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親子で知りたい 小学校最強ライフハック70 【テストを巡るトラブル編】
2023年2月にKADOKAWAから『親子で知りたい 小学校最強ライフハック70』という本を出します。
これは小学生の子ども持つ親が知っておきたい、さまざまな情報を現役の小学校教員目線で面白おかしく書いた一冊です。試験的に本編からいくつかのチャプターをnoteで公開します。
知っておきたいこと43 テストをめぐるトラブル
Twitterでは、我が子のテストの採点に納得がいかず、それをいわゆる「晒す」という形で鬱憤を晴らすようなシーンを度々目にします。
多くの場合、保護者の主張が正しく、学校の教員の対応が間違っているパターンがほとんどだと感じます。
もし、お子さんのテストでこのパターンでバツになっていたら、指導者にお伝えください。その根拠も示しているので、Twitterに出すより、こちらを元に話し合う方が保護者にとってもお子様にとってもプラスに働くはずです。
①漢字のとめ・はね・はらい
これはよく目にするトラブルですが、過度に漢字の「とめ・はね・はらい」を過度にチェックしバツをつけるというものです。
傾向的には昔ながらやり方を貫く教員に多いと感じます。
文化庁による「常用漢字表の字体・字形に関する指針」によると、漢字の正誤の基準について「骨組みが過不足なく読み取れ、その文字であると判別できれば誤りとはしません」と明言されています。
そもそも、日本語には無数のフォントが存在しており、何が正しいかという答えはそもそもありません。はっきりと書く楷書も、一筆書きのように書く行書も列記とした日本語です。
それにも関わらず、教師が自分基準で「とめ・はね・はらい」にヒステリックにこだわってバツをつけることは間違っていると感じます。その結果、子どもが学習嫌いになっては元も子もありません。
もちろん、子どもが自分から「より綺麗な字を書きたい」と願い、『とめ・はね・はらい』を意識することは素晴らしいことです。しかし、過度にそれを強要することは不適切だと言えます。
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②掛け算順序問題
これはベテラン若手関係なく、よくあるパターンですが「掛け算のかける数とかけられる数の順序」に固執し、答えがあっていても式をバツとしていまう問題です。
数学的には3×2も、2×3も答えは同じ6であり、これを交換法則と呼びます。
3このドーナツを2人に配っても、2人に3このドーナツを配っても、必要なドーナツは6個です。この考え方は、4年生『式と計算の順序』などで、「◯×△=△×◯」という形で実際に教科書で取り扱われています。
しかし、算数の教科書では前者の3このドーナツを2人に配るという形で教えます。そのため、その順序が違うと式をバツにしてしまうというカラクリです。
まあ感覚的にはわからないこともないです。500円の税込価格を計算する時に500×1.1と多くの方が電卓で打つでしょう。しかし、1.1×500でも答えは同じ550円です。でも、その感覚の気持ち悪さや妙な教師のこだわりからからバツにすることは間違っていると言えるでしょう。
話は変わりますが、オリンピックのリレーを思い出してください。
100mを4人で走るので、日本の算数の教科書的には100m×4リレーのはずですが、4×100mリレーって言いますよね。もちろん4mずつ100人で走って400mを走る訳ではありません。(ちょっと見てみたいとは思う)
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