見出し画像

ヒヨドリは焼き芋がお好き

2月、ヒヨドリの高鳴きは少なくなる。この高鳴きの盛りは晩秋から師走の頃である。「ここは私の縄張りだからね。」と告げるために高鳴きをするらしい。

今朝、朝ご飯を食べながら、南の硝子戸越しに、動くものを見つけた。ヒヨドリだった。

硝子戸の外に円卓がある。その円卓に、深さ20センチ、縦25センチ✕横25センチのステンレス籠を置いている。何のために。その籠に蜜柑の皮、焼き芋の皮、バナナの皮などを投げ入れ、微塵切りにするためである。微塵切りを数日置くと、乾燥する。それを材料に自家製特別肥料を作る。

ヒヨドリは、その籠の中を突付いていた。蜜柑の皮を食べるのではない。バナナの皮も食べていない。焼き芋の皮を突付いていた。焼き芋の皮の内側には芋の甘いエキスが張り付いている。それを嘴で突付いて口の中に入れるのである。

2月は、ヒヨドリにとって不況の月だ。餌が不足する。それは商売人にとってだけでないようだ。

昨夕、いつものスーパーで焼き芋を買った。もちろん自分が食べるためである。それだけではない。ヒヨドリが食べる横顔を見るためでもある。

この稿を書き終えて、硝子戸越しに外を見る。ヒヨドリは去っていた。


いいなと思ったら応援しよう!

フンボルト
ありがとうございます。