飛騨古川の赤味噌とトマト: グルタミン酸の話

最近、飛騨古川に遊びにいって赤みそを購入しました。
(飛騨古川 三木麹店 )

大きなスプーンにすりきり一杯ぐらいのこの味噌にぶつ切りにしたトマト2個とナス1本、鳥のもも肉100g程度をシリコンスチーマーにいれて7分ほどチン!(途中、5分ぐらいのところで、一度取り出してかき回しました)

非常に簡単ですが、なんと、これがおいしい。
昔も、他の赤みそでためしたんですが、今回の味噌が非常に良かった。
トマトとナスの水分で十分に煮物になっていました。

最近、トマトだしがブームですが、それはグルタミン酸という昆布やシイタケ、魚介類など、いわゆる”だし”をとるものにたくさん入っている、うまみ成分が多いからなんだそうです。今回のメニューだと、トマトにも赤みそにもグルタミン酸が入ってます。

① グルタミン酸は体の中で大活躍
グルタミン酸はアミノ酸の一種で、呼吸をすることで体の中でおこる化学的なプロセスでつくられます。
そして、つくられたグルタミン酸はなんと神経の中で利用されているのです。

グルタミン酸が神経細胞の周りに増えると、神経細胞の壁にあるイオンの関門を開きます。そのため、まわりにあるイオンが細胞内にはいってきます。

イオンは電気をもっているので、細胞の中と外で電気の量に差が生まれます。こうして差ができた状態を神経細胞が”興奮している”状態といいます。

グルタミン酸は神経細胞の間をどんどんとつたわり、この神経の”興奮”を次から次へと引き起こしていくものです。

つまり、人の脳の中で何をするにしても、電気パルスが神経を伝わっていくわけですが、それにグルタミン酸は一役買っていることになるわけですね。

②適量が大事。多すぎると毒に。
どんなものでもそうですが、やりすぎはいけません。
グルタミン酸も同じで、神経細胞の内と外にあまりにも大きな電気の力の差をつくってしまうと、時に細胞はこわれてしまいます。

特に、関門をある程度で閉じようとする、ブレーキとなる物質がない状態で、異常にたくさんのグルタミン酸が神経細胞の周りに集まってくると、今度は神経毒として作用してしまうのだそうです。

ちなみに、致死量は50kgの人で1kgなんだそうです。

調味料としてよくグルタミン酸ナトリウムが使用されますが、気をつけなければならないのは、味からは過剰摂取に気がつかないことです。塩のように「しょっぱくて食べれない」というような事がありません。

とはいえ、野菜などに含まれる量は100gあたり数十mg程度。1kgも摂取することはまずないでしょうけれど。

料理以外に限らず、なんでも「ほどほど」って大事ですね。


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