1周年面談子

「奇跡も、魔法も、ないんだよ。」新規サービスのユーザー獲得を1年やってわかったこと

「なんで新規サービスやってるの?」 正直、今でも返事に詰まってしまいます。しんどいこと8割。それでも、まだ続けてる。その答えを探すためにも、DIGROWというサービスに携わってきた、最初の1年を公開してみます。

DIGROWとは?
匿名で転職相談を投稿すると、知らない誰かからあたたかいアドバイスが届くサービスです。さらに、転職エージェントからは具体的な求人の提案や、プロの視点から見た有益なアドバイスをもらうことができます。
どんな人が書いてる?
DIGROWにおいて、求職者の集客やさまざまなマーケティング施策を、2018年5月のリリース時から担当しています。
※DIGROWは専業スタートアップではなく、社内の新規事業という位置づけです。

リリース初期はとにかく試す

幸いにも、わずかながら広告宣伝費を使うことができたので、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告などを少しずつ並行運用して、最も効果があるものはどれかを探っていました。生粋のスタートアップ企業であったなら、そもそも広告宣伝費などゼロでしょうが、この点に関しては恵まれていたと感じます。
このほか、社内で宣伝、はてなブックマークでセルクマ、内輪のブログで宣伝、公式SNSの運用など、さまざまな手法を思いつく限り試していた時期です。

ぬか喜びに惑わされた初めの半年

いくつかの広告施策を試した中で、Facebook広告のクリエイティブがなぜか当たり、集客に手ごたえを感じ始めます。
さらに、もうひとつ、検索からの流入が予想よりも堅調に推移していました。サイトの開発時に、あらかじめSEOを意識した設計に取り組んでいましたが、そこまで効果があるものか!と、ぬか喜びに拍車をかけていたのがこの時期。

しかし今振り返ると、新規ドメインの開始初期にのみ検索結果で上位に表れやすくなる 「Googleハネムーン」と呼ばれる現象でした。

案の定、ハネムーンが過ぎると、徐々に検索流入は落ちていくことに。

大ヒットしていたFacebook広告のクリエイティブも、時を同じくして陰りが見え始めます。しかも、広告施策をお試しできる時間は終了し、下半期からは、使える広告宣伝費が大幅にカット。

束の間のプチ成功体験から、一気に叩き落されることとなりました。

後半戦からが本当の試練

広告に依存しない、無料で会員を呼び寄せる施策を次々と投入していかなくてはなりません。ひとことで言うと「泥臭い」施策を地道に回していく日々の始まりです。

・Facebook広告クリエイティブを高速回転
俗にいう、クリエイティブが「摩耗する」のを避けるため、クリエイティブの入れ替えを高速に回していきました。平均するとほぼ毎週2~3点、新しいクリエイティブを投入し続けました。

・ハウツー記事作成
検索流入をもくろんで、サイト内に記事をストックしていきました。キーワードプランナーやサジェストワードを収集して、カテゴリごとに分類、ユーザーの知りたいことを導き出して記事のテーマを考えるという、まるでアフィリエイトで食べているブロガーさんのような作業を経て記事を執筆しました。ネットを漁って、アフィリエイターのノウハウを学習しながら自力で書き溜めた、ワンオペ企画。

・インタビュー記事作成
お世話になっているエージェントさんへの恩返しの意味も込めて、エージェント個人の実像に迫るインタビュー記事を作成しました。取材、原稿執筆、写真撮影すべて自前の、こちらもワンオペ企画。

などなど。現在も絶賛取り組み中です。俺たちの戦いはこれからだ!

効果があったことまとめ

画面フローやUIの細かな改善
よく言われる「バケツの穴をふさぐ」ことは本当に重要です。完璧な状態でリリースされるサービスなどほとんどありません。ユーザーの離脱してしまうポイントがトラップのごとく潜んでいます。
メールの反応、重要な画面フローの遷移率を数値で細かくウォッチして、改善すべきポイントを特定。コツコツと穴をふさいでいきます。数値で見えない部分では、サイト上の説明文や用語がわかりにくくないか、などまっさらな気持ちでサイトを見直して、文面を改善していきました。

おかげで、会員登録のコンバージョン率はリリース時から比べると、最高記録で280%の伸びを記録することができました。


■ 超基本的な内部SEO施策
titleタグはサイトを通じて重複しないように、ファインダビリティを意識してdescriptionを書く、sitemap.xmlをちゃんと用意する、noindex,nofollowを適切に設定、など超基本的なことですが、地味に効いてきます。日々サーチコンソールとにらめっこして、警告やエラーが出た箇所は素早く対応していきました。

おかげで、検索流入のインプレッションやクリック率は右肩上がりに成長してくれました。

■ 自社広報との連携
広報というとプレスリリースを思いつきますが、その効果は非常に瞬間風速的でした。せいぜい2日程度で流入効果は終息してしまいます。
一方、自社オウンドメディアへの記事掲載は期待以上に効果がありました。過去の記事からは、ボリュームとしては小さいものの、今でもコンスタントに流入があります。

プロダクト広報的な視点に立ち、出せそうな情報はどんどん広報へ持ち込むことが大事だと学びました。


効果がなかったことまとめ

・リスティング広告・ディスプレイ広告
既に大手転職サイトや有力アフィリエイトサイトがしのぎを削る、完全レッドオーシャンだったこともあり、効果を上げることが難しかったです。
そのうえ、ターゲット層とは異なる会員の獲得も多く、流入のコントロールにも苦労しました。少人数でもターゲット外ユーザーが含まれてしまうと、初期の小さなデータベースでは大きなインパクトになりかねません。その点では、細やかなターゲティングができるSNS広告の方が、よい成果を上げていました。

・金銭が当たるキャンペーン
Amazonギフト券プレゼントのキャンペーンを一時やってみました。しかし、反響は乏しく獲得したユーザーもあまり定着しませんでした。金額がケタ違いなどの惹きがないと、1年目では厳しいのかもしれません。

・ソーシャルの活用
転職に関する自身の投稿をシェアする行為は、あまり見られませんでした。転職活動は基本、秘め事なのだと実感。ただし、こちらはまだあきらめたわけではありません。Twitter転職のムーブメントなど、時代が変わっている感覚はあります。引き続き取り組んでいきます。


エピローグ
新規サービスの1年目には、映画のようなドラマチックな成功談はありません。期待されてた方、すいません。
新しい施策がうまくいくことなんて、非常に奇跡的な確率です。こちらには書けていない、細かい失敗を無数に繰り返してきました。それでも、たまーに神様がご褒美をくれて施策がうまくいくと、心の中でそっと涙を流したくなるくらいうれしいのです。

ぜひ、DIGROWのこれからに期待してください。興味がわいた方は、気軽にDIGROWで転職相談を。みなさんのご相談、待ってます!

DIGROW

PS. 他のチームメンバーも1周年記念にあわせて、noteを続々投稿しています。ぜひご覧ください。


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