幼少期を支えてくれた(【企画】私を作り上げた本)
私は、小学2年生の時、転校をしました。
はじめての学校、クラスメイト。自己紹介の時、声が震えました。クラス中からの好奇の視線を今でもまだ、覚えています。
数カ月経っても、仲のいい友達はできませんでした。
だから、休み時間は本を読んでいました。そのころ、ちょっと背伸びして読みはじめた本。
モンゴメリ著『赤毛のアン』シリーズ。
言わずと知れた名作です。
2014年、訳者の村岡花子が主人公のモデルの朝ドラ『花子とアン』が放送されたこともあって、ご存知の方も多いかと思います。
舞台は自然豊かな島、カナダのプリンスエドワード島。
お話は、独身のマリラと兄マシュウが、孤児院から男の子を養子に迎えることを決めたところから始まります。
ところがマシュウの前に現れたのは、男の子は、燃えるような赤毛のアンという少女。
明るく、おしゃべりなアン。空想が大好きで、木や道にも名前をつける風変わりな少女です。
だけど、アンは、ずっと孤独でした。
寡黙なマシュウ、厳格なマリラ、風変わりなアン。バラバラな3人は、次第に家族になっていきます。
寡黙なマシュウは、アンの頭を撫でながら言います。
「わしは、1ダースの男の子より、アンのほうがいいよ。いいかい、1ダースの男の子よりもだよ。そうだよ、エイヴリー奨学金をとったのは、男の子じゃなかっただろう。女の子だよ。わしの娘だ、わしの自慢の娘だよ」36章
マシュウの深い愛の台詞、涙なしには読めません。
親友ダイアナ、第一印象こそ最悪だったものの、恋仲になっていくお相手、ギルバート、お節介な隣人、リンド夫人。
アンをめぐる世界は、キラキラと輝いています。
・・・それはアンが、人生を楽しむ努力を怠らないから。
アンは、大事な人の死を経験し、恋をし、教師として妻として母として、自分の人生を進んでいきます。
「今、その道には、曲がり角があるの。曲がり角のむこうに何があるか、今はわからないけれど、きっとすばらしいものが待っていると信じることにしたわ」38章
アンの考え方は、いつでも私を支えてくれました。
まさに、「自分を作り上げた本」だと思います。