだったはず
そこに私らしさは無かったけれど。
甘えられない仕組み
何度も私(本音)を殺してきた。
「本当は甘えたい殺さないで」と身体中が叫んでいたのに
甘えたいなどと言う私は存在しないのだと
喉をしめて口を塞ぎ、私自身を押し殺し沈めてきた。
思い出すだけで涙が溢れてくる。
喉の奥から鼻にかけて、つるような痛みがジンジンする。
この感覚は今も同じように起きる。
甘えたいと言えてこなかった悲しみだろう。
情け無い自分でも ゆるして ほしい。
できない自分でも 抱きしめて ほしい。
足りない自分でも 笑顔をみせて ほしい。
甘えるとはある種の「受け入れてもらう練習」だったのだろうか。
自分から愛されにいく力
相手に気に入ってもらえるように偽るのではなく
演じるのでもなく
どんな状態の自分でもオープンにし
受け入れてくれるかもしれないと
飛び込む勇気のことのようだ。
辛い時がある 踏ん張れない時がある 諦めたい時がある
その本音(私)を押し殺して
前に進もうとする。
どうした方が大人が望んでいるか。どうすることが望ましいとされるか
理解できるから そうするのだ。
それを大人は「強さ」だといい「真面目」だという。
気持ちを押し殺して
頑張った分だけ褒められたなら
報われるだろう。
でもそんな事はなかった。
できる子 いい子は 褒められない。
できて当たり前だから
できない子ほど 褒めてもらえる回数は多い。
だから できる子はもっと
頑張る もっと褒めてもらえるように
もっと 私(本音)を押し殺し全否定して
未処理の感情を増産して生きている。
私(本音)を押し殺した分だけ 褒めてもらえやしないのに
私(本音)を押し殺した分だけ 甘えさせてもらえやしないのに
私(本音)を押し殺した分だけ 心が重くなって沈んでいく
私(本音)を押し殺した分だけ 喉が締まり口が開かなくなる
私(本音)を押し殺した分だけ 息ができないのに
甘えられない仕組みは 辛い。